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—王女の戦い—
日時: 2010/10/30 13:29
名前: 茶侍 (ID: tA56XhER)

はじめまして。茶侍チャジと申します。
小説を書くのは今作がはじめてとなります。

色々グダグダになると思いますが、
アドバイスなど頂けると嬉しいです^^
おかしい所などがありましたら、
できれば教えて下さい!

更新は亀より遅いですが・・・
頑張ります。

・゜。・゜・。・゜・。・゜・。・゜・。・゜。・゜・。・゜・。・゜・。・゜・。・゜。・゜・。・゜・。・゜・。・゜・。・゜。

登場人物 >>2

階級 >>3

———————

序章 >>1
第一話【始まり…】>>4>>6>>9

Page:1 2



第一話「始まり…」 ( No.4 )
日時: 2010/09/26 00:12
名前: 茶侍 (ID: tA56XhER)



+第一話「始まり…」+

「いたぞ!つかまえろっ!」

「あっちへ行ったぞ!絶対に逃がすんじゃないぞ!」





ハァ・・・ハァ・・・



とある城の奥、少女のリズムが取れていない息が静かに響いていた…

何も聞こえない・・・ただ、"逃げろ"と本能が言ってる…



「シュナ!シュナ!どこなの!?隠れていないで出てきなさい!」



どこからか大人の女性の声が耳に響いていた…

だが、今はそんなことが頭に入ってくるほどの余裕はない。



—コワイ…コワイヨ…ダレカ!



何かから逃れるようにがむしゃらに走っていく。

どこに行けばいいのかも分からずに、ひたすら…ひたすらに…


(どうしようっ・・・・このままじゃ・・・・!)





走り続けていくうちに、突然腕をつかまれた。



「・・・っ・・・ハァッ・・・やっと・・・つかまえたぞ・・・・ダイヤ国の姫・・・・・」



「・・・・・っ・・・!?」



見ると、やたら体格のいい男性が、少女を担ごうとしていた。

強い力でつかまれた腕は、ふりほどくこともできずに、暴れているだけしか出来ない。



「・・・っくそ!!大人しくしろっ!」



バチンッ!!



乾いた音が響いた—



「・・・・・・っ・・・・」



痛みをこらえて必死に反抗しようとするが、

幼い少女には相手にすることも出来ない力でおさえられていた…



「・・・・・しかたない・・・少し眠ってもらおうか・・・・・」



少女の顔に手が伸びていく—








—————逃・・・・げ・・・・ろ・・・・・・・





「・・・・っ・・・いやッ!」



——助けて!シャナ!ダイチ!



「助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」



建物全体に響くほどの大きな声で、助けを求めながら、しゃがみこんだ。

瞬間、この幼い少女の体からとてつもなくまぶしい光が発せられた。





「・・・・・くっ!!何だ・・・この・・・光は!?」



光につつまれながら、必死に助けを求める・・・・・



そこに、一人の少年が光の中へ飛び込んだ。

否、飛び込んでいるのではない。その光の中へ、ひきよせられていたのだ——



少しずつ薄くなっていく光の中で、一人の少年が幼い少女に手を伸ばす——





「シュナッ・・・・!」



少女は、その少年の声に気づいて、必死に手をとろうとする。



「・・・・・ダイ・・・・チ!」



—ガシッ・・・





手を取り合った2人は、そのまま光につつまれ何も無かったように消えてしまった—————

「始まり…」 ( No.6 )
日時: 2010/09/28 19:55
名前: 茶侍 ◆ejQgvbRQiA (ID: tA56XhER)


ザワッ・・・さぁっ・・・・・

大きな桜の木から・・ヒラヒラ・・・ヒラヒラ・・・
花びらが舞い降りていく・・・





—その花びらをつかもうと一生懸命に手を伸ばしている少女がいた…

「あっ・・・」

(つかまえた…!)

嬉しそうに微笑む少女は、手に入れた花びらをしばらく眺めていた。





(この花びらは…きっと私に何か言いたいんだろうな…でもごめんね。あなたの言葉は、私には分からないの…)


そして…花びらは少女のてのひらから飛んでいく—

「…ぁ!飛んで行っちゃった…」

だが、花びらはそこにいた''誰か''につかまえられてしまった

「朱那?…何をしているんだ?」

「!?…うわぁぁ!!だだだ大地!」


大地という名の少年は、花びらを朱那という少女に渡した。

「この花びらがどうかしたのか?」



昼休み。

学校の裏庭の伝統である桜の木。
誰もいない中で、1人眺めていたところを大地が追ってきたのだ。


花びらを受け取った朱那は、少し戸惑いながら・・・・・

静かに目を閉じ、言った。

「…この、花びらは…私に、何か語りかけているような気がするの」

(おかしいって思われちゃうかな…)



「・・・・・・・・・・・・この、桜の木の花びらか?」



「そうよ。おかしいかもしれないけれど、何か…大事なことを…」



「・・・・・・・」

…無言。



だが大地の場合、この無言は黙って話を聞いてくれるという意味のサインだった。

大地は、普段は口数が少ないが、言う時ははっきり言う人なのだ。



「私って、小さい頃の記憶がないでしょう?いつも…思い出そうとすると、何かに邪魔されてしまう…その、ヒントをくれるような気がして…」



(でも、どうしても思いだせない…私の記憶は、一体どんなものなんだろう…)



しばらく・・・・風の音だけがその場に流れた。





長い沈黙の後、大地はやっと口を開いた。



「そんなに…昔の記憶を思い出したいのか?」





少し、驚いた。いつも黙って人の話を聞くのだが…

めずらしく質問してきた。



「…そう…ね。昔のことはもちろん気になるし…それに…」





朱那は、軽くうつむき苦笑いをしながら言った。



「どうして、本当の両親は私を捨てたんだろう…って…」





瞬間、大地の顔色が変わった・・・・・・・ような気がした。

朱那は気のせいだろうと思い、そのまま続けた。





「今の両親はもちろん好きよ?・・・・・よくしてくれるし、とても優しい…大地も、そう思うでしょう?」



「・・・・・あぁ・・・」



朱那は、今の両親の家の前に捨てられていたのだという。

大地も、朱那が捨てられる半年ほど前に…同じ場所に捨てられていたらしいのだ。





2人の子を養子としてひきとり大変なはずなのに、ここまで育ててくれたのだ。

否。本当のところ、大地は「養子」ではない。

その話を断ったそうだ。

今は、居候として一緒に住んでいる。



そして、大地には記憶がある。

両親のことも覚えているらしい。



それは後になって知ったことだ。

朱那は、小さい頃までは大地も自分と同じで、何も覚えていないのだと思っていた。





そのことを気にして、大地の前では元の両親の話は避けていたのだが、ある日、口が滑ってしまった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

小さい頃・・・・・



「私の本当のお母さんとお父さんは、どんな人だったのかなぁ…」



「・・・・・・・」



「・・・・・・!!!」



沈黙の意味は分からなかったが、大地も同じなのだ。と気づくと涙が出そうになった。



「ぁ・・・ごめ・・・・ごめんね!・・・つらいのは、大地も同じはずなのに・・・・」



「・・・・・・俺は・・・・両親の記憶は・・・・ある」



「えっ・・・あるの!?私と同じで、記憶がなくなっちゃったかと思った」



ホッとした。記憶がないよりはずっといい・・・・両親のことを覚えているのなら、良かった。

それも本音ではある。

だが同時に、【同じ】なのだと思っていたためか少し羨ましく、そして置いていかれた感じがして、寂しくもなった。



「・・・朱那・・・・俺に気を使って、話をしなかったんだろう?」



・・・一瞬、何のことか分からなかった。



「両親の・・・・話・・・別に、俺は両親について何も思っていない。から・・・大丈夫だ」



「・・・・・・・つらく・・・ないの?」



あの時の私は、何故こうもデリカシーのない人間だったのだろう。

だが、そう聞けたのは、大地の目には…両親への感情がまるで見えなかったからだ。



「つらいとか・・・もう・・・よく分からないんだ。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



それからは、たまにふと口に出したりする。

誰かに聞いてほしい時の相談役は、いつも大地だ。





今の両親達に拾われてから大地に会った時も、初対面のはずなのだが、打ち解けやすかった。大地の傍にいると、安心していられたのだ。







————キーンコーンカーンコーン





そこで、始業の鐘が鳴った。



「そろそろ行こうか…大地。聞いてくれてありがとう…」



「あぁ・・・・・・朱那、そういえば朝、母さんに夕飯の材料買ってきてくれって頼まれた。」



「えっ?そうなの?メモかなんか貰ってきた?」



「ああ、これだ・・・・・」



メモを渡すと、そこにはかなりの量の材料がかかれていた。



「あー・・・これは1人では無理だね・・・分かった!!放課後買い物に行こうか!」



「そうだな・・・・」





—————ズキン——



「ぅ・・・っ・・・」



「朱那?どうか・・・したのか?・・・・・・・」





(頭が・・・痛い・・・・・・・・・記憶を思い出そうとすると、邪魔される時の…あの痛み・・・・)



だが、いつもとは違い、すぐに治まったため、ただの頭痛なのかなと思い、気にしないことにした。



「ううん、何でもない!行こうか!授業に遅刻しちゃう!」



・・・・・・・危険を知らせるサインとも呼べるその頭痛とは知らず、これから起こる事を分かるはずもなく、朱那は教室に向かったのだった———









——————————————————



その頃、屋上から2人の様子を見ていた者がいた。



「ふふっ!見ぃつけた♪」



首に、小さいスペードのマークがある少女だった。



「へぇ〜・・・記憶ないんだぁ!でも、力は失っていないようね♪少し眺めていただけなのに、あの察知能力。あれでまた無自覚なのがすごいなぁ・・・・」





にやりと笑う美少女。



「それにしてもダイチ君・・・・あ〜んなにカッコよくなっちゃって♪健気にあの女を守っているのねぇ☆本当・・・・いい子・・・・でも、それも今日で終わりよ。ふふっ!王女様に知らせなくっちゃ♪」



不気味なほどに…そして美しく微笑んだ美少女は、その場から消えた。



—1枚の…黒い羽を残して…

Re: —王女の戦い— ( No.7 )
日時: 2010/09/28 16:17
名前: きり ◆.a2nfBdRuY (ID: 1kkgi9CM)

はじめまして!きりですw
題名に興味を持ったので…
小説いいですね!
続き楽しみにしています^^

Re: —王女の戦い— ( No.8 )
日時: 2010/09/28 18:07
名前: 茶侍 ◆ejQgvbRQiA (ID: tA56XhER)

>きりさん

うをぉぉぉ!!はじめまして!
コメありがとうございますw
なんか更新遅くてすみません;
頑張ります(`ω´)

「始まり…」 ( No.9 )
日時: 2010/10/30 13:28
名前: 茶侍 ◆ejQgvbRQiA (ID: tA56XhER)


暗い、一室の奥…

「王女さまぁ♪いぃ〜い知らせがあるんですけどぉ」


この、魔性女…いや、美少女は、先ほど見たあの光景を話した。

「ほぅ…ついに見つけたか。では、頼めるか?」

美少女が話している相手。
綺麗な黒髪…
大きな、つりあがった瞳…
近寄りがたい、高貴な雰囲気を漂わせる少女…
それはまさしく、「王女」と呼べるにふさわしい女だった。

「ふふっ♪任せてください。あ!そうだぁ…」

「どうした?」

「ダイチ君なんですけどぉ…あの子、私のお気に入りなんですよぉ♪私のものにしちゃっていいですかぁ?」

やはり、魔性女と呼んだほうがよさそうだ。

「構わん。あいつ…シュナリィさえ捕まえることができれば…」

「あは♪相変わらずダイヤ国クイーンのことが大嫌いなんですねぇ」

ぎろり…
冷たい視線が突き刺さる。

「口を慎め。お前は素直に私の言うことに従っていろ」

「ごめんなさぁい…」

シュンとして俯く。

「…まぁいい。では頼んだぞ…スペード国【役職5】…ラム。」

「了解です♪」

ラムはその場から消え、王女一人が残った。

これから始まる悲劇を目の前にして、冷静な顔をしながら…かつての敵国のQを思い出す。

「今度こそ…必ず…」

どこにでもなく、自分に言い聞かせるようにつぶやき、王女は静かに目を閉じた。


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