ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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裏ノ世界
日時: 2010/09/05 19:20
名前: 雛翔 (ID: iSRuTdKo)

今日を境に、僕と先輩の世界は変わったんだ。



はいw
もう久々投稿で駄作すぐる小説になりますww
(笑ってる場合じゃないですね、はい)

ん、まぁ、頑張るので、宜しくお願いします!!

〜cast〜

*南 玲悶 (minami remon)
 極普通の中学生。
 人一倍ツッコミが上手い。
 名前が変わっている事から少し人見知り。

*奄地 奏翔 (amati kanato)
 鷹の化身と言われる玲悶の先輩。
 人との関わりをあまり持ちたがらない性格。
 学校のトップ的存在。

*妃錠 (hijo)
 裏世界の謎の人物。

*ルクシア.ラリンディア.ハーネス(rukushia.rarindeia.hanes)

 偶に出てくる情報屋。
 「女の勧は当たるのよ!!」が口癖。

*ルクシア.リリー.ハーネス (rukushia.riri.hanes)

 ラリンディアの双子の姉。
 妹の勝手な行動に、何時も頭を悩ませてる。

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Re: 裏ノ世界 ( No.1 )
日時: 2010/09/05 20:09
名前: 雛翔 (ID: iSRuTdKo)


#1

「キャ〜ッ!!先輩〜!!」

8月末の厳しい残暑の中、
来船岡中キフネオカチュウは暑苦しい歓喜で溢れていた。

声は先輩を応援する女子のもの。
呆れる男子が見えてないのだろう。
先輩が動く度に声が上がり、
この声が他の女子を呼び寄せるのか…、
どんどん人口密度が増える。

「暑…。ちょっとどっか行こうかな。」

「おい南!奏翔のタオルどこやった!」

「知りませんよ。マジで。」

「…そーか。」

ホント勘弁だよ。

僕が所属しているのは陸上部。
生憎今日は三年生の引退試合みたいなもんで、
二年生の俺は当然サポートしなくてはいけない。
ついでに言うと、一年生の世話も…。

「南先輩!次誰か走ります?」

「…次?次は〜、いないんじゃない?」

「有難う御座います!」

んなの自分で調べろよ…。

<続いては…100mです。選手は集まって下さい。>

アナウンスが流れ始め、出場選手の名前を呼び始める。
…その中に、うちの先輩がいた。

「やっちゃったよ。」

当然僕は苦笑いな訳で。
さっきの後輩達がこっちに来ていないか確認して、
来ていない事に取りあえずホッとする。

「玲悶。」

「へっ!?」

後ろを振り返ると、そこには奄地先輩が。
あの鷹の化身とも言われる奄地先輩が。

「なんで名前で…?」

「いや、特に理由は無いんだが…。」

「ツンデレですか?」

「…………。」

奄地先輩、以外とイイ人?
…なーんて思ってたらやっぱり不幸が。
奄地先輩の鷹の目。

「あ…奄地先輩、怒らないでくださいって…!」

「別に怒ってなんかいないけど?」

「やっぱツン…いえ、何でもないです。はい。」

「ふーん。そ。」

と言って、奄地先輩はどこかへ行ってしまう。

「ばぁいばーい。」

僕は小声で手を振りながら言う。
そして、後ろを振り返り、歩き出す。
背中に視線を感じるのは気のせいだろうな。うん。

Re: 裏ノ世界 ( No.2 )
日時: 2010/09/06 08:35
名前: 雛翔 (ID: iSRuTdKo)

#2

そんなこんなで只今下校中。

僕は歩きの通学だから、
自転車を持っていない。

「南先輩、さよならぁ〜。」

「ん。」

後輩の言葉に適当に答えながら、
持ってきたスポーツドリンクを飲む。

「ねぇ、それくれる?」

声で分かるよ。ほんと。

後ろには奄地先輩がいる訳で。
奄地先輩は自転車な訳で。

「それちょうだいってば。」

「あ、はい。」

半分程になったスポーツドリンクを先輩に渡す。
その時触れた先輩の手が物凄く温かかった。

暫くの沈黙が続く。
先輩は自転車を押しながら歩き出す。
それに続いて僕も歩き出す。

「先輩、お疲れ様でした。」

僕は後ろでうつむきながら少し笑顔でしると、
先輩は振り返って、

「……ありがと。」

僕はビックリして奄地先輩を見上げると、
奄地先輩はもう前を向いていて、
ちょっとだけつまらなかった。

その時だった。

「……ッ……ぁ。」

「先輩!?」

ガシャンッという音をたてて自転車が倒れる。
持ってたスポーツドリンクも落とし、
頭を抱えながら座り込む。
奄地先輩は苦しそうな声を出しながら、
僕を見つめて何かを言おうとしている。

「……っ…、玲…悶、わ……れ…る……っ。」

「頭ですか?頭が割れそうなんですかっ!?」

奄地先輩はコクリと頷いて、倒れる。
…と同時に口から鮮やかな赤の液体が噴き出す。

「先輩っ!!!」

僕は立ち尽くしていまった。
何も出来なかった。

すると突然、強烈な吐き気が僕を襲った。
僕は忍耐力が無いのか何なのか…、
直ぐに意識を失った。

Re: 裏ノ世界 ( No.3 )
日時: 2010/09/06 09:34
名前: 雛翔 (ID: iSRuTdKo)

#3

「起きなさい。起きなさいってば!」

僕がハッとして目覚めると、
場所はさっき倒れた場所だった。
目の前には知らない人。
隣には奄地先輩とスポーツドリンクの容器と自転車。
奄地先輩の前にも知らない人。

「やっと起きたんだからぁ…。」

「誰ですか?」

「何それぇ!?レディーに向かって何様よぉ!」

「僕様。」

「っな!?…まぁいいわ。アタシはラリンディアよ。」

「そうなんだ…。」

ラリンディアとかいう奴のキンキンした声が耳に響く。

僕は手元に何かある事に気付いた。
それは、

「け…拳銃…。」

「あら気付かなかったの?じゃ、あなたのって訳じゃなさそうね。」

「当たり前だろ。俺は一般中学生だぞ!!」

「まぁね〜。見た所あなた、此処の世界の人じゃなさそうね。」

「は?」

すると、隣で少し物音がする。
ふと見てみると、奄地先輩が起き上がっていた。

「先輩っ!!」

「…玲悶。」

「こっちも起きた…。」

「あら、おはよぉう。」

「誰?」

やはり鷹の目だなぁ、先輩。

「リリー…。」

「ラリンディアよ!」

多少の沈黙が訪れる。
それを破ったのはラリンディアだった。

「あぁ、もぉう!もうそろそろアタシの情報言いたいんだけどぉ?」

「言えばいいじゃないですか。」

「んもぉう、分かったわよっ!!」

そしてラリンディアはリリーに手伝ってもらいながら説明を始める。

此処は……よく聞き取れなかったから適当に付けるけど「裏世界」で、
妃錠という人物が取りまとめをしていて、
妃錠は人の脳内に入り込める人物で、
「裏世界」の人物は何かしらの力を持っていて、
ラリンディアは勧、リリーは情報を取得する力があるらしい。
僕ら人間は此処に来た事で武器を得る。
(僕は拳銃、奄地先輩のは残念ながら教えてもらえなかった。)

「以上、女の勧でしたぁっ!女の歓は、当たるのよぉっ!」

「私達……行く……また……会う……。」

「うん!じゃあねっ。」

するとラリンディア達はスパッと消えた。

「…先輩、大丈夫ですか?」

「……駄目。」

大丈夫って聞いてダメ押しっていう人なかなか聞いた事ないよ?
まぁ確かにまだ辺りには血がねぇ…。
そういや、さっきの二人は血について触れてないよな。

「取りあえず…どっか行きますか?」

「そうだね。」



僕らはゆっくり歩き出した。
真っ黒な世界の上を。

Re: 裏ノ世界 ( No.4 )
日時: 2010/09/06 18:41
名前: 雛翔 (ID: iSRuTdKo)

#3

暫く歩いた後、学校が見えて来た。

「学校、行ってみます?」

「うん。」

そのまま敷地内に入ると突然、頭に割れるような痛さが襲い掛かる。

「いっ……。」

隣を見ると、先輩も痛いようだ。
すると、頭の中。
奥の方と言うべきか…。
誰かの声が聞こえる。

<学校ヘ行ケバ…、仲間ニ攻撃ヲサレル…。>

「意味わかんないですよ。誰ですか。」

<我ガ名ハ妃錠。>

すると、頭の痛みは収まった。

「学校へ行ったら…。」

先輩も同じ事を聞いたようだ。
少し顔色が悪かった。

「行きましょう、先輩。」

行かなければ何も解決しない。
行くとリスクがあるのは知っていた。

「もちろん行くよ。」

恐る恐る校門を通ると、
クラスメートが襲い掛かってきた。

「…うっ!……ぐは…ぁ。」

突然首を絞められ、
相手を蹴る。…が、ビクともせずにさらに強く絞める。

どんどん意識が薄れて行き、
もう駄目だ…と思った瞬間だった。

「拳銃を使え!!」

ハッと目を開けて、
腰にしまっておいた拳銃を取り出し、
相手の脳天に向かって一発かます。

すると、相手は音も立てずに倒れる。
血も出さずに…。

「……っは……っはぁ…。」

疲れた僕に、先輩は駆け寄って来て、
支えるように抱えてくれた。

「有難う御座います…。」

「陸上部の先輩として当然の事をしただけだ。」

相変わらずツンデレだなぁと思いながら、
ニヤけてしまう。

「何笑ってんの。放すよ。」

「あぁ、すみません。」

やっぱりククク、と笑ってしまう。
先輩はムッとした顔でそっぽを向く。

これはまだ幸せだと、
僕は実感するんだ。


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