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-モノクローム-
日時: 2010/09/05 18:20
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: A7lopQ1n)
参照: 注意:前作の改進です

  モノクロームの世界へようこそ

ぱびこです どうも
更新した際<作成中>が出たら、続きは休日になります
更新が遅いのですが、読んでいただけたら嬉しいです


[ 君の親を殺した犯人は"僕"だよ。さあ、"僕"を探して殺してごらん。 ]
お調子物のアーベットの幼馴染の少女、イザベラの両親を殺したと思われる人物から届いた豪華列車への招待状。
同封してあった銃とたった一つの銃弾。
その招待状を受け、二人が乗り込んだ列車に乗っていた個性豊かな乗客も巻き込まれ、二人の犯人探しが始まった。
たどり着いた真実、信じられない裏切り…。
"僕"とは誰なのか。

- 目次 -
 ○登場人物>>1
 ○プロローグ>>2
 ○第一話>>4
 ○第二話>>5

Page:1



Re: -モノクローム- ( No.1 )
日時: 2010/09/04 09:20
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: memccPfd)

登場人物


○ イザベラ・ウォーカスギア
銃で戦う少女、その腕はピカイチ。
両親を何者かに殺され、心を閉ざしてしまった。
犯人から招待状をうけ、リヴァセント号へ乗り込む。
16歳。

○アーベット・ファンロン
いつでも明るく、陽気な性格。
おかしな事を湧くように言うとこから、湧水ゆうすいのあだ名がついた。
科学が得意な頭脳派。
16歳。

○バーバラ・キャロル
リヴァセント号の車掌。
営業スマイルで人をだましす。
口癖、世の中全て金で通用する。

○レヴァン・カロニー
リヴァセント号の車掌。
ピュアな心の持ち主。
バーバラに恋する爽やかなキャラ。


Re: -モノクローム- ( No.2 )
日時: 2010/09/04 13:29
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: memccPfd)

-プロローグ-



…荒い息づかいとなま暖かい息が、耳元を掠った。目の前を何か、大きな、闇に包まれたものが通り過ぎていく。
少年と少女が背と背を互いにつけ、息を整えた。
緊張と恐怖でバクバクと高鳴る心臓に手を当てると、背後から手が延びて胸元の手に重ねられ、肩をビクリと震わせた。
背後の少女の手だった。
「相変わらず臆病者だなぁ」
背後の少女が呟き、小さく笑うと、自分もつられてこわばっていた表情が緩んだ。
彼女が笑うとホッとするから自分でも不思議だ。
自分の組まれた手から、少女が手を引こうとする。

もう笑顔は見れない———。

ふいにそんな想いが頭から指先まで駆け巡り、思わず少女の手首を掴んでしまった。少女が驚いた顔をこっちにむけた。
「この犯人探しに・・・終わりってあるのかな」
これが自分の声かと問いたくなるほど情けない、涙声がこぼれた。
「何を言ってる。私達はもう見つけたんだろう・・・犯人。後は・・・殺せば・・・何もかも終わる」
少女の声は、大きな、大きな黒い何かが地の底から這い上がってきたかのように、暗闇を波打つように静かに揺らした。
突然、少女が一歩踏み出したかと思うと、小さく腕を広げ、自分に抱きついた。
いきなりの出来事に身体を硬直させていると
「そうしたら、一緒に帰ろう」。
少女が耳元で呟いた。
ゆっくり閉じられた瞳からは、暗闇に紛れ、涙が一筋、少女の頬を伝った。


少女は犯人が誰だか知っている。その人物を殺さなければならない。
これから起こるのは

悲しく、残酷な・・・。

Re: -モノクローム- ( No.3 )
日時: 2010/09/04 09:15
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: memccPfd)

更新のんびり・・・((汗


アゲ↑アゲします- ヽ(`V`○)

Re: -モノクローム- ( No.4 )
日時: 2010/09/04 17:09
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: memccPfd)

-第一話-



いつもと全く変わらぬ駅。
人の多い時間帯の朝、アーベット・ファンロンは隣を歩く少女、イザベラ・ウォーカスギアを気遣っているのか、横目でチラリと見ながらイザベラの鞄を掴み、前を行く。

何故駅に居るか。
それは、数日前——。

イザベラからの連絡が届いたのは突然の事だった。
彼女に呼ばれ、港町を一望できる灯台に駆け上っていくと、いつもの見慣れた風景が360度続いていた。
夕日に照らされたこの灯台は、町のシンボルとして皆に大切にされてきた。僕とイザベラもこの灯台が好きだ。
階段を登り終え、小さく聞こえた声に振り向くと、イザベラが手摺に肘を乗せその手で鞄を揺さぶっていた。

僕がイザベラの隣に来るなり彼女は、無言のまま鞄をあさり出した。鞄から引っ張り出されたのは、少しクシャクシャになった差出人の分からない手紙と何かが入っているのか、膨らんだ大きな黄土色の封筒。
それを僕に差し出した。
 「これ何?」
僕の問いかけにイザベラは答える気も無さそうに、手紙を見つめた。多分「開けて見ろ」だと思う・・・。
黄土色の封筒を脇に挟み、まず手紙を開けるとリヴァセントと書かれた切符と丁寧に折りたたまれた手紙を開く。
一行目・・・。
二行目・・・。
三行目と視線を手紙に滑らせる。
読み終え、目をあげてイザベラを見ると、イザベラはまた何も言わず今度は黄土色の封筒に目を移した。
手紙をイザベラに返し、封筒を開け中身を覗き込んだ僕は、目を丸くした。
中には銃と、これもまた丁寧に折られた透明の袋に入れられた一つの銃弾。そして銃口に縛り付けてある紙。
慎重に紙の結び目を解き、紙に書かれた文字を読むと、また驚くべき内容が書かれていた。
 「イザベラ・・・これ」
僕がイザベラに怯えた表情をむけると、彼女は真剣な顔で僕を見つめ返して頷いた。
 「・・・私の親を殺した奴からの・・・招待状だ」

渡された手紙、内容はこうだった。
 『7年前 君の両親を殺したのは"僕"だよ
  "僕"は君の両親の生まれた地、ウィンドルーミ行きの列車、リヴァセント号に乗る
  その列車が舞台だ
  さあ、"僕"は列車のどこかにいる
  "僕"を見つけてごらん』
そして銃口に結び付けられた紙・・・。
 『銃弾はたった一つ 
  君が"僕"を殺すまで
 
  君には"僕"を殺せない』

イザベラのもとに届いた差出人不明の手紙と列車リヴァセントの切符、銃と一つの銃弾を持ち、僕等は駅にやって来た。
僕は、さすがに女の子一人で危険な場所に行かせてはどうかと思い、イザベラが何も言わなかったのでついて来た。

まもなく、駅に列車リヴァセントが着き、二人はゆっくりとあいたドアに足を踏み入れた。

Re: -モノクローム- ( No.5 )
日時: 2010/09/05 18:17
名前: ぱびこ ◆rw9vQh4IsQ (ID: A7lopQ1n)

-第二話-



踏み入れた靴の底からでも、絨毯のふかふかした柔らかさが伝わってきた。
豪華列車リヴァセント号の中は暖房が効いていて、真冬の気温で冷えきった体を心から暖めてくれた。
壁には、薄暗い、でも見ていると落ち着くような明るさのランプと、白の偽花が飾ってある。各部屋のドアにも金のプレートがかかってある。
前に一度だけこの列車に乗ったことがあったが、その時より絨毯が地味な色合いから鮮やかな色合いに変わっていた。

切符を確認して自分たちの部屋を探した。
この時改めて思ったが、イザベラは別々の部屋がいいと愚図っていた。しかし僕の家にはそんなお金はなかったし…僕だって別々が良かったがどうしてもあいている部屋がここしかなかった。
 「アーベット」
突然名を呼ばれ、はっとわれにかえった。
 「行き過ぎ」
イザベラが人差し指で一つのドアを指していた。
もう一度切符に目をやる。109という数字。イザベラが指しているドアにも109の数字があった。
 「あ、そうか、見てなかった」


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