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人生ガ360°狂う。(バットエンド)
日時: 2010/08/06 12:53
名前: 羽留 (ID: yU8XJsFi)


登場人物。

柊 雅也
中学2年生で、主人公。
頭もルックスも中の中。
いわいる一般人。

松本 瞬
主人公の親友。
授業放棄や遅刻常習犯宿題忘れ常習犯なので、先生からよく怒られている。
あと、見た目のチャラさでよく上級生に絡まれる。
お母さんが元レディースらしい…あー怖い怖い。

佐藤 美姫
主人公の隣に住む超うるさい人(主人公談)。
隣のクラス。
主人公とはちっちゃい頃からの幼馴染。



本編。1章〜≪葛城憂理≫〜

*     *     *     *     *


「え、転校生来んの?」
驚いた。
転校生が来るなんて聞いてない。
…転校生なんて、久々—…。
こないだ来たのは、確か2年前だかんなー。
「そー、どうやら女子なんだってさっ!可愛い子だといいな♪」
俺は呆れたようにハーっと溜息をついた。
「瞬の女たらし。だから男子便のドアに≪松本死ね≫ってスプレーで書かれんだよ…」
瞬は頬杖をついて、バーカと俺に吐き捨てるように言った。
「俺はぁ、男子なんてどうでもいいんだって。…ほら、この子特に好みー、可愛くね?」
グラビアの雑誌を開き、髪がセミロングで胸が…巨乳の…麻緒ちゃんっつー子を指差した。
つか、雑誌校則違反だっつーに。
「はーい、席着けー」
ガラガラと教室に生徒名簿を持って入って来たのは、担任のゴリ…じゃなくて磯部センセ。
怒ると超怖ぇーの。
あーもー怖い怖い。
ワンツーマンで怒鳴られてみろよ?
死ぬっつーのね。
「今日は転校生が居るー」
クラスから「はぁい知ってまぁす」という声が飛ぶ。
こんくらいじゃ怒んないから平気だろうけど。
「お、おお…。結構広まってんなぁ。まーいい!入れ!」
入れ!と言った瞬間ドアが音も立てずに、開いた。
いや、ちっちゃくカラカラカラって音がしたけど。
まぁそれは置いといて…うわぁ。



超絶美人。



髪は赤紫ロング、身長はちょい低め、蒼い眼、綺麗な鼻立ち、低い顎、薄い唇、スレンダー、巨乳。
「東京の葛飾区から来ました」という声は少し高くて蜜の様に甘い。
胸がどくん、どくんと鳴っているのがよく分かる。
「葛城憂理って言います。宜しくお願いします」
はーいっと、男子が声を揃えて言う。
勿論、俺も。

でも俺は知らなかった。

この葛城憂理が。


俺の人生を360°狂わす張本人なんて。


*     *     *     *     *

休み時間。
彼女の人気はすごかった。
特に男子から。
…というか、女子の人気がない。
圧倒的に。
ま、俺にはどうでもいいことだけどさ。
「ねぇ、どんなタイプが好み?」
一人の男子が葛城さんに問うと、
「ちょっと、意地悪な人…かな」
と、はにかんだ。
すると途端に男子が葛城さんに意地悪を仕掛ける。
つんつん突いたり、その程度だけど。
そうやると反応が可愛くて「やめてよー」って甘い声で言う。
俺の天使…!
一目ぼれだと『勘違いした。』


だって、あんな事があるまでは本当に一目ぼれだと思った。

だけど今思えばあれは勘違いだったのだ——

ましてや、今起こってる事をあの時察知出来れば—尚更。



「じゃーな雅也ー」
「おー」
放課後。
瞬とは家が全く逆方向だから、帰るのは別々。
はー…葛城さん可愛かったぁ…。
明日も会えるん—
「待ってっ」
俺はすぐに分かった。
その声の主を。

葛城さん。

貴女しかいません。
くるっと後ろを振り向き、笑顔で「何?」と答えた。
すると向こうも笑顔で、
「一緒に…帰れる?」
と言ってきた…ってか。
「えっ?…え、俺で良いんすか?葛城さ—」
「憂理って呼んで?」
俺はその天使に「はい…」とただただ答える事しか出来なかった。
可愛すぎじゃん。
そして歩きだそうとした俺に、かつ—憂理は、何も言わずにぎゅぅうっと手を握ってくれた。
嬉しかった。


けど、



何故だろう。
その手はとても



冷たかった。



*     *     *     *     *

もうすぐ—俺の家…。
ああぁ、この手離したくない—。
もうそこの向井さん家超えたら俺の家が見える。

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