ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ζふたりのシンデレラζ
- 日時: 2010/09/02 17:38
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: kWgD5bK.)
ボカロとかに影響されて書こうと思いました(おいよ
若気の至りでも精一杯頑張ります!
ζ目次ζ
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- Re: ζ嘘吐きシンデレラζ ( No.1 )
- 日時: 2010/09/05 10:01
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: PFFeSaYl)
ζプロローグζ
ふたりの哀れなシンデレラ
灰被り娘と名付けられ
床を磨いて過ごします
ふたりの優しい魔法使い
哀れなシンデレラを見つけ
どうにかしたいと考える
かぼちゃと犬と小さなロバ
それが魔法の必需品
綺麗なドレスを身に纏い
かぼちゃの馬車に連れられて
嬉しいふたりのシンデレラ
シンデレラの行く舞踏会
はてさてどうなりますことやら
- Re: ζ嘘吐きシンデレラζ ( No.2 )
- 日時: 2010/09/02 17:32
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: kWgD5bK.)
第1話『ふたりのシンデレラ』
昔々あるところ。優しいお父様もお母様も亡くなって、新しい継母とその娘にこき使われシンデレラと名付けられたふたりの可哀想な16歳の少女が居ました——
ひとりのシンデレラの本名はリルテ。もうすっかり人生を諦めていて、その美しくも何かを失ったような瞳には雑巾とバケツしか映っていません。
一方ふたりめのシンデレラの本名はエーナ。今は苦しい生活でも、いつか幸せになれる日が来ると信じ続けているのです。
そしてまたややこしい事にふたりは顔がよく似ていて—— 同じ町に住んでいたので水を汲みに出掛ければよく間違えられたものです。
ふたりの顔で違うところがあると言えば瞳の色です。リルテの瞳の色は深い青で、エーナの瞳の色は緑色でした。
「シンデレラ! この前アンタがグースカ寝てるときに鼠が出たんだよ! アンタが掃除をさぼっているから汚い鼠なんかが出るんだね」
「御免なさい奥様。今日は鼠の出そうな所を念入りに掃除しますね」
このシンデレラはリルテ。リルテもエーテも、自分の継母は『奥様』と呼ぶように言われているのです。
リルテはもう継母に文句を言われるのに慣れました。そしてその文句にどう答えれば良いのかちゃんと解っているのです。リルテは一生この家で働き続けることに覚悟を持っていましたから。
「シンデレラ! 洗濯物を一枚干し忘れているじゃないか!」
「すみません奥様……。ちゃんとやったつもりなのですが……」
「アンタがちゃんとやったつもりでも出来てないんだよ!」
こっちシンデレラはエーナ。今継母が言った事は正論といえます。娘をこき使っている時点で間違ってはいるのですが、別重い罰を与える訳でもないのでエーナはきちんとやるべきです。
エーナは要領が悪く、しょっちゅういつか来る幸せな日々の事ばかり考えているのでミスをする事もしばしばです。
この同じようで違うふたりのシンデレラ。彼女達はこれからどうなっていくのでしょうか……。
- Re: ζ嘘吐きシンデレラζ ( No.3 )
- 日時: 2010/09/02 17:33
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: kWgD5bK.)
ぎゃー!全く同じタイトルの小説(しかも大人気らしい)が!
今すぐ修正だ!ストーリーも同じだったらどうしよう!
- Re: ζふたりのシンデレラζ ( No.4 )
- 日時: 2010/09/02 17:57
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: kWgD5bK.)
第2話『ふたりの出会い』
実はこのふたりのシンデレラ、同じ境遇で同じあだ名で同じ町に住んでいて同じような顔……なのにまだ一度も会った事がないのです。しょっちゅう間違われて名前を呼ばれてしまうので名前だけはお互い知っていますが。
しかしふたりには何か通じる物があるのでしょう。ある日偶然同じ時に雑巾掛けをし、水が汚くなり、水汲みへ行ったのです。
同じ井戸へ行ったのでふたりは最初の出会いを果たす事になりました。
「……!」
ふたりの思いは一緒でした。
(似てる……!)
そう、ふたりの顔が似ているのは本人でも自覚するようなぐらいだったのです。
「彼方は……リルテ?」
「ええそうよ。彼方はエーナ?」
お互いの声を聞いてふたりはさらに驚きました。声も全く同じなのです。まあ声は骨格が関係しているのでそれだけ顔が似ていれば声も似ているはずなのですがそんなことふたりのシンデレラが知っているわけがありません。
「……おじさんから聞いたわ。彼方いつか自分が幸せになれるって信じて頑張ってるんですって?」
「そうよ。そのせいでボーッとしてよくミスをしちゃうんだけどね……」
「バッカみたい!」
エーナは自分の志は正しいものだと思っていたのでいきなりリルテに否定をされて驚きました。
「お父様もお母様も死んで! ずーっと今までこき使われて? 幸せになんかなれるわけないじゃない!」
リルテもまた自分の考えは正しいと思っていたので厄介な事です。ふたりの考えは全く相反していたのです。
「そんな……そうかもしれないけど最初からそう思うのは間違ってるわ! 前向きに生きる事が大事だとは思わないの?」
「思わない、思わないわよ。私は一生こき使われてそのうち疲れて死ぬんだわ、彼方もね!」
そう言ってリルテは行ってしまいました。このようにふたりの出会いとは最悪な物だったのです。
- Re: ζふたりのシンデレラζ ( No.5 )
- 日時: 2010/09/05 10:21
- 名前: Min♪ ◆PIjcvUfWbQ (ID: 2e/Kg4WG)
第3話『ふたりの魔法使い』
その町の外れにある森に双子の若い魔法使いが住んでいました。
ひとりは姉のネリ。しっかり者で優しい魔法使いです。もうひとりは妹のキオ。情に弱くしょっちゅう貧しい人に魔法で何かを与えています。
魔法使いは姿を隠し町を歩き不幸な人は居ないかと探っています。
この魔法使いはふたりのシンデレラを見て何とかしてあげようと思いました。
「ネリ姉さま。今井戸に居たふたりの娘はとても可哀想な生い立ちらしいですわよ」
井戸で起きたリルテとエーナの喧嘩を見てキオはふたりの不幸さを悟りました。
「ええそのようね。リルテという娘に至ってはもう自分が幸せになんかなれないと思っているようね」
「姉さま、今日は舞踏会の日です。私達の力でふたりに今日だけでも幸せを味わってもらいませんこと?」
ネリはそれに賛成し、今日の夜ひとりずつふたりの家へ行って魔法をかけてあげようと言いました。
「シンデレラ。私達は今日舞踏会へ行くから怠けずにしっかり掃除をすますんだよ」
「そうよ私達は舞踏会へ行くのよ! アンタには一生行かせないんだから!」
「掃除を怠けたら承知しないんだから!」
どちらのシンデレラの継母と姉も嫌味を言いながら舞踏会へ出掛けて行きました。
「舞踏会の日っていっても私にとってはちょっと奥様が嫌味を言うだけで別に特別な日ではないのよね……」
リルテはいつものように掃除を始め、特に舞踏会に行く継母と姉を羨ましがったりはしませんでした。
「何で私は舞踏会へ行かせてもらえないのかしら。独りで舞踏会の日に掃除をするなんて惨めだわ……」
一方エーナは掃除はそっちのけで舞踏会の事ばかり考えていました。
「姉さま、リルテは別に舞踏会へ行きたくはないようよ」
「それは幸せというものを知らないからよ。なんて可哀想なんでしょう。知っていればそんな事は絶対に思わないのに」
ネリはリルテの家へ、キオはエーナの家に行きました。ふたりを幸せにする為に。
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