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- あおの牙
- 日時: 2010/09/11 12:35
- 名前: 名無し(´・ω・`) ◆E9XquY9g8. (ID: zuIQnuvt)
ゆっくり読んでいってね!(´^∀^`)つ日
※題名の「あおの牙」は決して変換ミスじゃないですよ。あえてです。か、勘違いしないでよねっ←
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プロローグ>>1
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- Re: あおの牙 ( No.1 )
- 日時: 2010/09/10 18:58
- 名前: 名無し(´・ω・`) ◆E9XquY9g8. (ID: zuIQnuvt)
プロローグ
クソだ、この世界はクソだ。クソ以下のナニモノでもない、ただのゴミ屑が集まる世界。この空気を吸っているだけでも吐き気がする。それぐらいこの世界は穢れて、綺麗で、邪悪で、純粋だ。つか、なんで俺がこんな世界のことを考えている。まったく気持ちが悪い。まぁ、今なら血反吐が吐けるかもな。よし、吐いてみようか。確か指を喉の奥に入れれば吐けるんだよな。
「うぇっ」
うわ、息がしにくい。舌がつりそうだ。ぐほっ、げほっ、ごほっ。
だめだ、まだ出ない。もっと強く押し込んでやれ。ごほっ、う えっ。
「うおえ」
出てきたのは粘り気のある痰だ。まるでスライムみたいで可愛らしい。
そんな塵に愛着を持ってしまう愚かで馬鹿で哀れな狼人。それが俺だ。
狼人——狼から人間へと“変化“することが出来るおぞましき力を持つ愚者。そのせいで幼い頃、見知らぬ人間共にこの体を犯され、貪られ、辱められ、心を砕かれた。永遠と続く罵詈雑言。俺は狂った。人間に狂わされた。
俺は俺だ。母さんも父さんも姉さんも、皆は皆。罪は狼人の祖と人。今の俺たちは何にも悪くない。悪くない、悪くない!
「悪くないんだ!」
「何がだよ。つかいきなり何? 超びびったんですけど? 心の臓がきゅって縮まったんですけど?」
見上げればよく知る顔。
言葉の割にはそれほど驚いていないようで、無表情に近い。
「お前も驚くんだな」
「そりゃまあ人間だからな。そこら辺にいる廃人と一緒にしないでくれ」
よく知る顔は唇を、まるで真夜に映える三日月のように歪ませた。人間なのにそんな顔できるんだな。俺もやってみようか。俺も今は人間だ。こいつのように出来ないはずはない。
「——って、うわー気持ち悪っ。お前が笑うとか……空から岩を降らせる気か?」
「気持ち悪いとか言うな、“人間”のくせに」
「あれ、岩を降らせるっつーのは否定しないんだな、“狼”さんよぉ」
——ああ、やっぱりこの世界はクソ以下だ。
- Re: あおの牙 ( No.3 )
- 日時: 2010/09/11 09:35
- 名前: ★ユマ★ (ID: 6w.ezElv)
う゛〜〜
はやく続きが読みたいですっっ!!
最初、吐こうとしてたとこゎびっくりしたケド
読んでみたら、次にーーー次にーーーって
また読みにきますね♪
- Re: あおの牙 ( No.4 )
- 日時: 2010/09/11 10:03
- 名前: 名無し(´・ω・`) ◆E9XquY9g8. (ID: zuIQnuvt)
>>3
コメントありがとうございます^^
早く続きが読みたいのですか…!
わかりました、では早急に仕上げます^^
ではでは楽しみにしていてくださいましー
- Re: あおの牙 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/11 12:04
- 名前: 名無し(´・ω・`) ◆E9XquY9g8. (ID: zuIQnuvt)
第一話「馬鹿は叫ばず助けを求め行く」
まず最初に、貴方達に聞きたいことがあります。
「人は死んだらどうなるのでしょうか」
ただそれだけです。
私はそれを考えました。考えて考えて考え抜いて、今も考えています。死んでしまったら、目は見えるのか、臭いを嗅ぐことが出来るのか、歩くことは出来るのか、息をすることは出来るのか、声を発することはできるのか。
死んでしまっても我々は人間でいられるのか。
私はそれが怖い。怖くて体が震えて、目から涙があふれ、胸の奥がじりじりと焼け焦げるように痛むのです。
それは人間の本能であり、生きる目的であり、本当の恐怖です。皆、“死”が怖いのです。
————怖いのです。
* * *
『それらは全て必然的に起こる事柄である。偶然もまた必然』
“第一代目リュヒュノク皇王バーンズ・サニアード・ペルーペス名言全集”から百五十二頁三行目。
約千頁もある分厚い本を抱え、レンガ通りを歩く青年がいた。
レンガ通り——名前の如く、いやまさに名前の通りだった。後ろを振り向いても、赤褐色が続いている。空も地面も全て赤褐色。初めてここの通りに来た者はきっと発狂するだろう。どこまでもどこまでも同じ景色が続き、今自分は何処に進んでいるのかもわからなくなる。全ての感覚が狂わされる。実際、異国から来たとある若者が、レンガ通りの出口付近で泡を吹いて倒れていた。その後、この国の医療部隊に運ばれ、無事意識を取り戻したが、レンガのような色を見ると突然叫び、自分の体を傷付ける“レンガ通り恐怖症”という病にかかってしまっていた。今はほとんど改善しているが、やはり茶色などレンガのようなものを見ると体が震えるらしい。
そんなことが幾つもあり、この通りは別名“狂怖通り”となんともシンプルな名前にされてしまった。
だが青年はそんなことも気にせず、本を抱え陽気に歩いている。
もうかれこれ一日は歩いているだろう。
「いっそここで死んでしまえたらなァ」
どれだけ嫌なことだろう。こんな廃人共が横たわり、腐り果てて行くこんなちっぽけな道ごときで。
しかし先程から出口に向かうにつれて、一人二人と道端に倒れている人間が増えていく。
そんな人間達を、立ち止まり一瞥した後、また彼は歩き出す。先に続くのは赤褐色。途端、天井にほんのりと寂しげに灯っている明かりの一つが、吹くはずも無い風によって儚く消えた。
それに違和感を覚え、振り向く。
だが誰もいない。
「精霊さん?」
けれども青年は、誰かがいるようにそっと声を発した。
「違います。リ=zemです」
—作成中—
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