ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Time-machine
日時: 2010/09/19 15:45
名前: まにおる (ID: wetqViQy)

こんにちは!
かなりのんびりペースになるとは思いますが、
楽しく書いていきたいと思います!

タイトルは、「タイムマシン」と読みます。
シリアス部門を選びましたが、実際のところシリアスかどうかは正直自信ありません・・・。
温かい目で、楽しく読んでくれれば嬉しいです!
よろしくお願いします!

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Re: Time-machine ( No.1 )
日時: 2010/09/19 16:08
名前: まにおる (ID: wetqViQy)

Story1 序章 〜スローな日常〜

2009年10月9日

さわやかな秋晴れ。
涼しい風が人々の髪をあおり、
紅葉に彩られた木をゆする。

閑静な住宅街が広がるこの町は、
誰が見ても田舎じゃないし、
誰が見ても都会じゃない。

町の中央に位置する中学校の端っこの教室。
ひとつだけ窓が開いている。

そこから外を眺める一人の少年。

なにやってんだ、あいつは。
まだ授業中だろ。

風はその場所へ、しずかに流れた。



ピュウ
外からの風が、少年の顔をなでた。

中学校の窓から見る景色は、一面に家の屋根が連なると共に、ところどころに植えられた木々が四季折々の色を見せる、3階ならではの景色である。

少年はこの景色を毎日見ている。
でも、飽きるという事を知らなかった。
彼はこの景色が大好きなのだ。

ちなみに、今は国語の授業中。
しかし、彼はそんなこと気にとめてもいない・・・。

Re: Time-machine ( No.2 )
日時: 2010/09/20 12:56
名前: まにおる (ID: mnC5ySyz)

「ここでの主人公の考え、言える者!」

・・・風が気持ちいいなぁ。
今頃、気温は23度位か。ちょうど風が涼しく感じられる陽気だ。
確か、昼休みを過ぎた頃から日差しが強くなるっけ。帽子をかぶって帰らなきゃな・・・。

「手を下げろ、上げてない者を当てる!」

この辺は大きな高気圧に覆われてるって言ってたから、これから数日はずっと晴れるだろうね。

「青田、答えろ!」

あっ、そういえば次の理科の宿題やってない!今のうちに・・・。

「聞いてんのか、青田!」

「あ、はい?」

カバンの中をまさぐっていたときに、少年・・・青田敏は、ようやく先生の声に気が付いた。

「何ですか?」

案の定、全く話を聞いていなかったようである。

「23ページのここ!主人公の考え、答えろ!」

「考え〜?えっと・・・。」

当然、分かるはずはない。
敏は、しばらく悩んだあげく・・・。

「主人公の考えてることなんて、主人公にしか分からないと思います!」

大声で答えた。

「何を言っているんだ!さてはまた、聞いてなかったな?」

聞いてませんよ、あなたの話なんか。
だって、興味ないもの。

敏は内心そう思いながらも、小声で「すいません」とだけ謝った。

あ〜あ、うるさい、うるさい・・・。

教室中にクスクス笑いが広がるのを無視して、敏はまた窓の外に目を落とした。

さっきと、何も変わって・・・ あっ。
学校の前の道を自転車が走ってる。
あの深緑色のカバンは、きっと若葉宅急便の兄ちゃんだな。
・・・って、ちょっと!前、危ない!

「ぶつかった!」

敏は思わず叫んでしまった。
クラスの視線が、再び敏に集まる。
先生が、あきれ顔で敏に言った。

「何がぶつかったんだい?窓に虫でもぶつかったの?
青田君は、そういう細かいところまでよぉっく見てるからねぇ」

イヤミっぽい言い方。
またクスクスと笑いがおこる。

何だよ、僕にかまうなよ。

敏は怒鳴りつけようかとも思った。
けど、相手がそこまでする価値のあるやつじゃないと思って、やめた。
そのかわり、むっとした顔でカバンから理科の宿題を取り出し、先生やみんなが見てる前で堂々とやり始めた。
ある意味、たいした度胸である。
先生も、もう何も言おうとはしなかった。



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