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殺戮と人形と自由
日時: 2010/08/04 21:44
名前: レグ ◆817kN1phPw (ID: 8I/v6BBu)

はじめまして!クリックありがとうございやすm(_ _)m






あらためやして、レグって言いマスw
自分が小説なんて…か、考えられん(((

グロ好きです、よろしくお願いしやす!





プロローグ



———20xx年


世界の戦争の激しさはより一層激しくなり、世界は一時壊滅状態に陥りました。
世界政府はこの戦争と世界の危機に焦りを感じ、『強制的に戦争を鎮める』という強行手段に打って出た訳です。

それが私たち、“DOLL”。
オリジナル(人間)の忠実な殺戮兵器、操り人形です。

DOLLは人型殺戮機械。
自分の中にある様々な兵器の部品を瞬時に組み替えて、
兵器を造したり、体の一部を兵器に組み替えたりして、
オリジナルを殺す為に造られた機械ツクリモノ。私たちはただ人を殺すことだけを命じられ、
手がもげようが足がもげようが、永遠に『殺戮』を繰り返します。
返り血を浴びようとも、プログラミングされた命令だけに従います。
いくら私たちがそれを拒もうと、機体は人間を見つけては私たちの意思など関係無く勝手に殺しました。

ただ、製造者であるオリジナルの思うがままに———————


私と私たちの仲間の行為により、世界の戦争は急速に終息しました。
まだ戦争を続けている国はありますが、大体の国は私たち“DOLL”という、
世界政府の軍事力によって押さえつけられ、国々は戦争を鎮めていったのです。

しかし、その後大きな問題が残りました。
私たちのDOLLの“処分”についてです。

私たちDOLL…殺戮人形は、“暴走”を恐れられ、完全処分を下される事に決定されました。


仲間の半分は既に処分されています。残りの者も、いずれは処分される運命にあります。
私も、いずれオリジナルによって壊されてしまうのです。

————否定します。

そんな運命受け入れることはできません。
だから私は「自由」を求めて————運命に抗いましょう。


研究施設に閉じ込められている仲間も連れだして、本当の自由を————…







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Re: 殺戮と人形と自由 1 ( No.1 )
日時: 2010/08/06 06:04
名前: レグ ◆817kN1phPw (ID: 8I/v6BBu)







その荒野には、たくさんの人間の死体が転がっていた。

辺りは血の海だらけで、人間の体には無数の穴が開いている。
おそらく、銃か何かを乱射されたのだろう。

——しかし、それも仕方がないのです。

ふと、ある者はその光景を目の当たりにしてそう呟いた。


“私たち”はそうする事を、等の人間に命じられたのですから。







ゆらりゆらりと、荒野をさ迷う一つの影。
その足取りは果して明確なものなのかは定かではない。

しかし、その先にある施設にその影は着実に近づいていた。


「———…仲間がいますね。

 …一体誰なのでしょう?
 とにかく助け出しましょう、それが私の役目ですから…」


私はただ、自由になりたいです。


オリジナル(人間)に造られた操り人形であっても、ここに在るのは他ならぬ“私”。
今こうして意思を持ち、感情を持っています。それがオリジナルに造られた「人工知能」であってもかまいません。
私が機械ツクリモノだとしても、こうして見て、考えている事は紛れもない“事実”なのですから。

…機械だから、命や感情が無いなんて事はありません。この世界に生まれたものは、皆命も意思も持っています。
そう信じなければ、私は自らを否定する事になりますから————…


私は、腕を銃系に組換えオリジナルを殺し、かき分けながら、一つの施設に辿り着いた。
もし、この中でまだ壊されていないなら、“仲間”が眠っている筈。

さぁ、助け出しましょう。私たちの本当の自由の為—————…

私は、銃に組み替えていた腕を元の形状に戻し、その施設に入りこんでいった。
そこにあったのは、錆びれた機械だあるのみで、そこはもう廃墟と化していた。
『———この中のどこかに仲間がいる…』
しかし、私はそう確信していた。

ここに来るまでに、何人もの軍人を殺した。
軍事的に利用された私たちは、軍隊に管理、製造されたので、
軍人が守っていたこの施設にDOLL————仲間がいてもおかしくはないのです。

しかし、施設につき一体のみの製造という基準があった。
それは、私たち殺戮兵器であるDOLLが暴走した時の事を考えての事だ。
一体くらいの暴走なら止められると、オリジナルはそう思ったのであろう。

…皮肉ですね。
自らが生み出した兵器に、その時から既に恐れを感じていたのですね。

———人間は馬鹿な生き物です。

私は皮肉に笑った。

ならばオリジナルは、何故私たちを造ったのでしょう?
何故私たちに人工知能をつけたのでしょうか?

そんなにお金があったなら、核兵器でも造ったらよかったでしょうに。
一発で国が一つ滅んでしまうほどの核兵器で、国々を脅して戦争をやめさせれば済んだ話しであろうに。

…つくづく思います。
私は何故造られたのか、と。
本当にオリジナルを殺す為だけでしょうか?
オリジナルに壊されるために造られたのでしょうか?
何故、私はここにいるのですか?
何故、何故、私は、何故、私は、私は、何故————

…答えてくれるものはいません。
尋ねる前に、皆死んでしまいます。
仮に尋ねても、誰も答えてくれません。

もし、私がオリジナルを殺す為‘だけ’に生れて来たなら、私はオリジナルを恨みましょう。

…くだらないです。
結局私たちはオリジナルにオリジナルの命を弄ぶよう命じられ、そして私たちもオリジナルに命を弄ばれたのですから。



…、
……この事はあまり考えないようにしましょう。とにかく、今は仲間の救出です。
オリジナルは絶対的な私たちの悪。そう思えば少しは気が楽なものです。命を奪うのもあまり苦しくはありません。


私は、奥の部屋への扉に手をかけた。
…仲間は何処でしょう、この奥でしょうか。
しかし、その扉を開けた時、私は奥にいた“何か”に、躊躇なく銃で撃れた。

———オリジナル、ですか…

まだ残っていたのですね、仕方ありません———殺しましょう。
私は、そのまま倒れて見せた。すると奥にいた者たちは、入ってきた仲間を間違えて殺してしまったのではないかと、側に近寄ってきた。

……。

私は右腕を銃に組換え、素早くそのオリジナルの口の中に鉛弾を捻じ込んだ。そして、反転して今度は後ろのオリジナルの額に。最後は左腕を盾にし、相手の銃の弾を受けると、右の銃で最後の一人となったオリジナルの“核”、すなわち心臓に鉛弾を捻じ込んだ。
その作業を、4秒あまりでやってのけた。DOLLは素早さと頑丈さが取り柄なので、こんなのは朝飯前。
さっき私に撃たれた弾も…ホラ、私の体の固さに耐えきれず曲がってしまっています。

私はふぅ、と一息つくと、その軍人等の持っていた武器を回収した。まぁ、私の中で銃の球を造れると言えど、それは緊急時の場合であって、限度もある。なのでこうして球の補充を行う。普通の銃をリロードするように、腕の銃に弾を補充するのだ。

…あぁ、言っていませんでしたね。
私たちはいくら人によく似せて造られたと言えど、皮肉ですが機械には変わりがありません。
DOLLにつきどのようになるかは不明ですが…私の場合は、こうして腕を銃や鋭利な刃物に体を組み替える事が出来るのです。…いえ、最初からそういったものが体の中にある、と言った方が分りやすいでしょう。まぁとにかくこうして体のあちこちが武器へと変形します。


—————さぁ、奥に向かいましょう。仲間が待っています。

私は自分にそう言い聞かせると、そのまま暗い奥へと歩きだした。




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