ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 切り裂き少女と”悪魔の城”
- 日時: 2010/08/07 00:18
- 名前: PIKA。 (ID: 3el8KrnW)
**長い長いプロローグ**
その少女は、いつも鋏を持っている。
しかも大きさが半端ない。
通常サイズの三倍はあろうかというほどの長く鋭い
刃の鋏を持つ少女である。
学校内では危険人物だとされている。
なので、友達はいない。
外見からしてオシャレやジャニーズ等のことは興味な
いのだろうから、話がまず合わない。
「黒月あずさ」
くろずき、あずさ
黒く美しい髪は、月光のもとで輝く。
そういった表現がとても似合う。
けしてブサイクではない。
すっきりとした顔立ちを好む人にはたまらないと思う
し、性格も、ばっさりとしている。
鋏だけに。
黒月あずさは、学校でもこの町でも有名な二つ名がある。
それが、
『切り裂き少女』、である。
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- Re: 切り裂き少女と”悪魔の城” ( No.1 )
- 日時: 2010/08/07 00:39
- 名前: PIKA。 (ID: 3el8KrnW)
第一話「切り裂くわよ」
転校。
家の都合で転校してきました。
13年間生きてきて生まれてはじめてのことでした。
友達と別れることがこんなにもつらいとは思いません
でした。でも、同時にワクワクとしていました。
何も知らない地で、私はどうなっていくのだろう。
どんな生活が待っているのだろう。
新しい家、新しい町、新しい通学路・・・
全てのものが愛しく感じてしまいました。
前のところに戻りたいって、少しは思っていたけど。
この町が私は大好きになりました。
キラキラと、輝いていました。
「皆さん、転校生の白陽みづきさんです。」
みんなの視線が、私に集中。
特に女の子の視線が痛かった。
注目されるのはそんなに好きじゃない。
みんなと視線を合わせないように、教室を目だけ動か
してぐるりと見てみる。
前の学校の教室とは変わらない広さ、形。
変わったのは、制服に、人。
それだけ、と自分に言い聞かせてみる。
「じゃあ、白陽さんの席は真ん中の列の一番後ろ」
担任の先生が指を刺す。その場所。
やっと視線から間逃れる、そう思ったとき。
心臓が止まるかと思った。
私の座る席の後ろ、女の子だったのはよかったけど。
その女の子は、私を、殺してやろうかというような目
で見ていたのだ。
冷たい、怖い、痛い。
深い黒の瞳に飲み込まれてしまった。
ブラックホールのように果てしない闇の中。
手探りで、光を探す私。
助けてくれたのは__________
「白陽さん!!白陽さん!!」
「!!??」
先生の高い声で我に返る。
今のは、なんだったのだろうか・・・
ぎゅっと目を一瞬つむり、席へと歩き出す。
そのとき、黒い女の子とは目をあわさずに。
カタン
「・・・・______わよ」
後ろの席から、ちいさな声。
「切り裂くわよ」
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