ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 貴方の望み
- 日時: 2010/08/23 10:12
- 名前: 華月 (ID: acQ6X1OT)
こんな世界大嫌い。
自分勝手な人間がたくさんいる。
人を傷つけて遊ぶ人もいる。
楽しい出来事なんて一つも無い。
私は生きてるだけ無駄だったって教えられたんだ。
じゃあ、生きてて無駄じゃなかったって
今度は私が教えてあげる。
こうなるのだったら生きててほしかったって
思うようにしてあげる。
全て貴方の望んだことだから━━
******
初めまして! 華月【かげつ】と申します!
いきなり暗いですね(汗
この物語はある女の子が願いを叶える物語です。
ちゃんと願いを叶えるかは、ある女の子次第ですから。
それでは、これから読んでいってくれると嬉しいです!
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- 第一話 《読まれた心》 ( No.1 )
- 日時: 2010/08/23 11:57
- 名前: 華月 (ID: acQ6X1OT)
「……つまらない…」
帰り道、独り言で橘 遥香【たちばな はるか】は言っていた。
(学校で楽しいことなんて無いし、転校ばっかりだし、いっそ友達作らない方がいいじゃん)
遥香は小学校のとき転校たくさんして、つらい思いばっかりしてきたので、
今さら友達なんか作らないとずっと心の中に決めていた。
「ふふっ…」
誰かが遥香に向かって笑いかけた。
「…誰!?」
前は誰の姿も無いので後ろを見回した。
「ここだよ、お姉さん」
前を見ると、クスクスッと笑っていた女の子がいた。
一瞬、お人形さんの様にも見えた。
紺色と白のふわふわのドレスを着て、青い目をしてキレイなすみれ色の髪をした女の子…。
「クスッ… お姉さん、悩んでるね…」
「……え?」
「その表情、面白いよ」
いたずらっぽい表情をして、
家と家の間の細い道を通って女の子は消えるようにして去っていった。
「………………」
(どうして… どうして考えていることが分かったの……?)
遥香は女の子を追って、家と家の間の細い道を覗いてみたけれど、
奥のほうは、木や雑草で、行き止まりのようになっていた。
- 第一話 《読まれた心Ⅱ》 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/23 22:10
- 名前: 華月 (ID: acQ6X1OT)
ガチャ… 家のドアを遥香は開ける。
「ただいま〜」
しんとしたまま返事は返ってこない。
あたりまえだ。 この家には遥香の家族誰一人帰ってきていない。
リビングに行くと、机の上に紙が置いてあった。
『今日も帰るの遅いから、何か買って食べてね』
(またか……)
ここのところ、家族で一緒にご飯など食べたことが無い。
(しかたないけど、夜ご飯買ってくるか…)
遥香は夜ご飯を買いに、家を出た。
玄関に行って靴を履く途中変な感触がした。
「…? 何か入ったのかな…」
靴の中を見ると、中には紫の花びらが入っていた。
「…キレイ」
少しうっとりしていると、はっと気づき、外に出た。
夕方なのに外があまりにも暑かったので、早く買い物を終わらせようと思ったので、
自転車で行くことにした。
(セミの鳴き声うるさ…)
遥香は迷惑そうに自転車をとばした。
- 第一話 《読まれた心Ⅲ》 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/23 22:09
- 名前: 華月 (ID: acQ6X1OT)
遥香は買い物に行く途中、心を奪われた風景があった。
「あははははっ」
「も〜 なにやってんの〜」
「しかたないなぁ〜」
「ごめんごめん あははっ」
三人組の女の子の楽しそうな会話だった。
一人の子が転んで、二人の女の子が助ける風景だった。
(楽しそう…)
自分にはありもしないようなものを見る目、寂しい目を遥香はしていた。
「おねーさんっ!」
聞き覚えのある声。
いたずらっぽいあの声。
「あ、帰りの時の…」
「お姉さん、また考え事してたでしょ〜」
「…え。」
「ホントは寂しいんでしょ? さっきの風景があってほしいんでしょ?」
遥香はびっくりした。 同時に負けたくないような、悔しいような思いが浮かび上がってきた。
「……な…い…」
「? 何?」
「あんたには分かんないわよ!!!! この気持ちが…この気持ちが分かるわけないでしょ!!?」
目に少し涙を浮かべて遥香は言うとその場を通り過ぎ、一気にスーパーまで自転車をこいだ。
- 第一話 《読まれた心Ⅳ》 ( No.4 )
- 日時: 2010/08/24 16:07
- 名前: 華月 (ID: acQ6X1OT)
“ホントは寂しいんでしょ? さっきの風景があってほしいんでしょ?”
遥香はこの言葉が家に帰ってからも頭の中に残っている。
(本当に… そうなのかもね……)
遥香は夜ご飯を食べながらテレビを見ていた。
お茶を取りに行こうとすると何かを踏んだ。
「? …あ」
落ちていたのは、あのキレイな紫の花びらだった。
「あれ? さっき拾ったのが、ここにとんできたのかな…」
遥香は最初に花びらを置いてきた場所に戻しに行った。
でも、玄関の花瓶の横にはちゃんと紫の花びらは置いてあった。
「なんでだろ? 私そんなに花の周りにいたっけ?」
キレイなのでまぁいいやと新しい紫の花びらを花瓶の横に置いて、テレビのある部屋に戻った。
「…………………」
(なんか… 複雑な気分……)
相手はまだ7歳くらいの子供相手に
あんたには分かんないわよ!!!!って怒ってしまった。
(ちょっと言い過ぎたかな… でも… 誤ろうと思っても
あの子からしたら私に合いたくないかもしれなし…)
でも、やっぱりちゃんと合って誤りたいなと遥香は思った。
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