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- 白の巫女と黒の巫女
- 日時: 2010/08/05 19:32
- 名前: 乙季 (ID: nrSQA2z/)
はじめまして、乙季と申します。
名前は、いつきと読みます。
ファンタジーを書こうと思います。
未熟者ですが、よろしくお願いします。
黒の国、蒼の森に白の少女が現れました。
同時刻、白の国の朱の街には黒の少女が。
黒の巫女と、白の巫女。
二人は、どうなるのでしょうか……
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- Re: 白の巫女と黒の巫女 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/11 19:14
- 名前: 乙季 (ID: lNJ.MCVY)
「・・・なあ、ホントに巫女姫様見つかんのかあ?
こんなとこで」
「知らねえよ。・・・少なくとも、ここには来ない気がするが。
まあ、陛下の言うことだ。間違いはねえだろ」
「それを言うなら、陛下お付きの予見士。
外した事ないって話だが、今回もそうなったら、黒の国の運、使い果たしちまうんじゃねえ?」
「ははっ、まったくだ!」
ここは黒の国の聖域、蒼の森。
二人の口の悪い若者・・・というか、少年がその真中の、聖なる大樹の前で雑談をしていた。
これで・・・この年で、この口の悪さで国王の近衛隊、その副団長を務めているというから、驚きだ。
ふたりとも薄茶の髪で、一人は右目が黄、左目が橙。もう一人は、左目が黄、右目が橙。
パッと見は、全く見分けがつかない。・・・双子なのだろう。
「・・・暇だな」 「・・・暇だ」
二人そろって、そう呟く。
というか、巫女姫様を迎える姿勢として、それでいいのか。
・・・・・・
風が流れる。
日がだいぶ傾いてきたが、巫女姫の現れる様子は、全く無い。
「これは・・・あいつの予見、ついに外れたか?」
「かもな。歴史的瞬間だ・・・四百年ぶりだぜ」
予見士は、四百年も生きているのか?
「暇だ。なあ、ユファ・・・「ちょっとまて、シィ。・・・あれ、何だ?」
二人の名前は、ユファとシィなのか? あだ名かも知れないが。
それはともかく、ユファ・・・右目が橙の方が中空を指差す。
そこには、確かに“何かがあった”。だが、それを感じ取れるものは少ないだろう。
・・・それが、二人は副団長に抜擢された所以でもある。
「・・・おいおい、マジで運尽きるか?」
シィ・・・右目が黄色い方は、軽く顔をひきつらせる。
・・・さっきから、運がどうこう言っているが、巫女姫は、今まで国境近くにしか現れなかったのだ。
おそらく、二つの国に平等にチャンスがあるように、ということだろう。
片一方の領地内・・・それも、ほぼ中心に現れるということは、天が黒の国に味方しているということ。
・・・ただ、確かに運は使い果たしそうだ。
「「あっ・・・」」
二人が、全く同時に息を呑む。
注目していた場所に、一対の黒の翼が現れたのだ。
これは、やはり黒の国が祝福されている、その予兆だと捉えることが出来るだろう。
・・・ただ、ふたりがもっと驚いたのは、その翼を持つ少女の、容姿だった。
「白い髪・・・それに、赤の瞳・・・?」
白い髪は、別に珍しくない。白の国はもちろん、黒の国にも普通にいる。赤の目も、同じこと。
・・・ただし、二つを同時にもつ、それが表すことは、白の国の皇族、ということだった。
「う、わ・・・」
二人は、ふんわりと落ちてきた少女を、優しく受け止める。
「・・・とりあえず、連れて帰るか?」
シィは、片割れに困惑した様子で言う。
「・・・そうするしか、無いだろ・・・」
答えたユファも、戸惑いを隠せなかった。
- Re: 白の巫女と黒の巫女 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/05 13:53
- 名前: 乙季 (ID: lNJ.MCVY)
「・・・本当に、巫女姫様なのか?」
とても豪華な部屋、その豪華な椅子に、黒髪に濃紺の瞳の青年が、腰掛けていた。
黒髪に濃紺の瞳が、黒の王族の色である事は、白い髪に真紅の瞳が表す事と同様に、まさしく周知の事実。
・・・彼こそが、若干19歳で王位に就き、国民の信頼も得ている黒の国の王、ロウティアン・メリル・ファルバート・ユイシス。
・・・名前が長いのは、ご愛嬌だ。
彼は美男子としても知られていて、高嶺の花と知りながらも恋こがれる女性は数多い。
その顔が、今は困惑で歪められていた。
「ホントだって言ったろ。何回言えば気がすむんだ?」
「この目で現れる瞬間を見たんだ。間違いねえよ、この子は巫女姫様だ」
その前(少し離れているが)に立ち、口を揃えて言うのは、先ほどの二人。二人と国王の間には、白い髪の少女が立っていた。
「・・・お前らは、本当に誰が相手でも態度が変わらんな。少しは敬意を見せたらどうだ?」
ロウティアンは、呆れたように言う。
「敬って欲しいのか? だったらロウじゃなくて、ちゃんとメリル陛下って呼ぶぜ」
「あ、なんだったらファルバート陛下にするか?」
「・・・あのなあ」
二人から反撃(?)を食らって、ロウティアンは大きなため息をついた。
「・・・あ、あの!」
と、オロオロと成り行きを見守っていた少女が、意を決した様に声をあげた。
三人の視線が、そちらに集中する。
「えっと、その・・・よく事情はわかりませんが、わ、わたしは確かに巫女姫だと思いますよ。
他にはなんにも覚えてないのに、それだけははっきりしてるんです」
声を微かに震わせながら、まっすぐに目の前の王を見つめる少女。
一瞬、静寂。その沈黙を破ったのは。
「「ほーら、だから言っただろ!」」
ずこ、と音が聞こえそうなぐらい、国王は玉座に座りながらずっこけた。
「だーから言っただろ! ちゃんと見たんだって」
「これでもサラン姉の弟、“雷のカファル”なんだから、当たり前だろ!」
そして、またやんやと色々言い始める双子。
国王は、ため息をつきながら体制を元に戻し、呆れたように口を開く。
「もう、分かったから。分かったから。
・・・後シィ。その口調やめろ」
「えー? やっぱ敬ったほうがいいか?」
にやりと笑いながら首を傾げるシィに、王はちょっとキレた。
「じゃなくてっ! お前だって年頃の娘なんだから! いい加減気まぐれにするその男口調はやめろって言ってるんだ!
ただでさえお前とユファはそっくりなんだ、これ以上見分けが付かなくなってたまるか!」
そこまで大声で怒鳴ると、ぜえぜえと、息を整える。
シィは、面白そうにその様子を見ると、くすり、と・・・愛らしく、妖艶に笑った。
「はぁい。まったくロウったら、そんな時代錯誤的なこと言うなんてねぇ。
昔は、あんなに可愛かったのになぁ・・・ふふっ、残念」
「何が残念だ、何が! というか、無駄に色気を振りまくなっ! いつも通りでいいんだよっ、いつも通りで」
今までとは一転、確かにユファとは瓜二つだが、大人の色香を纏った美女シィファン。
その隣でユファは笑いを堪えるのに必死になってるが、あまりにも印象が違いすぎて、赤の他人にしか・・・しかも、同い年にすら見えない。
・・・だが、次の瞬間。
「もう、じょーだんに決まってんでしょ? ロウったら、いっつも大真面目に反応しちゃってさ。
・・・まあ、それはそれで弄りがいがあって楽しいんだけどね。
じゃ、あたし帰るから。まったねぇ!」
いきなり歳相応の少女に戻ったシィファンは、ニヤリと笑うと、不意に現れた小さな竜巻と共に、一瞬で姿を消した。
「あっ、待てよシィ!」
慌てたように、ユファも同じように消える。
・・・後には、呆然とした様子の国王と、少女が残された。
- Re: 白の巫女と黒の巫女 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/05 13:55
- 名前: あんりゃりゃ (ID: lNJ.MCVY)
ふなーご?
- Re: 白の巫女と黒の巫女 ( No.5 )
- 日時: 2011/02/05 14:46
- 名前: 花影 ◆wNp4n0Oqx2 (ID: EHM01iHp)
始めまして〜。
題名に引っ張られました(笑
掛け合い漫才と言うかなんと言うか。
ユファ・シィ・ロウティアン、この三人の話は読んでいて面白いです^^
頑張ってくださいね!
- Re: 白の巫女と黒の巫女 ( No.6 )
- 日時: 2011/02/05 17:21
- 名前: 檻月 ミシン (ID: STEmBwbT)
初めまして、檻月ミシンです。
いやはや、ユファとシィが格好いい件について。
お持ち帰りしたいと思います。
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