ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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生まれ変わっても
日時: 2010/08/28 17:32
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: thD3/MW4)


 基本的に「えぇ・・」って感じになっちゃうかも知れません。
 そんな時はごめんなさい。

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Re: 生まれかわっても ( No.1 )
日時: 2010/08/28 17:41
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: thD3/MW4)


 彼女は 言った

 「この世は腐ってる」

 と

 彼女の 瞳から 

 きれいな雫があふれ出る


 彼女は 手に黒いものを 持った

 左のこめかみに 当てて

 安全装置を 外した


 まだ泣いている

 「生まれかわっても」

 ちいさな声で 言葉をつむぐ

 「      」




 「さよなら」


 小さな咆哮が 聞こえた


 彼女は 倒れた


 僕は黒いそれを 自分の胸に

 押し当てる

 目を閉じると 暗闇が支配する


 小さな咆哮


 彼女の横に 彼が寝る


 その手は 決して離れなかった

Re: 生まれ変わっても ( No.2 )
日時: 2010/09/12 15:02
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: 2.TlWg7X)

#0


 「__っらぁぁぁあぁぁあぁぁッ!!」


 頭から血を流して倒れた。


 「調子にのってんじゃねぇぇぇッッ!!」


 _____おれはなにをやってるんだ



 金属バットで襲い掛かってきたやつらを殴り倒した。
 頭を狙った。

 相手は簡単に倒れる。


 _____おれの背中にいるやつは



 「お前、自分のやってることわかってんの?」


 「あぁ。おれには我慢できない。だから!!」


 _____俺の背中にいるやつは



 「絶対に助けてやる!!」


 ______人間として認められていない



 「お前、それは____」



 ____実験動物




 _________ゴッ



 「がっ・・・!!」



 なにが起きたか理解できない。


 体が鉛のように重い。



 あたりが暗くなる。




 「____!! _____ッ!!」



 誰かが呼んでいる。







 目が覚めると消毒液の匂いがした。

Re: 生まれ変わっても ( No.3 )
日時: 2010/09/12 15:24
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: 2.TlWg7X)

#001


 部屋のドアが開き、若い看護師が入ってきた。

 こっちを見て、小さく笑う。

 「おはよっ」
 「・・・」

 「ここは病院だよ」
 「・・・病院・・?なんでおれが病院なんか・・」

 看護師はクスクスと笑うと、カルテらしきモノをチェックした。

 胸のポケットには、「橋野(はしの)」と書かれた名前と顔写真がついていた。


 ______おれは誰だ?


 思い出そうとすると頭痛がする。

 さっきまで何か大事なことをしていた気がする。

 「君は今、ケンカをしていてここに運び込まれてきたんだよ。でも女の子を不良から護ったのは偉い偉い」

 「・・・・・・俺は」
 「桜井叶人(さくらいかなと)でしょ」


 看護師、橋野さんはせきをすると俺の右腕を掴んだ。


 「脈、測るね。 ___ん、問題なし」


 橋野さんはカルテに記入すると、


 「帰っていいよ。あ、痛み止めって事で受付でお薬貰ってね」

 「あの・・着替えは・・・」

 「ヘッ!? あぁ、あそこに入ってるから」


 橋野さんは足早に退散した。


 取りあえず、私服に着替えて病室を出る。

 受付は1階にあるので、1階まで降りようとした。


 「桜井君!忘れ物ですよ」


 橋野さんがパタパタと走ってきて、メッセンジャーバックと、お薬を差し出した。


 「あ、どーも」
 「おっちょこちょいだねっ 気をつけて!!」


 背中を何回も叩かれて、俺は見送られた。










         ♪



 「一時はどうなるかとおもいましたね」
 「そうですね・・。彼は自分が誰だかわからない記憶喪失状態でした」
 「例の薬は?」
 「しっかり飲むように渡しましたよ」 

 「このまま、この前のように暴走しないといいんだが・・」

 「ご安心下さい。彼の学校には監査官を数人送りました。もし怪しい行動をしたらそく」

 「薬、とういうわけか・・」
 「はい」

Re: 生まれ変わっても ( No.4 )
日時: 2010/09/12 15:34
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: 2.TlWg7X)

#02


 この町のルール。


 それは待ちの所有物を助けないこと。


 触らないこと。



 自分が所有物になったとしても逃げないこと。


 進んで実験に協力すること。


 命が尽きるまで


 このルールを護ること。



 このルールを破ったものは




 今までの記憶を消され





 監視がつき






 薬を与えられる。





 もし、またルールを破った時




 命が絶えることのできる装置となる



 薬を何も知らずに




 永遠と飲まされる。

Re: 生まれ変わっても ( No.5 )
日時: 2010/09/13 09:58
名前: 由宇 ◆TYtHffAC9o (ID: nBTAWo35)

#03


 無事に桜井叶人は自宅へと着いた。

 自宅といっても、家はない。
 学校の寮に住んでいる。

 ドアを開けると、中には必要最低限の家具と、ゲームが置いてあった。

 机の上には学生証が置いてある。

 「・・・なんだ、この顔」

 学生証の顔は目が半目で、眠そうに見えた。

 やる気の無い生徒という感じがあふれ出ている。


 「か—な—と—っ!!」

 「うおっ?!」

 いきなりの後ろからのタックルで、叶人はベットに倒れた。

 「おかえり♪こっそり来ちゃいました☆」

 タックルで迎えてくれたのは、咲音 詩音。(さきね しおん)

 コイツは女なので男子寮には入れない。
 なので静かにこっそり来たと言うわけだ。

 「おいおい、また怪我して病院送りになったらどうするんだよ」

 後から呆れたように、もう1人やって来た。
 こっちは男。

 高城 マシロ(たかしろ ましろ)

 叶人の数少ない友人の一人だ。

 「よ、久しぶりだな。つ—か、詩音。どけ、重いっつ—の」
 「えぇ!?女の子に対して暴言だぞ!それは!!マシロもそう思うよね?」

 「いや・・詩音が重いのは前から知ってるし。普通だよ」

 「うわぁぁ・・こいつらは・・!!」


 詩音はしぶしぶ叶人から降りると、ベットに寄りかかった。

 叶人は反対の壁に寄りかかり、マシロは回転椅子に逆向きで乗った。

 椅子はギィギィと音を立てる。


 「叶人、薬飲んだか?」

 不意にマシロが冷たい目をして聞く。

 「ま、まだだけど・・なんでしってんだ?」

 「叶人。その薬、飲んじゃダメだよ」

 続いて詩音も冷徹な目で言った。

 「な、なんでだよ」


 「なんでって・・・」
 「その薬はね」


 「「自殺する薬だから」」


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