ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 滑稽な殺し屋と道化な情報屋のお話。
- 日時: 2010/08/12 14:29
- 名前: 國 ◆QqphIUAC6c (ID: 35AN48Qe)
「……リク。」
低く、かすれた声で俺の名前を呼ぶ男。
「…どうしたおっちゃん。」
おっちゃんといってもまだ20代半ばである。
「エルリァーの情報だが…」
「23のHku682だ。」
ヤニ臭さが充満するこの空間で俺の声が響く。
「そうか…俺にも……死期が来たか。」
おっちゃんは溜息をついて
自分の首元に銃口をつきつけた。
「Good bye…おっちゃん。」
俺の声と重なって銃声が空間に響いた。
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- Re: 滑稽な殺し屋と道化な情報屋のお話。 ( No.1 )
- 日時: 2010/08/12 14:45
- 名前: 國 ◆QqphIUAC6c (ID: 35AN48Qe)
。*‐+第一話+-*。
まだ日が昇ったばかりの午前4時。
流石にこんな時間に誰か起きている訳もなく
ただ静まりかえっただけの空間。
耳に入るのは俺の足音のみ。
足元をみるとスニーカーの先が磨り減っている。
「…チッ」
先月買ったばかりだというのに…
流石にこの仕事を始めてから物の消費が激しい。
疲労感を抱えながら自分の部屋へと向かう。
ポケットに入っていて温かくなった鍵を取り出す。
鍵穴に鍵を通して部屋に入る。
(俺…何してんだよ。)
かすかな後悔が胸をよぎるが部屋に入り
ベットに腰かけた瞬間、その後悔は眠気に変わった。
(シャワー浴びねぇと…)
そう思っているのだが疲労からかその場から
なかなか動けない。
数分間グダグダやっていると
枕元の目覚まし時計がアラームを鳴らした。
「ピピピッピピピッピピピッピピピッ」
…アラームは4時20分に鳴るように
セットされている。先ほどから20分も
経ったことに驚きながらもベッドに転がる。
(疲れたな…シャワーは諦めよう。)
白いシャツにジーパンのまま、そっと目を閉じる。
そのうち、じょじょに意識は遠くなっていき
眠りに落ちることに成功した。
- Re: 滑稽な殺し屋と道化な情報屋のお話。 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/12 15:03
- 名前: 國 ◆QqphIUAC6c (ID: 35AN48Qe)
。*-+第二話+-*。
爆音に限りなく近い音で目を覚ます。
驚くことはもう無くなった。
枕元の時計をみると午前7時5分。
2時間異常睡眠時間が取れただけましだ…。
俺は自分にそう言い聞かせて
就寝前に浴びれなかったシャワーを浴びる為に
タオルと黒いシャツとジーパンをもってバスルーム
へと向かう。
シャワーから勢いよく水が流れる。
その水をかぶりながら俺はボンヤリを就寝前の記憶を
呼び覚ましていた。
(…確か昨日は駅前で雫さんに会って……
それでその後は———)
少しずつ記憶の周りにこびり付いていた何かが
剥がれていくように
記憶が鮮明になって行く。
(あぁ、そうか。俺があんなに疲れていたのはやっぱり雫さんのせいか——…)
天使 雫(アマツカ シズク)名前も容姿もすごく美しいが
別名『鬼畜姫』と呼ばれるほど情のない女だ。
俺は雫さんに会わなければあんなに疲れることも帰りが遅くなることもなかった。
「…鬼畜姫。」
小さく呟くと背筋がゾッとした。
(…雫さんにこんな事聞かれたら殺されるんだろうなぁ…)
俺はシャワーの水を止めてバスルームを出た。
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