ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 裏事屋——「厄介事始末、承ります」
- 日時: 2010/08/27 16:05
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: qUfyS13Y)
いろいろひっくるめて、ども。
今現在『双翼は哭かずに叫ぶ』と言う小説を書かせて頂いてるSHAKUSYAでございます。
何で完成もしてないものをほっぽりだしてこんなものを立てたのかと言えば、まあ簡単。
昨日自分の著作を見てたら急にムラムラしてきたので(変な意味では在りません!!)、昔の既に完結済みの著作をここで全て公開してしまおうと言うことです。
多分コレはMEの小説人生の中で一番の完結作品だと私は思い込んでいます。
過去の作品なので色々とダメな所・矛盾している所も在りますが、どうぞ見ていただけると嬉しいです。
おっと、そうだ。
荒らし・喧嘩・扱き下ろし・雑談他、スレヌシや読者様にメーワクの掛かる行為は止めましょう。
あと、この小説はちょっと昔っぽい雰囲気を重視して漢字の振り仮名をほとんどつけていません。「なんて書いてあるかワカンネーじゃねーか作者のバカー」ってひとは言ってください。
それと、この小説はキャラクターがかなり崩壊しています。オンナノコが平気で罵詈雑言を吐いたりクールなサブ主人公が取り乱したり何事も憚らない主人公が殊勝すぎたりするシーンが沢山在るので、グロ注意と共に崩壊注意をしておきます。
上述しましたが、この小説にはグロが結構出てきます。フツーに人が死んだり自殺したり撃たれたり殺されたり血が噴出したりするので、やっぱり注意してください。
一応注意はしました。
後は自己責任ですよ。
それでは、小説を閲覧してくださいまし!
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- Re: 裏事屋——「厄介事始末、承ります」 ( No.1 )
- 日時: 2010/08/27 22:42
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: qUfyS13Y)
- 参照: 何故か、この小説にはプロローグがない。
壱 梅雨時之事
六月二十九日。露の宴も酣の今日、疲弊しきった宴席は冴えない曇り空で、宴客最後の足掻きとも呼べそうな蒸し暑い熱気ばかりが町中に漂っていた。宴客の連中もなかなかどうして諦めが悪い連中だ。
「暑い……」俺の放った情けない声は、虚しく露地に響いて消えた。
糞が付くほど蒸し暑い最中、俺はこの時勢にアスファルト舗装もされていない泥と砂を固めただけの急勾配の坂を上っていた。今日が曇りとはいえ、昨日までは激しく雨の降り注いでいた地域だ。泥と砂で固められた坂は雨を残らず吸い取り、ぬるっとした感触の気味悪い泥濘と化している。
お陰か所為か、黒いズボンに泥が撥ねて泥塗れになるし坂は滑るし、優遇されていないどころか踏んだり蹴ったりの状況である。朝からの冷ややかな頭痛とあわせて、俺は猛烈な苛立ちを覚えた。
「嗚呼糞、暑いんだよッ!」
熱気と苛々に耐えかねて空に叫び散らすと、干上がった魚に水をやったかの如く、突然大雨が振り出した。嗚呼畜生、雨の野郎め——何ぞと考えながら、俺は急いで手に提げた安物の黒傘を差し、大慌てで泥濘の坂を上る。
この急勾配の泥濘坂を上りつめて少し進んだ先が、この曇天——今は雨天だが——の中、俺が足を向ける目的地。五年前から通い詰めている、学生時代からの古い友人が営む修理屋、鈴鹿堂であった。
曲がりくねった坂道の両脇に合わせ、妙に折れ曲がった低い石垣。それと沿う格好で両側に続く、側溝と見紛う程の小さく情けない小川。それらは十字路の所で左右に折れ曲がり、どこまでも延々続いている。俺は丁度折れ曲がるところにドンと突き刺さった駐車禁止の看板を目印に左折し、二十歩ほど進んで足を止める。
俺は泥濘に向けていた視線を斜め上に上げ、先に見えた建造物に対して、二昔は前に遡ったような感覚を覚えた。
喩えるならば、江戸時代の長屋。若しくは金沢の町家。
それは縦に細長く平べったい一階建ての建物で、壁は真っ白な漆喰。格子状の枠にガラスをはめ込んだ古い木戸には随所に痛々しい修理の跡が残り、摘んで乗せた風に頼りなく載った木屋根の軒下……言ってみれば木戸の前辺りには、小さく簡素なガラスの風鈴が下げてある。少し視点を上にずらすと、屋根の上に直線的な文字で『鈴鹿堂』と掘り込まれた看板が鎮座している。再び視線を下に下げると、木戸の横には背凭れのない木の椅子が一脚。
この古めかしい匂いがプンプンする建物こそ、俺の目的地、旧き友人の経営する鈴鹿堂だ。
俺は閉め切られた戸の前に何も掛かっていない事を確認した上で、木戸を引いた。
- Re: 裏事屋——「厄介事始末、承ります」 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/29 02:42
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: qUfyS13Y)
- 参照: 続き 鈴鹿堂の母屋が裏事屋の基本拠点です。
棚。棚。棚。
店の中は思わず腰を抜かすほど、棚で溢れ返っている。最初に見た人間は本屋だと間違えるくらい棚だらけで、これがまさか修理屋であるとは誰も見当をつけない位棚ばかりある。これは修理した品物を一時的に置いておく棚なのだが、如何せん数が多すぎて主人のいる奥の座敷まで行きづらいのが難点だ。
俺はそんな棚達の間をぐねぐねと曲がりながら通り抜けて、店の一番奥にある小高い奥座敷のほうへと足を進めた。此処が鈴鹿堂の主人、菊間聖治(きくませいじ)——通称鈴鹿堂のレジスター兼カウンター兼作業場であり、鈴鹿堂自身は営業中、此処から動くことは滅多にない。だから、探せばすぐに見つかった。
いつもは散らかった机の上でちまちまと帳簿の計算をしている鈴鹿堂だが、今日は胡坐を掻いて竹の籠を編んでいた。既に完成にも近い籠と格闘する鈴鹿堂は、俺のほうにちらりとも視線をやろうとしない。
少しばかりイラっと来た俺は、「無沙汰」と凡そ三ヶ月ぶりとも思えぬ軽薄な挨拶を上げて、小高い奥座敷の縁……框とも呼べそうな部分に腰を下ろし靴を脱ぐ。そして散乱した机を見遣り、相変わらず汚いなぁ、なぞと思ってみる。
暫し、寂しい静寂が続いた。
鈴鹿堂は結局俺を一瞥もせずに竹籠を編み終わり、はたと顔を上げて俺を見ると、イヤになるほど端整な面に薄ら笑いを浮かべて皮肉ったらしい声を放った。声には若干不機嫌そうな色も混じっている。
「おう、桜庭、桜庭賢(さくらばけん)じゃないか。相変わらず君は忙(せわ)しい人間だな。視界の端でそんなに胡乱な動きをするな、気が散る。いや、現に散らされた被害者だ」
「黙れ。俺はせっかちなんだ」
直ぐに牽制の言葉を投げつけて黙らせる。この男と口喧嘩をしても俺はあまり勝てない……というか長期戦では勝てた例がないので、始まる前から黙らせておくに越したことはない。
鈴鹿堂は少しだけ大きな溜息を吐き、薄ら笑いを浮かべたままの美面をあらぬ方に遣る。視線の先に何が映っているのかは皆目見当もつかないが、この男の事だから戸の外でも見ているに違いない。俺は胡坐を掻きつつ、鈴鹿堂のほうから何か言い出すのを待つことにした。
案外早く声は飛んできた。
「それで、三ヶ月ぶりの再会当日に全体何の用だ? 修理事なら少々ばかり勉強してやるぞ」
「傘の修理はいつでもありがたいんだが、生憎十五代目の傘は安物ながら健在でね。今回は裏事の用だ」
一瞬の思慮。そして声。
「そうか」
鈴鹿堂は全く変わらぬ調子で言い捨てた。そして散らかった机に手をついてやおら立ち上がり、座敷の隅に六枚ほど積んである来客用の座布団を一枚手に「座り給えよ」と少々笑み混じりの声を放つ。俺が素直に座りなおすその間に奴は「休業中」と書かれた紐付きの板を手に座敷を降り、足早に戸の外へ出た。そこから先の風景は棚に隠れてあまり見えないが、恐らく戸の所にさっきの板を引っ掛けているに違いない。
この男、修理屋の商いはかなりぞんざいなのだ。何をするにしても無愛想だし、今のように休業するも再開するも鈴鹿堂の勝手。しかもこの商い中は何をするにしても騒々しい物音がくっ付いてくる迷惑振り。
友人だ友人だと吹聴する割には、俺が鈴鹿堂に対して紡ぎだせる言葉はいつも悪口か毒舌。だが、多分客観的に見ても彼を褒める言葉は『端整』か『頭脳明晰』位のものだろうと思う。
しかしながらこの褒め言葉、ぶっちゃけ言えばこの友人を実に的確に表した形容詞だといって良い。天は人に二物を与えずとはよく言ったものだが、この男に限っては天が四物くらい与えているといっても多分過言ではないはずだ。
愚考の回路を強制的にシャットダウンさせたのは、修理屋主人が立てた騒々しい物音。
騒音——螺子止め式の鍵を掛ける音が暫し響いたかと思うと、直ぐに鈴鹿堂は笑みを顔に貼り付けて戻ってきた。
- Re: 裏事屋——「厄介事始末、承ります」 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/29 18:33
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: qUfyS13Y)
- 参照: 続き
「母屋(もや)で話そう。此処では少々物騒だ」
鈴鹿堂の低い声に俺は頷き、皮肉代わりの声を上げてみる。理由は特にない。
「安心しろ、そうでなくたってお前は十分物騒だ。格好的な意味で」
「黙れ。君の方こそ物騒で不審な格好だろうが。こんなに厳つい黒革のジャケットなぞ、今の時勢誰が着る? 至極普通の格好をしていると思う私にはどうも解せないな、君の脳味噌の中身とその思考回路が」
「五月蝿いな、お前こそ最強に不審だろうが。まず腕に刻まれた夥しい傷を隠そうともしない精神からして俺には不気味に映ってしまうぞ。今の時勢お前みたいな格好に無頓着で傍若無人の格好も珍しいと思うぜ」
鈴鹿堂は俺の返答に片眉を吊り上げ、声高に返した。
「嗚呼、君は本物の莫迦だ! 私は手先を使う職人だぞ、手先の職人が精一杯御洒落なぞして何になる! しかもただ只管邪魔くさいだけの格好を、何故私がしなければならない! 煌びやかに御洒落をして良い職人はモデルかタレントくらいが精々だろう。だが、お前のそのセンスは別だと考えるな。何がって、とりあえず威圧的だ」
不機嫌そうに眉を顰め、凶悪な顔プラス低く大きな声で彼は次々と捲くし立てる。かなり珍しいことではあるが、鈴鹿堂が怒って声を上げると結構怖い。俺は動揺した様子を気取られないようにしながら鈴鹿堂へ向かって声を張り上げた。
「おいおいおい、逆ギレしてしかも開き直った上に捲くし立てるなよ。確かに職人が洒落をしても一銭の得にだってなりゃしないが、俺の格好がそんなに威圧的なのか? 至極俺はこれが自然体だと考えてるぞ」
「人の好みは様々だがね桜庭、君の格好はとりあえず黒すぎるんだよ。まるで鴉じゃないか。私は仕事着の羽織が黒いだけだが、君は朝昼晩関係なく真っ黒だろう? 君の顔は少々童顔じみているからまだしも、これの上肝が縮み上がるような強面で居てみろ。私の店に来るだけで十回は職質を食らっているところだぞ」
多分気取られた。顔がニヤニヤしている。
「童顔のことは突っ込むなよ」
気取られて笑われた上に痛いところを突っ突かれ、俺は落胆気味に返す。
鈴鹿堂は一寸笑みを深め、「それなりに二枚目だがね」と弁解じみた声を上げて座敷を降り、漸く母屋へと繋がる木戸を開けて中へ入った。俺はその後に続き、もそもそと母屋の方へ進んでいく。
——余談になるが、「裏事」と言うのは所謂「殺しの依頼」ということである。暴露があからさま過ぎるとか言う反論はなしで。
殺し殺しとあからさまに連呼するとやはり物騒なので、俺が適当に考えたのだ。すると適当に考えた内で「裏事」と言う名が案外好評であり、以来俺と鈴鹿堂、そして俺の始末屋仲間の間で今日まで使うに至っている。
しかしまぁ、残念ながらこの単語自体は、表の世界はおろか裏の世界でも全く通用しない。通用するのは俺たちの間だけだ。
我ながら面倒くさい名前を考えたものだと、今でもはたりと考えたりしている。
- Re: 裏事屋——「厄介事始末、承ります」 ( No.4 )
- 日時: 2010/08/30 02:08
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: qUfyS13Y)
- 参照: 続き 桜庭の愚考癖=心理描写
考え事に耽るうち、俺は横に長い母屋の入り口から数えて二番目、鈴鹿堂の自室に通された。
彼の部屋は約六畳の狭い部屋で、そのうちの約半分を分不相応にでかい猫足の卓袱台で占めている。また部屋の四分の一、別の部屋に通じる襖の内一つを桐の箪笥が占めており、俺と鈴鹿堂が向かいに座れば一杯になってしまうほどに狭い。何度もいうが狭い部屋だ。
俺はそんな狭い部屋の中で、庭に続く障子の側に腰を下ろす。そして卓袱台に頬杖を付きつつ、つくづくこの男は勿体無い奴だ、などと考えていた。
何も奴の変人振りを弁護をするつもりはないが、二十五歳の俺と同い年の彼は筋金入りの二枚目である。
肩より少し長い程度、黒曜石じみた色の黒髪は後ろで無造作に束ね、深い鳶色の瞳は大きいくせに鋭い。整った顔立ちはいつでも不気味な薄ら笑いを浮かべているが、それもサマになってはいる。その上背も百八十八と俺より十センチ以上高く、それに見合うだけの体格も持ち合わせている。更には立地条件の著しく悪い修理屋をまともに営んでいける程度の手先は持ち合わせているし、俺と長丁場の口喧嘩を繰り広げられる程度の頭脳も持ち合わせている。——と、此処まで聞けば粗探しすらしたくなくなるだろう。
だが、大いなる問題はわかりやすい場所にあるのだ。
職人の性と言うか彼の欠点と言うか何と言うか、奴はとにかく格好に無頓着で趣味の位置が尋常じゃなくずれている。普段はいつも着古した半袖のカッターシャツに古いジーンズを如何にもだらしなく着こなし、年中所構わず家と店の中では裸足。その上裏事を遂行するときの格好ときたら、灰色の着流しに真っ黒な羽織なのだ。莫迦とかそういうものを通り越して最早変態である。
だが、愛想の悪い性格と変態趣味の格好で容姿と頭脳と手先の良さを完膚なきまでに打破している鈴鹿堂にも、菊間蘭と言うきちんとした想い人が居るから一層不可思議だ。
顔も頭も平々凡々、その上独り身の俺のなんと惨めなことか……。
「ふん、何を気味悪い目で見ているのだ。気色悪いから早く要件を伝えろ」
俺の中で展開されていた愚考に痺れを切らしたらしい、不機嫌面をした鈴鹿堂の声に俺ははたと我に返り、彼の不機嫌オーラに気圧されて開かない口の代わりに、薄っぺらな青いリングファイルを投げ渡す。無論、このリングファイルの中身は裏事の情報が満載された数多の書類だ。
当然読むには時間のかかる書類の束を鈴鹿堂は取った見たかと捲って、数十秒後には「事情は掴んだ」とあっさり投げ返してきた。こいつの特技はどうやら猛烈な勢いの速読らしいが、本当に理解しているのかは怪しい。
鈴鹿堂は親が死んだような仏頂面で胡坐を掻きなおし、頭を乱暴に掻き毟りながら低く呟いた。
「全く、女と言うのは全体何者なんだ。この女もそうだが、管理能力と責任感が乏し過ぎる。痴情の縺れに遺産相続、恋煩いに子供の養育費。果てに些細な小遣いごとや臍繰りで諍いを起こし、挙句男に全ての責を押し付けてドロン、か。嗚呼、世の中の女は責任感と管理能力がないのかと糾弾したくなる。男が女に罪を押し付けるよりはマシだが」
本当はこういう理解できない行動をする女を始末するのが俺たちのモットーなのだが、この男、時折金に動かされる。多分この目は後者だろう。
普段は全うに働いている人間を始末してくれと依頼されても動かない。罪のない人間への訳の分からない遺恨を始末して変な泥を被るのだけは絶対にゴメンだ。
が、生活が差し迫ってくるとやっぱり金が優先なのが俺たち零細の悲しさ。
妙な愚考はヤメにして、オレはクリアファイルをノロノロと捲りながら声をぶつけてみる。
「一応理解してるんだな鈴鹿堂。確かにこの女は管理能力に乏しい。殺される男のほうにも同情してやりたくなるよ。——だが、やはり金払いはいいな。流石にどこかの社長令嬢だけある」
仏頂面だった鈴鹿堂は、俺の一言に低く笑声を上げた。漸く機嫌を戻したようだ。後やっぱり今回は金に動かされたようだ。
「ふふふ、同情でもしたのか? ま、男遣らいに二百万つぎ込む女も今更珍しいな。……よかろう。最近は退屈していたところだ、今回の件は承る。日時は明日午後十一時半、定年坂前で待ち合わせるとでもしようか」
唐突に話がまとまり、俺は一瞬間誤付いた後に「おう」と生返事を返しておく。鈴鹿堂はやはり笑みを貼り付けたまま俺を刹那見遣ると、ブツブツ何事か呟きながら徐に中座した。何か「莫迦」と言う単語が随所に聞こえる。
状況のいまいちつかめない俺が数回目を瞬いていると、美面の修理屋はポットを右手に、グラス二つを左手にして戻ってきた。
「君、君、桜庭、君と言う人間は本当に何だ? 喉が渇いているなら言い給え。もそもそと忙しく動き回って、全く持って気が散ったじゃないか。それと桜庭、当日に寝坊をされたら堪らん。今日は泊り給えよ」
からからと笑う鈴鹿堂と相対し、喉をカラカラに渇かしていた俺は、ただ呆然と目の前の人間を見るだけだった。
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