ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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クロスライ
日時: 2010/09/09 23:22
名前: 愛芯 (ID: 7GPkHSud)


あるクラス全員に届いた手紙。
それにはそれぞれ別々の内容が・・・。
それは個人の過去の罪。

そして最後にこう続く。
『○○様はきっとあなたをこの世から消しにきます。
 生き延びてみてください。
 そうしたら、あなたの罪を永久に消してあげましょう。
 
 しかしもしも死んでしまったり、途中でリタイアしたら
 すべてを皆様に暴露します。頑張ってください。』


そしてクラス全員の殺し合いが始まった。


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罪なき子供達 ( No.1 )
日時: 2010/09/10 17:26
名前: 愛芯 (ID: 7GPkHSud)



自分に正直に生きても知らないうちに誰かを
傷つけているなんてことはないだろうか?
               —椎高 勇優子—




〜1〜


(いいなぁ。みんな楽しそうでぇ・・・。)
教室の中でポツンと1人だけ座っている女子がいた。

もう何回も読んでいる本を繰り返し読んで、暇つぶしをしているようだ。
オシャレにも興味がないらしい。

ストレートのはずの髪の毛がところどころ寝ぐせのようにはねている。
くせ毛もあった。

この女子の名前は椎高 勇優子(しいだか ゆゆこ)。
お人好しで知られている。

「ゆっこ〜!シャーペン貸して〜。忘れてきちゃってさ〜。」

『ゆっこ』は勇優子の愛称である。
「いいよぉ〜。何色がいぃ〜?」

勇優子に話しかける少し茶髪の女子。
名前は猿島 綾乃(さるじま あやの)。

美人で茶髪で・・・・・。
オシャレだ。馬鹿な男は引っかかるだろう。

「うーんとね〜。青がいいかな?」

「わかったぁ〜。」

勇優子はすぐに持ってきた。
「ありがとっ!さすがゆっこだね〜。」

勇優子は照れたように笑って見せた。
実は勇優子もかなり可愛い。

たまに写真部の男子にパパラッチされることもある。
しかし告白されたことがない。

どうしたものか。
やはりお人好しすぎるのだろうか?

「どういたしましてぇ〜。頑張ってねぇ〜。」

勇優子はフリフリと子犬のように手を振ってみせる。
勇優子は身長も小さい。チビだ。

綾乃への対応が終わった後、勇優子はまた席についた。
いかにも満足そうな笑みを浮かべながら・・・。

そしてチャイムが鳴る。



みんながそれぞれ席に着く。
ノート、教科書を用意する。

そして先生が来るまで雑談。
先生が来て授業が始まってしまう。

そして授業中、寝ていたりする人は注意される。
そして授業が終わり、休み時間をはさんで、また授業が始まる。



すべてが日常。
その日常はすべて命あるものが作り上げている。

そしてそれぞれの命は、感情を持ち、様々な過去を持っている。











もしもそれがみんなに発信されたらどうなるか。
軽蔑?憎悪?同情?悪心?

『死ぬこと』と『秘密がバレること』。
嫌なのはどっち?



手紙の宛先 ( No.2 )
日時: 2010/09/11 13:39
名前: 愛芯 (ID: 7GPkHSud)




『罪』は人を誤解させるもの。
『誤解』は人を堕ちさせるもの。

          —猿島 綾乃—






〜2〜



ある朝、少女のポストには新聞と一緒に手紙が入っていた。

(何これ・・・。)

宛先には
『猿島 綾乃』

「あたしじゃん。」

綾乃は手紙を開いてみる。
綾乃の好きな青の紙だった。

「—————っ!!?」

綾乃はその手紙の内容を見て息を詰まらせた。

「なん・・・!どうして・・・・?」

綾乃はすぐにその手紙をクシャッと握りつぶしてポケットに入れた。
綾乃の体はわずかだが震えていた。

「いや・・・・いや・・・・・。」

綾乃は目に見えない何かに脅えているようだった。
綾乃の顔は真っ青になっていた。




バンッ・・・・・!!!
綾乃は自分の部屋に行くなり、机に紙を叩きつけた。

「なんかの・・・イタズラでしょっっ・・・?」

動揺が隠せない綾乃は、部屋のドアを勢いよく閉めて、学校へ行った。
机に残された紙が静かに床に落ちる。



『Dear 猿島 綾乃様

 我々は貴方の6年前に犯した罪を知っています。それを今、あなたが仲良くしている御友人、もしくは御家族、すべての他人に知られたくなければ、我々が作ったゲームに参加してみてください。

 ルールは簡単です。日曜日の校舎の裏に来てください。そこにはあなたと同じような人達がいます。その人達と殺しあってください。尚、銃やナイフなどの武器は有料です。

 マカロニ様はきっとあなたをこの世から消しにきます。生き延びてみてください。
 
 そうしたら貴方の罪を永久に消してあげましょう。

 しかしもしも死んでしまったり、途中でリタイアしたら、すべてを皆様に暴露します。頑張ってください。


                   From 夢泣子』








8:15 教室にて。
みんないつもどおりに学校生活を送っていた。

綾乃も勇優子の前では普通のフリをした。
しかしまだ知らない。

綾乃の他にもあの手紙をもらった人がいることを。



このクラスの友情を壊すような事件が、起こることを・・・・。




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