ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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■□魔女と暗闇のノイズ□■
日時: 2010/09/02 20:49
名前: りんご酢 (ID: FH8GDiLh)

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一つは<消去>

一つは<再生>

一つは<刻む>

一つは<また、繰り返す>


それが人の、築いていく、はかないモノ。

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はじめましてりんご酢です。
更新ノロノロですが、よろしくお願いします!!

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Re: ■□魔女と暗闇のノイズ□■ ( No.1 )
日時: 2010/09/02 21:02
名前: りんご酢 (ID: FH8GDiLh)

第零話 【4】




彼はきっと悲しかったのだ。
寂しかったのだ。
長い長い一人の時間を埋めたかったのだ。
なにかで、でも、何もなくて。
手を伸ばした先にあったのは、光でもない希望でもないなんでもない

静寂、痛み、苦しみ_______

心に開いた穴は隠されることなく。
でも、_____隠した。

自分が弱いと思われたくない。
言われては、いけない。
そのプライドで仮に蓋をする状態。



だから、奪われてしまった。
立ちの悪い<魔女>に
心の隙間に 

住み着いてしまった。




地上に落とされた4の条件。
人はまた、その条件に沿って生きていく。

時を刻み続ける。
命の炎が燃え尽きるまで。




Re: ■□魔女と暗闇のノイズ□■ ( No.2 )
日時: 2010/09/02 21:34
名前: りんご酢 (ID: FH8GDiLh)

第一話【再生の<魔女>】





町は、星も月も見えない深い闇に包まれた。
頼るものは、ぼんやりとした街灯のみ。

公園にて。
その少年は、何かを待つようにベンチに座り込んでいた。
目線は、まっすぐ。
闇の中、黒く聳え立つ公園の木と木の間。

吸い込まれるように、あるいは取り付かれたようにして見る少年の瞳は、にごっていた。




さぁ、



夜風が頬をかすめる。
生ぬるい、肌にまとわり付くような温度だった。
まるで、不吉な知らせを届けに来たような_____


ゆるい風は、まだ続く。
まだまだ、続く。
途切れなく、続く。

そして、それは訪れた。




「・・・・・・・・よし来い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


少年が勢いよく立ち上がったと同時に、一番強い風が吹いた。
風は木と木の間を狭くする。
その少しの隙間に、赤い光がゆらりと現れた。

それは、なにかの目。
こちらを伺うように、幼児がするかくれんぼのように、光る目を見せたり、隠したり。



「おらおらぁ!!!!!さっさと姿をあらわせ!!!!」


挑発する少年の声に答えたかのように、それは姿を見せた。
どろり、といった表現が似合う。
粘り気のある液体が、隙間から漏れてきたような様子を思い出させる。

それは、暗闇から街灯の下にまで流れるように少年に近づいて、姿を変えた。

大きな水溜りのような形をしていたそれは、曖昧な人の形になった。
しかし、その姿があまりにも大きかった。
3mはあろうかという巨体に、地面すれすれの長い鋭い爪の付いた腕。
目は、さらに紅く光っていた。



「・・・・<再生>!!!!!」


少年が叫ぶと、それは近づいてきた。

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Re: ■□魔女と暗闇のノイズ□■ ( No.3 )
日時: 2010/09/02 22:34
名前: 神無月 (ID: XOYU4uQv)


初めまして。題名に惹かれてやってきました。

描写が上手いですね・・・頭の中に情景が浮かんできて、とても面白いです!

魔女とかそういうの大好きなのでww
続き楽しみにしてます。頑張って下さい^^

Re: ■□魔女と暗闇のノイズ□■ ( No.4 )
日時: 2010/09/03 16:33
名前: りんご酢 (ID: aNM7VPh4)


Dear 神無月さん☆

初コメありがとうございます!
上手い?面白い?もったいないお言葉です・・・!!
申し訳なさ過ぎてパソの前で土下座してます。

ありがとうございます。
がんばりますね!!

Re: ■□魔女と暗闇のノイズ□■ ( No.5 )
日時: 2010/09/03 16:59
名前: りんご酢 (ID: aNM7VPh4)

第二話【グランマロゥ・アジェーリカ】





それは、足を引きずるようにして、ゆっくりと近付いてくる。
体が重いようだ。地面にめり込み付いた足跡が、その重さを窺わせる。



ずしん、

ずしん、



腹のそこに響くような音だ。
少年との距離がある程度狭まってくるとそれは重い腕を持ち上げて少年へと振り落とした。

しかし、少年に動く気配はない。
むしろ口の端を持ち上げて、いかにも落ち着いた表情を見せる。

その手が、少年の頭上でぴたり、と止まった。
否、跳ね返された。



『・・・・グランマロゥ!!!!!』



少年のその一言だった。
あたり一面を目が眩むほどの青白い光が走る。

光源は、少年の胸元からだ。少年はその光に対し全然平気なようだ。
にごっていた目は、いつの間にか獲物を見つけた獣のようにらんらんと輝いている。


青白い光は、それをあっという間に消していく。
それの頭の上から、砂煙が立つようにして消えていく。
少年は光り輝く途中、静かに言った。




『<消去>の魔女、リセルブ・ラペッタ!!お前の力を見せてみろ!!!!』




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