ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- お店屋さんごっこ
- 日時: 2011/01/05 17:18
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: vCVXFNgF)
どうも、初めましてのお方もいますね。九龍です。
今回は、七大罪とかをテーマでかいてみようと思います。
ショッキング、暴力表現ありです。
ここからは注意です。
荒らし・チェーンメールは歓迎しません。禁止です。
あと、僕が嫌いな人は見ない方がいいです。
最後に……。僕に文才という言葉の文さえあるかどうかはわかりません。自己判断でお願いします。
グロ表現あり。と言っても、結構控えてる方だと思いますが。でも、苦手な方は見ない方がいいと思います。
……残ってくれるんですか?
できれば、本文も読んで言ってくださると嬉しいです。
目次
- Re: お店屋さんごっこ ( No.11 )
- 日時: 2011/01/08 19:38
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: fsu3Q4nP)
あぁ、服、汚れちゃった。
お兄様の言った通りにしていれば、服も汚れなかったのかなぁ。
今度から、お肉を切るときは、ちゃんとエプロンをしなくちゃ。
お兄様からもらった、このワンピースも、変な色になっちゃった。
真っ白なシフォンワンピース。服屋さんのお店で見たときに、一目で気に入って、お兄様に買ってもらった、このワンピース。
真っ赤になっちゃった。お兄様に、怒られちゃうのかな。
お兄様に怒られる。そう考えるだけで、頬が熱くなり、鼻はつぅんと痛くなる。
目に、何か熱いものが込み上げてきた。
お兄様はこれを、涙といった。
涙を流しているってことは、私は泣いているってことなのかな。泣いているってことは、私は、悲しいの?
そう、だよね。お兄様に嫌われちゃったら、私は生きていけないんだから。
ごめんなさい、お兄様。ワンピース、汚しちゃった。ごめんなさい、ごめんなさい。
「凛、どうしたの? なんで、泣いているの?」
声がした。優しくて、やわらかく歌うような声。お兄様の声。
見上げれば、いつものように微笑んだお兄様。
ごめんなさい、私、ワンピースを汚しちゃった。
お兄様、お兄様。ごめんなさい。私を捨てないで。私の事、嫌いにならないで。
「あぁ、そのワンピースも汚しちゃったの? 今度からは、ちゃんとエプロンをつけないとだめだよ」
「ごめんなさい、お兄様。ごめんなさい、ごめんなさい。私の事、嫌いにならないで」
私はお兄様の服を掴み、何度も何度も謝る。
謝る声は震えていて、息を深く吸うたびに途切れる。
喉がカラカラになって、上手く喋れない。涙をこらえるたびに、息が苦しくなって、短く、だけど口いっぱいに息を吸った。
「大丈夫だよ。泣かないで。ね、凛」
お兄様はそう言って、私の頭を優しく撫でた。
今日も、お兄様は優しい。こんな私のことを抱きしめて、私の望む言葉をかけてくれるんだから。
お兄様は私の背中を撫でながら、私の足元をチラリとみた。
「ねぇ、凛」
「なんですか、お兄様」
私が首をかしげながら聞くと、お兄様はやわらかに微笑み、床に落ちているお肉を指差す。
「このお客さんは、確か指名手配犯だったね。今日、テレビに出てなかった?
けがはないかい? 凛、お前はまだ十三歳の女の子なんだから、この人と遊んじゃいけないでしょ。この人は、悪い人なんだよ。
でも、お仕事、よく頑張ったね。この人の肉は、上等だ。この人と切ったときの血で、お前のワンピースも汚れたんだろ」
お兄様の言うことに、私はただただ頷くだけだった。
酷く汚れた床に横たわっているのは、もうお客様じゃなくて、ただのお肉。
お兄様の作る弁当の、食材だわ。
すぐ隣にある、汚れたテーブルには、赤い液体のついた包丁。
お兄様は、この液体を血と言っていた。
私が泣きやむと、お兄様は立ち上がり、流し台の前に立った。
「凛、ちゃんと手を洗って。じゃないと、風邪をひいちゃうよ」
お兄様はそう言って、手招きをする。
私は急いで立ち上がり、駆け足でお兄様のところへ行った。
「あぁ、そうそう」
私が蛇口をひねると、お兄様は何かを思い出したように、声を上げた。
「さっき、ワンピースのことで泣いてたみたいだけど、大丈夫だよ。赤いワンピースも、綺麗だから」
お兄様はそう言って、私に微笑みかけた。
赤いワンピースが、綺麗なんですか。
それなら、また、エプロンをつけないで、お客様と遊ぼうかなぁ。
だって、そっちの方が、綺麗なんでしょう?
私はそう思い、お兄様に聞こえないように、小さな声で笑った。
- Re: お店屋さんごっこ ( No.12 )
- 日時: 2011/01/08 20:02
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: fsu3Q4nP)
今日の夕食は、オムライス。今日切ったばかりのお肉をつかって、お兄様が作ってくれたの。
少し汚れたテーブルにのせられた、二人分のふんわりとした卵のオムライス。
お兄様はそのほかに、サンドイッチと彼岸花のサラダを作っている。
私は4つある木の椅子のうちの一つに座って、テーブルに置いてある銀のスプーンを手に取り、オムライスを一口食べた。
甘いケチャップライスと、まだ温かいふんわりとした卵は、とてもおいしかった。
お兄様はサンドイッチを作り終えると、冷蔵庫の近くにある赤ワインを手に取った。
赤ワインを手に取ると、お兄様はポケットに手を入れ、小さな袋に入った雪のように白い粉を取り出す。
「お兄様、それはなんですか?」
私はいったんスプーンを置き、そう聞いてみた。
お兄様は赤ワインに白い粉を入れ、よく振りながら、私の質問に答える。
「これはね、カンタレラというものだよ」
「カンタレラ?」
私が首をかしげると、お兄様は赤ワインをテーブルに置き、流し台のすぐ隣にある食器棚から、スプーンを取り出す。
お兄様は私の向かいの椅子に座り、オムライスを一口食べる。
「カンタレラというのはね、お酒に入れると、そのお酒がとても美味しくなる、魔法のお薬なんだ」
「魔法の、お薬?」
私が首をかしげると、お兄様はスプーンを動かす手を止めて、真剣な表情をして、私を見た。
「そう。だけどね、このお薬を入れたお酒は、決して飲んではいけないよ。凛はまだ未成年だしね」
いつも笑っているお兄様があんなに真剣な表情をするので、私は少しびっくりしながらも、こくんと頷いた。
お兄様があんなに真剣になるんだから、あのお薬を飲んだらいけないんだ。
でも、あのお薬を飲んだ人は、どうなっちゃうんだろう?
私はそう思いながら、空になった皿とスプーンを流し台に持って行った。
お兄様も空になった皿とスプーンを流し台に持っていく。
洗面台に置いた皿に洗剤をかけてから、お兄様は先ほど作ったサンドイッチとサラダが入った弁当箱を数個持って、私の方を向く。
「凛、今からこの家の地下にいる人達にご飯をとどけに行くんだけど、僕の手は両方ともふさがっちゃってさ。
悪いけど、ワインを地下にいる人達のところに持ってきてくれないかい?」
お兄様は申し訳のなさそうな顔をしながら、そう言う。
私は笑顔でうなずき、駆け足でお兄様について行った。
- Re: お店屋さんごっこ ( No.13 )
- 日時: 2011/01/09 21:33
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: gzQIXahG)
地下へ続く階段を下りて行くと、冷たい空気が肌をなでる。
上の階は温かいけど、地下はとても寒い。地下には、暖房もなにもないから。
私はワインを落とさないよう、しっかりと抱えながら、階段を下りる。
最後の一段を下りると、あたりがとても明るくて、目がちかちかした。
階段には明かりになる物はなかったから、お兄様の持っている懐中電灯の光を頼りに歩いていた。
なので、突然明るいところに出ると、目に光る矢が刺さったようだ。
「みなさん、夕食の時間ですよ」
お兄様が大きな声でそう言うと、鉄格子越しに、いろんな人の顔が見えた。
鉄格子の中の部屋は真っ暗みたいで、なんだかとても怖い。
鉄格子の中にいる男性と、一瞬目があった。
すると、腕に赤い字で七十八と書かれた男性が鉄格子を掴み、大声で叫んだ。
「おい、ここから出せッ!」
男性は鉄格子をゆすりながら、喚く。
私は怖くなって、お兄様の後ろに隠れる。
「あぁ、駄目ですよ。七十八番さんは、もう少しここにいてくれないと」
お兄様はくしゃりと微笑みながら、大声で喚く男性に弁当を差し出した。
七十八番の男性は不満そうな顔をしながらも、弁当を受け取る。
「凛、こっちへおいで。この人に、ワインを飲ませてあげて」
お兄様が手招きをするので、私はお兄様のところへかけて行った。
私はしゃがんでワインを床に置く。七十八番の男性とはなるべく目が合わないよう、目を伏せて。
お兄様は手に持っている弁当を床に置き、ワインを七十八番の男性に手渡す。
「凛、お前はその弁当をみなさんに配ってあげな」
お兄様はそう言って、床に置いた弁当を半分持って、部屋の奥へと歩いて行く。
私はここで弁当を配ることにした。
……あれ?
なんで、この弁当は、七十八番の男性にあげた物と違うものが入っているの?
私のもった弁当に入っていたのは、トマトとレタスとハムをはさんだサンドイッチと、ハンバーグ。
私が七十八番の男性の方を見ると、男性はワインを飲みながら、お兄様が作った彼岸花のサラダを食べている。
私は首をかしげながらも、他の人たちに、弁当を配った。
- Re: お店屋さんごっこ ( No.14 )
- 日時: 2011/01/09 21:46
- 名前: 友美 (ID: jklXnNcU)
なんかおもしろい!!
不思議な話ですね〜
お気に入り追加〜☆
- Re: お店屋さんごっこ ( No.15 )
- 日時: 2011/01/16 19:19
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0T2ECwzo)
友美様へ
ははは、不思議ですか。
お気に入り追加、ありがとうございます。感謝します。
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