ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- COLORS〜黄泉の瞳は知っている〜
- 日時: 2010/08/06 11:11
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
はじめまして、闘球人間です(゜0゜)(。_。)
初投稿ですが頑張っていきたいと思います(*゜□゜)/
題名は、COLORS(カラーズ)と言います
ホラー中心で若干の恋愛とコメディが入るかも・・・
とりあえず、よろしくお願いします
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- 第一話 〜語りかけるモノ〜 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/07 19:47
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
第一話 〜語りかけるモノ〜
数週間前のこと。
相変わらずに夏の日差しは手加減をすることもなく逆に勢いを増して人間達に襲い掛かってきたとある酷暑の日。
部活帰りの村浜陸は外灯が少ない裏路地を自転車で進んでいた。
夏と言えど七時になると少々薄暗く前方も確認しにくくなり、外灯も少ないせいか不気味に思えてくる。
「今日も暑かったなあ」
誰にでも言うのではなく単なる呟きに過ぎない。
剣道部所属の陸にとって酷暑の日はかなり堪えるものだ。だが夏の大会に向けて猛練習をしている。
『そこのお方……』
「……はあ?」
誰の事かと思い、陸は頓狂な声で返事をした。確かに周りには誰も居ないが陸は自転車を止めた。陸はもう一度回りを見たが誰も居ない。陸は首を傾げた。
『待って……』
自転車に乗って行こうしたときにまた声がした。
「なんだよ、姿があるんなら出せよ。俺は見えるからよ」
『ようやく、会えましたね』
姿を現したのは、白装束の女性だった。陸は驚きもしなかった。
『驚かないのですね』
「まあな。小学生からアンタみたいなヤツは結構見ていたからな。で、何か俺に用があって呼んだんだろ?」
『そうです。とりあえず、貴方の家に行かせてくれますか?』
「ああ、良いぜ。」
陸は自転車に乗り家に向かった。
それから全てが始まった。
黄泉の瞳を持つ者の責務と宿命を知ることになる。
- 第二話 〜真実と宿命〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/08/08 11:29
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
第二話 〜真実と宿命〜
「ただいま〜。」
「お帰り。今日は部活が長かったのね。」
「まあな、大会も近いし。」
「そんなことは置いといてさっさとお風呂に入っちゃったら?結構臭うわよ。」
自分から話を振って別の話題に変えるルツ子。
汗臭いのも事実であり陸は渋々自室に行った。その隣には先程の女性の霊も居た。もちろんルツ子には見えてもなく気配を感じてるわけでもなかった。
ここの人間でも霊感を持つ者と持たない者がはっきりとしている。村浜家では父親の義明、陸、妹の早苗だけである。なので必ずしも霊感を持つということではない。
父親曰く、霊感を持つのは数少ない人間のみが持てる力だということを陸は前に聞いたことがある。
特殊な家系でその中で選ばれた人間だと陸なりに解釈している。
しかし、陸でも父親でもわからない事があった。
それは霊感があったとしてそれをどう活用するかということだった。
「…じゃあ、俺は風呂に行ってくるからな。外に行っても良いけど神木には触らないほうが身のためだよ。たぶんアンタの身体が消滅するから。」
そう言い残して陸は風呂場に向かった。
『ご神木ねぇ……。外に行ってみましょうか。』
霊は丁寧にも部屋から出て玄関に向かった。途中で陸よりも少し背が小さい少女に会ったが気にすることもなかったが少女は通り過ぎた気配に気づき振り返ったがそこはただの廊下だった。
『なるほどね。やはり私の予想通りね。…ここは…』
霊は蔵の中でとある古ぼけた書物を文字通り手にしていた。
<向こう側>にある物を<こちら側>に一時的に引き込んでいるだけであって逆の事をすれば<向こう側>に戻せる。
「…あれ?」
陸は晩飯を終わらせ自室へ戻ったが霊はいなかった。
居ないならと思って陸は布団の中に入ろうと思ったところに霊が返ってきた。
「どこに行ってたんだよ?」
『ちょっと散歩をしていました。』
「ふーん。で、俺に相談したいことって何だ?」
『そうですね。貴方の目の事から話しましょうか。』
それから霊は先程の書物で読んだことを陸に話し出した。それは黄泉の瞳の事とこの家に纏わる特殊な人間の一部の日記の事を話した。
「アンタ、それをどこで?」
『ここの蔵にそれが書かれていた書物がありましたよ。』
「なるほどな。」
陸は悟った。父、義明が詳しく霊感の事を知っていることや活用方法を敢えて言わなかったことを。
そして自分の宿命を
- 第三話 〜気配〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/08/10 16:47
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
第三話 〜気配〜
「そういえばまだアンタの名前を聞いていなかったな。」
『そうですね。私は奈津と言います。現世に残ってしまった理由は、まだ言えませんね。』
「いや……、現世に残ったことなんか聞いてないからさ。まあいいや、俺は村浜陸だ。」
「陸さん、ですか。これからよろしくお願いします。」
「さん付けは良いからさ、普通に陸って呼んでくれよ。」
『ええっと、私は実は人を呼び捨てにするのは苦手なんです。』
はあ、と陸はため息をした。普段から陸と呼ばれ続けているが、さん付けでは呼ばれたことがない陸にとってはむず痒いものがあるようだ。
陸はもう一度ため息を吐いて欠伸をした。時計を見てみればもう10時を過ぎて11時が来ようしていた。
「もう11時か。俺は眠いからさきに寝る。おやすみ。」
そう言って陸は布団の中に入った。
奈津もそれを確認したらすぅと消えた。
〜次の日〜
陸は目を擦りながらむくっと起き上がった。頭がぼーとしていて覚醒していない。低血圧ではない、単に朝が苦手なだけであった。
制服に着替えてリビングに向かう。
食卓にはもう朝食が並べられており早苗がトーストに噛り付いていた。
「お兄ちゃん、おはよー。」
「ああ、おはよ……。」
まだ頭は覚醒はしていなかった。陸もトーストに噛り付く。学校に行く時間はまだたっぷりある。
「もうお兄ちゃんしっかりしてよー。」
見かねた早苗が言ったが兄は無視していた。当の兄は聞こえていたが敢えて無視していた。いつもの事だった。いつもの朝。
そう、今日もいつも通り終わるつもりだった。
「いってきまーす」
「いってきまーす」
陸と早苗は玄関を出た。
今日も蝉が耳を破壊するような殺人的な大コーラスで鳴いていた。日差しも朝から殺人的でカンカン照りであった。
神木の前を通り過ぎようとしたところに根に座ってる女子高生が居た。
容姿は端麗で正に美人というところか。
「よう神城、何してんだ?」
「別に、涼しいから寄っているだけよ。」
「そうか。一緒に行かないか?」
「ええ」
神城は神木の根から降りて着地した。
陸にはそれが、神木から巫女が現われたかのように思えて少しだけ見とれて目を逸らした。
自転車はここの神社の駐輪場に止めてある。
「……」
話すことは特になく無言で駐輪場まで来た。陸にとってはかなりやりにくかった。
「ニケツしないか?どうせ歩きで来たんだろ。」
「ええ」
「乗れよ。」
神城はスクールバックは背負った。陸はそれを確認すると自転車を動かした。
学校に行くのは大鳥居があるほうへと行かなければならない。
風を切る感覚。それが陸にとって良いモノだったが、大鳥居を通り過ぎようとしたところに、背筋が凍りつくような感じがしたが無視をした。
その気配が最初の事件になることは知らずに。
- 第四話 〜見えない色〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/08/17 08:39
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
第四話 〜見えない色〜
「何だったんだ?」
その後何もなく学校に着いた。同じクラスの生徒から二人乗りしているのを目撃されてからかわれたがそれはいつものことであって2人は普通にあしらっている。
陸は真夏でありながらさっきの妙な感覚の事を考えていたが結局の答えがこうである。
「わからな・・・。」
そう言って髪を引っ掻き回した。
「よう、何やってんだ。」
陸の目の前には陸よりも背が高い生徒が居た。
「何か用かぁー、この巨人坂本。」
「何だよその言い方は。まあいい、今日は最終選抜だからな。それを伝えに来た。」
「もうかあ。早いな。まあ、俺は先鋒だからな。譲る事はなさ。」
陸は誇らしげに言った。剣道部では2年時から陸がほぼ先鋒の座を持っていた。坂本のほうは中堅である。
「ま、そういうわけだから。神城にも言っておけよ?後が怖いからな。」
それは承知の事であったが。
「……坂本、俺と神城は単に幼馴染だからな。恋人でもない。それはわきまえてくれないか。」
陸は別にからかわれてもいいが、恋人同士として見られたくはない。確かに気にかけているが神城自身関係ない様に思っているから尚更だ。
「すまんな。」
坂本は黙って去った。陸はその背中を追った。そして驚くべき事態が起こった。
「何でだ…。」
丁度、神城の席を通ったところに神城は黒い青色の何か包まれていた。他の生徒には見えてないらしい。自分だけが見えている。
「そんなまさか…。」
- 第五話 〜目〜 ( No.7 )
- 日時: 2010/09/12 12:10
- 名前: 闘球人間 (ID: GudiotDM)
第五話 〜目〜
神城を包む青色の何か。陸は首を傾げて外に目を向けた途端に右目に正に弓で射抜かれたような激痛が走った。
「っ…!」
右目を押さえて神城を見ると左目だけでは青色の何かは見られなかった。それは始業の前の事だった。
しばらくして目の異変はなかった。授業は淡々と機械的に進み、陸は剣道部の部室に居た。
男女両方合わせて20人以上いる剣道部は全国大会に出場するほどの力を持っている。人数が多いため大会数日前になると実力審査があるのは当たり前の事だった。
軽い練習が始まり、今日は団体戦の選手選抜の最終日だった。団体戦に出れる条件は1人5勝を上げるものだった。陸は順調に勝ち進み後1勝というところだった。
「やめ、10分休憩だ。」
顧問の号令で止めがかかった。陸は若干がっかりして面を外した。
「やあ、今日も好調だね陸君。」
「あ、先輩。先輩ほどじゃありませんよ?」
そういって陸は笑った。10分間剣道の話に盛り上がりまた試合が始まった。
一方の神城は既に5勝をあげており終わったもの同士の実力試合を始めていた。神城は確実に勝利を挙げていた。
部活も終わり陸は1人で帰っていたというものの神城と一緒に帰るつもりが見失い結局の1人で帰ることになり自転車を走らせていた。
自転車を例の駐輪場に止めて境内に入ってご神木の前を通ろうとしたところにご神木の巨大な根に誰かが座っていたのを陸は目撃した。
「違うよな?」
何だかんだと言って付き纏う幽霊「奈津」とは違うものに目を向けた途端に巨木に座っていた人物は霧の如く消えていた。
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