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『━X━ WORLD』 2話UP♪
日時: 2010/09/05 19:52
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

☆CLICK thank you☆

何度も考え直した結果、ここに自身の考えをぶつけることにしました。
読みづらいかもしれませんが、どうか温かい目で見て下さい。
荒らしや喧嘩だけは絶対NGなので・・・・(^_^メ)


【用語説明】>>5
━━━━━━━━━━━
キャスト>>2
>>1【0話 プロローグ】
>>3【1話 天宮優太】
>>4【2話 製薬会社“ライフ”】

Page:1



Re: 『━X━ WORLD』 ( No.1 )
日時: 2010/09/04 21:26
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

0話【プロローグ】


東京 


「担架急げ!!!重傷者だ!!!!」
真昼間の東京の街、40階建ての高層ビル35階から燃え盛る炎が湧き出ている。
原因は不明だが、何らかの事故で火事が起きたらしい。
無論、消防車が届くはずもなく、消火活動は困難している。
地上に集まる群衆を掻き分け、1人の少年がビルに近づこうとする。その直後だった。
「君!!危ないから離れて!!!!!」
「パパとママがいるんだよ!!!助けて!!!!」
少年の言葉で、少年を止めていた警察関係者の顔色が変わる。
スーツを着た男は少年の目をじっと見つめると、スーツを脱いでビルの中へと駆け込んで行った。


─────────


10年後


世田谷区に住む天宮優太は、1階のリビングにある仏壇の前に座っていた。
仏壇には優太の母、父が笑顔で写っている写真が飾られてある。
「父さん、母さん。今日も。」
あの火事から10年経ち、両親を失った優太は高校生になっていた。
国から特別に補助金を受け取り、どうにか生活を繋いでいる。
優太が6歳の頃に起きた火事の原因は、何者かの放火によるものらしいが、それが真実か分からない。
当時の警視庁では捜査本部を立て懸命に調べたが、現場は消火活動の遅れで何も残っていない。
死亡者6名という悲惨な結果に終わり、4年後には捜査本部も無くなり、事件は迷宮入りで終わった。

「行ってきます。」

誰もいない自宅に告げると、優太は自身が通う高校へと急いだ。


*****

「例の10年前の火事、あれ放火でも意味が異なりますね。」

東京に建つ超高層ビル‘第7ビル’の最上階である50階。
壁が窓張りで東京の街を見下ろせる社長室に、若い男性と福与かな老人がいた。
「・・・・というと?」
「私の部下が調べたところ、あの火事は何かを揉み消すための犯行。殺人目的ではないようです。」
若い男性の言葉に、この会社の責任者である城野竜二郎は何度か頷く。
立ち上がり振り向いて、窓から東京の街を見る。
若い男性は手に持つ資料を続けて読み上げる。
「それで、死亡者6名の中に能力者がいることが判明しました。宮田総、当時40歳の社員です。」
「能力者か・・・。彼の詳細は?」
「現在調べている途中です。10年前の事件なので、どうにも進み具合が悪く・・・・」
「分かった。発展があったら連絡を頼む。」
城野の言葉に若い男性は頷くと、一礼して社長室を出て行った。





────────

Re: 『━X━ WORLD』 ( No.2 )
日時: 2010/09/04 21:26
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

◇CAST INTRODUCE_________
【天宮優太/yuta amamiya】
能力:増強
現在16歳の現役高校生。両親は10年前の‘ビル不審放火事件’で死亡。国の補助金で1人暮らし。
増強という超能力は、筋力や速力、聴覚や視覚の感覚器官及び神経の一時的な増強。
そのため、高校では運動神経が学校1位。成績は標準。
両親が亡くなった事件が迷宮入りのため、警察になって解決することを夢見ている。



後々更新していきます♪

Re: 『━X━ WORLD』 ( No.3 )
日時: 2010/09/05 14:14
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

1話【天宮優太】


東京世田谷区  桃崎学園高等学校


この学園に再び桜が咲く時期が来た。
学園の周りはピンクの花びらで綺麗に染まり、その中を生徒たちが次々と通っていく。
門を抜け、「コ」の字の形をした校舎も、どこかあたしい雰囲気を漂わせている。
「優太、おはよう。」
「ん・・・?あ、おはよう七海。」
門を抜けた優太の後ろから、中学からの知り合いである加藤七海が声をかけてきた。
ショートヘアーが似あう七海は、学園トップの成績を誇る女子生徒である。
「優太、今度の学園祭なにするか決めた?」
「俺は生徒会だから、警備係なんだ。」
「え!?ずるっ!!!」
優太の言葉に、思わず大声を出した七海。表情は不貞腐れている。
優太は高校1年生の時に生徒会執行部に入部し、現在は風紀委員長を務めている。
「じゃあ俺、生徒会室でミーティングあるから。」
「後でね〜ぇ。」
七海と別れると、優太は東館という3年生校舎に入る。
そして、3階にある生徒会室へと急いだ。



東館3 生徒会室


どうやら、優太が一番に来たようだった。
生徒会室のドアを開けると、誰の姿も見えず、ただ窓から気持ちの良い春の風が入ってくるだけだった。
部屋の中央の置かれた細長い業務用の机に、パイプ椅子が向きあうように10脚。
生徒会の人間が現在10人いることが分かる。
生徒会長、副会長、総務委員長、書記、環境、風紀委員長、役員4名。
優太はその内の風紀委員長を務めている。
無論、仕事はその名の通り風紀の乱れを無くすことだ。
優太が何気に部屋へ入ったその直後だった。

ドゴッ!!!

部屋に鈍い音が響き渡り、優太の後頭部に鈍器が叩きつけられた。
「痛って・・・・・」
あまりの痛さに、優太は持っていた鞄を離してその場に崩れ落ちる。
床に倒れた瞬間、意識は簡単に途切れてしまった。

「案外弱いんだね。超能力者♪」

優太の後ろから、この学校の制服ではない制服を着た1人の女子が入ってくる。
腰まである茶髪の長い髪に、どこか大人の雰囲気を漂わせながら、優太の隣にしゃがみ込む。
「天宮優太、確保。これより本部に帰還します。」
謎の女子生徒はそう言うと、優太の背中に右手を置き、ゆっくりと目を閉じる。
そして、その直後に2人は一瞬でその場から姿を消したのだった。


************


『呼び出しです。2−2組、天宮優太君。直ちに生徒会室へお急ぎください。もう一度繰り返します。』


校舎に響き渡る放送部員の声。2−2で放送を聞いていた七海は表情を変えた。
「あれ・・・?優太、何してんの?」
七海は首を傾げながら、向かいの東館を見る。
すると、生徒会室のある3階に、なぜか人が集まっている。
「おい、加藤。優太はどこだ?」
七海が振り向くと、髪をツンツンにワックスで固め、派手な赤色で染め上げた不良の男子生徒がいた。
「それはこっちのセリフ。私だって知らないわよ。」
「あぁ!?お前、優太に何かあったら・・・」
2年生で不良の頭とも言われている結城隼人は、なぜか優太のことを心配している。
七海が隼人と出会ったのは中学校が初めてだが、優太は幼稚園から知っている。
七海にはそれしか分からないが、どうやら2人は過去に何かあるらしい。
「俺、東館行ってくる。」
「あ!!私も行くよ!!!!!」
七海はそう言うと、隼人と共に東館へと向かった。

Re: 『━X━ WORLD』 2話UP♪ ( No.4 )
日時: 2010/09/05 18:04
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

2話【製薬会社‘ライフ’】

「ぐっ・・・・」

目が覚めたきっかけは、何者かの呼びかけだった。
「起きて。頭は治療したから大丈夫。」
優太の目の前には、制服を着た1人の女子が立っていた。
何が起こったか未だに分からず、とりあえず優太はその場から立ちあがった。
床は大理石、壁は白一色。窓からは太陽の日差しが入り込み、大理石に反射して目が眩む。
「ここは・・・てか、あんたは・・・・」
「ん?私は桃崎晴香。あ!!来た。」
晴香の言葉で、部屋のドアが開く。
優太が振り向くと、そこには城野竜二郎が笑顔で立っていた。
「やぁ、こんにちは。天宮優太君。超能力者として、明日からここで働いてもらうよ。」
「え・・・?」
優太は突然現れた城野の言葉に、思わず顔がキョトンとなり言葉を失った。
「両親が死んだ理由、真相を一刻も早く知りたいのだろう?」
「な!?どうして知ってんだ!?」
「君のことは全て知っている。10年前の事件で両親が死亡。今まで孤独の中を生きてきた。」
「・・・・・・・」
優太は城野の言葉で、10年間の記憶を辿る。
両親が死に、孤児院で中学時代を過ごし、他の人とは違う人生を送ってきた。
「それに、君は超能力者だ。自分で分かっているだろう?人間以上の力を持っていることに。」
優太は次々に的確なことを言われ、その度に過去の出来事が蘇る。
優太の「増強」という超能力は、色々な所で役に立っていた。
運動会ではいつも人気者、体育祭では先輩たちを退くほどの足の速さで300m走を走った。
運動神経が良いことから、男女問わず友達も多かったが、反面、人気者の優太を嫌う人間もいた。
「働くかね?ここには、君と同じ境遇を辿った仲間がいる。超能力者もいる。」

「・・・・分かった。働かせてくれ。」

優太のその答えに、城野と晴香は顔を合わせる。
城野は優太の前まで来ると、肩にポンと手を置く。
「今日から、製薬会社ライフの社員として働きなさい。」
「製薬・・・・会社?」
「表向きは製薬会社。だけど、複数の社員は超能力者の安全確保、警察と同じ仕事よ。」
優太は晴香のその言葉に、目を輝かせた。
自身の夢である警察に一歩近づけたような気がする。
だが、優太に1つの疑問が思い浮かんだ。
「学校は・・・どうすれば?」

「君は失踪という形で、この社会から離脱してもらう。」

「はい!?」
優太はドラマや映画で聞くような言葉を聞き、表情が唖然とする。
「友人のことは諦めなさい・・・。」
「それに、あなたにとっても失踪という形が一番丸く収まるの。」
晴香と城野は悲しそうな顔をする。
だが、優太には1つの決心がついた。

真実を知るには、多少の犠牲もしょうがない。

両親が死んだ本当の理由を知るために_______



社会から離脱する_______

Re: 『━X━ WORLD』 2話UP♪ ( No.5 )
日時: 2010/09/05 18:14
名前: 遊太 (ID: U3CBWc3a)

☆:用語説明:☆
【製薬会社“ライフ”】
東京都新宿区にある東新宿駅の隣に位置する製薬会社。
40階の高層造りで、世界でも有名な大企業。しかし、裏では超能力者関係の仕事をする会社。
超能力者関係の仕事に携わっているのは、社長である城野竜二郎が選んだ社員のみであり、そのほかの社員は超能力については一切知らない。
現時点では、なぜこのような組織があるかは不明。


※後々更新していきます♪


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