ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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ユメクイ
日時: 2010/09/16 20:28
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)


皆様初めまして。


初心者の眠気顔と言います。


お先に言っておきますが、自分は

◆小説なんか書いたことのない初心者
◆表現めちゃくちゃ
◆更新が極端

といったぺーぺーのぺーですのでご了承下さい


また、アドバイス、感想等していてだければ泣いて喜びます


では、よろしくお願いします




━━━━━━━━

◇prologue◇ >>1

◇character◇ >>2

◇GUEST 1 君拾い part1◇ >>3

Page:1 2



Re: ユメクイ ( No.2 )
日時: 2010/09/16 19:48
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)




◆character◆

 獏(tapir)
「ARIES」のオーナー


 トラ(tiger)
「ARIES」の従業員


 ウシ(cow)
「ARIES」の従業員


 サイ(rhinoceros)
「ARIES」の従業員


 ゾウ(elephant)
「ARIES」の従業員


 夢喰蛍(firefly)
獏の昔仲間



Re: ユメクイ ( No.3 )
日時: 2010/09/16 20:19
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)



◆GUEST 1 君拾い part1◆


女は一人、暗闇の中にいた

————また、あの声がする

「…やだ!」

女が言葉を吐いた瞬間、手の形をした物体に足を捕まれる。

女は必死に光に手を伸ばすが、その光も徐々に薄れていく。

————待って

「やだ」

————消えないで

「やだ」

————私の

「やだ!」

女が叫ぶと、そこはもう暗闇の中ではなく学校へ向かうバスの中だった。

「ゆゆこ、お前そんなに学校行くのが嫌なのか?」

女——ゆゆこの隣に座る若い男が言った。

————夢…、疲れてんのかな

ため息をつきながらゆゆこは言葉を返す。

「そーね、行きたくないわぁ」

そんな様子を見て男は言った。

「…まあ、色々うまくいかない事もありますわなぁ…」

人間だもの、と男は付け足した。

「ありますねぇ…」

人間だもの、とゆゆこも真似をし付け足した。

「でもゆゆこ、小学校ん時から童話作家になりたいって言って今もやってんだから、凄いなぁと」

男はそんなゆゆこに感心の言葉を送る。

「凄かないさ。もう意地というかね」

ゆゆこは苦笑しながら言った。

そして隣にいる男を指さして呟いた。

「小中高ときて更に専門まで一緒だったこの腐れ縁のが相当凄いわ」

「相当ね。幼なじみと言ってくれたらいいのにね」

男は口元に笑みを浮かべ、言った。

そしてゆゆこに微笑みかけながら言う。

「…でも俺、この前の作品好きだったよ」

「…うん、ありがとう」

ゆゆこはどこか悲しそうな目で答える。

「一読者として楽しみにしてんだから。未来のゆゆこ先生」

「…うん」

————正しかったのだろうか、私の選択は

ゆゆこは曖昧な返事をした。

————クラスメイトに劣等感、先生からは死の宣告

『多伎駅前ー多伎駅前ー』

バスのアナウンスが流れる。

ふと、窓の外を見たゆゆこは目を見開いた。

————それでも、見てしまった

そこには、トラ、ウシ、ゾウ、サイのぬいぐるみがあるお店に入っていく姿が見えた。

————容赦なく、私の創造意欲をかきたてるもの



◆part1 END◆

Re: ユメクイ ( No.4 )
日時: 2010/09/16 21:17
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)


◆君拾い part2◆


「…降りちゃった」

ゆゆこは呟くと目の前にある小さな店を見つめた

 ARIES とそこには書かれていた。

————この、風景にそぐわない店にさっきのアレは何だろう

扉を開けるとチリリンと小さな鐘が鳴った。

「…こんにちは」

声を出してみたが人が出てくる気配はなかった。

————誰も、いない?

色々見て回ると、ゆゆこは一つのノートに目がいった。

ゆゆこはそのノートに触れたとたん、声がした。

「いらっしゃいませ」

ゆゆこは驚いて横を見た。

「ようこそ、ARIESへ」

そこには全身黒ずくめの少年が座っていた。

————子供!?…いつの間に

少年は営業スマイルを崩さず、ゆゆこに話しかける。

「ここは骨董雑貨の店にございます。お探しの物は見つかったようですね」

「え…?」

ゆゆこはノートを持ったまま、少年を見つめた。

すると少年の後ろから声が聞こえた。

「記憶のノート。っスね!」

ゆゆこは少年の後ろに目をやると、驚きの声を上げた。

「あ、あっ!あれっ!」

そこにはさっきこの店に入って行ったぬいぐるみ達がいた。

少年は構わず話を続ける。

「そう、それは記憶を司る夢のノート。それでは、お買いあげでよろしいですね」

少年はノートを見つめながら指揮棒の様な物を取り出し、ノートに触れた。

「えっ!?違っ…。私これは別に…」

慌てるゆゆこを無視しながら少年は淡々と話す。

「ただし、当店ではお代として」

————ちょ…

「キミの悪夢をいただきます」

少年の顔が不気味に輝いた。


◆part2 END◆


Re: ユメクイ ( No.5 )
日時: 2010/09/17 23:10
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)



◆君拾い part3◆


「ちょっと待って!!」

ゆゆこは大声で叫んで、少年に手を伸ばした。

だが、そこはもうARIESではなく、先ほど降りたバス停の前だった。

————何コレ、白昼夢?

「わ、しかもこのノート持って来ちゃってるし」

ゆゆこの手にはしっかりと先ほどのノートが握りしめられていた。

「とにかくもう一度このノート返しに行って、それから学校…」

歩きだしたが、数歩あるいた所で突然足が止まった。

————あれ、何だろうこの感じ

————私はまだ、夢の中にいるの?

焦って辺りを見渡す。

————あの店も、ビルもない。でも何か見覚えのある風景…

「…まあいいや。そのうち駅を探して帰ればいい…」

しばらくその場に立ちつくして考えるがあまり気にせず、最寄りの駅に向かって歩きだした。

————この前応募した小説もかすりもしなかった

「おまえバッカじゃねぇの?」

ゆゆこが途方に暮れていた瞬間、後ろから子供の声がした。

振り向いてみると二人の男の子に挟まれた女の子がバカにされていた。

「そーゆーのは才能がないとなれないんですー」

「お前頭悪いし、ムリに決まってんじゃん」

ゆゆこはあまり気にせず、歩きだす。

男の子達にバカにされながら女の子は俯きながら呟いた。

「…でも——」

女の子の声を聞いた瞬間、ゆゆこは勢いよく振り返った。

だがそこには女の子は消えていて、周りにいた男の子達も消えていた。

————何コレ、どうなってるの…

「ゆゆこ」

戸惑っていたゆゆこに声をかけた女は制服を着ていた。

「さ、冴子…?」

————高校の時の…

ゆゆこは驚きながら冴子に言葉を返す。

「次、被服室だよ」

ゆゆこが辺りを見回すとそこは教室だった。

————ここは私が通っていた学校?

未だに信じられていないゆゆこに冴子は言った。

「そーいえばゆゆこさぁ小説の専門学校行くんだってね」

————これは

「いーねぇ気楽で。よく作家になれる保証もないのに夢にだけむかえるよね。尊敬するわぁ」

皮肉そうに言う冴子の顔は歪んでいた。

————私の「記憶」…

————…そう、思い出した。
     
    私はこいつを見返してやるために、意地でも作家になってやるって決めたんだ

————「辛いならいっそやめてしまえばいい」そう思っても絶対諦めたくなかった

————意地を貫き通すため?夢を守るために目指してたんじゃないの…?

自問自答を繰り返しながらゆゆこは被服室のドアを開けた。

が、そこは被服室ではなく先ほどの店「ARIES」だった。

————あのお店!

「おや、いらっしゃいませ」

そこには四つのぬいぐるみと先ほどの少年がいた。

「こんにちは!」

突然ゆゆこの隣を小さな女の子が通り過ぎた。

「ノート下さい」

その女の子とは先ほどのバカにされていた女の子だった。

————あの時の子!

「ごめんね、今日はもうノート売り切れちゃったんだ」

少年が悲しそうに言う。

するとゆゆこはハッと思い出したようにノートを女の子に差し出して言った。

「このノートあげる!っていうか私、これ返しに来たの。このお店のだから…」

女の子はノートを受け取るが悲しそうな顔で言った。

「…お姉ちゃん、ダメだわ。これ使えないよ」

ゆゆこが驚きながらノートを見た。

「もう、真っ黒だもん」

そのノートは白の部分が無いほど黒に覆われていた。



◆part3 END◆


Re: ユメクイ ( No.6 )
日時: 2010/09/17 23:28
名前: 眠気顔 ◆GgmUTuFzDY (ID: SSNg/Zhu)




◆君拾い part4◆

————うそ、新品だったはずなのに…

驚きが隠せないゆゆこを横目に見て少年が小さく笑った。

「キミの夢のノートはもう、随分悪夢にのまれているね」

すると、ノートの黒い部分が少しだけ無くなりそこから文字が見えてきた。

————これは、私が昔書いていた…

「それ、小説だよね。お姉ちゃん作家さんなの?」

それを見て少女が尊敬の目を向ける。

「すごい!私も童話作家になりたいの!」

少女がゆゆこに夢を打ち明けた。

それを見てゆゆこは気が付いた。
                        ————ああ、そうか

————大好きな物語があった。

    小学4年生の時、初めて通しで全部読めた雲でできた羊に乗って空を渡る少年。

————挿絵も何もなかったけれど、キラキラ輝いて見えた

    本当に夢のような話、でも私もそんな風に…

————そうだあなたは、私だったね

女の子を見て優しく微笑んだ。

だが、それもつかの間、ノートが一気に黒に覆われ物語を書いていた文字はいつの間にか否定の言葉で埋め尽くされていた。

「文字が…!」

ノートから葉のような物が飛び出す。

それを少年はただ見つめながら呟いた。

「ふぅん…。キミの悪夢の正体は『記憶の言の葉』だね。周囲の言葉がキミを染める悪夢になって…」

ゆゆこのまわりが闇で包まれる。

「一気にのまれた」

少年が言葉を吐いた瞬間無数の手がゆゆこを襲う。

「助けて!!」

そんなゆゆこを見て少年は小さく何かを呟いた。

手は動きを止めた。

「一時休止。ボクができるのはここまでだよ」

徐々に少年も闇に包まれていく。

「光無くして闇もまたなし。闇があるのはキミが光を持っているという証」

不気味に笑いながら少年は続けた。

「さぁ、早く見つけて。ボクはキミの悪夢が欲しいんだ」

少年は闇にとけ込んだ。



◆part4 END◆



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