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- キミが、目の前で死んでゆく。
- 日時: 2010/09/29 17:17
- 名前: 相生 ゆうこ ◆pn5.bJo696 (ID: NzSRvas.)
- 参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/book01.html
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私の小説サイトです。お気軽にどうぞ!!
今回で、カキコに載せる作品は3作目です。
まだ未熟ですが、温かい目で見守ってやって下さい。
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- Re: キミが、目の前で死んでゆく。 ( No.1 )
- 日時: 2010/09/29 17:24
- 名前: 相生 ゆうこ ◆pn5.bJo696 (ID: NzSRvas.)
- 参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/book01.html
プロローグ『僕は何も知らない。』
___どうして、人はイジメをするのだろう。
僕には分からない。罪の無い人が傷つく意味が。
そして、それを周りが笑う理由も。
全てが分からない。
・・・・・僕には何も。分からない。
ある少女が言った。
『自分には生きる資格なんか無い』と。
嘆きながら、喚きながら、僕に縋り付いてきた。
でもそんな少女を…僕は…
〈そうかもね。キミには生きる資格が無いのかもね。〉
———そう言って見放した。助けてあげなかった。
それが正しいと思った。それで良いと思った。
僕の言葉を聞いた少女は、涙を浮かべて走り去った。
そんな時、僕は…
僕には関係ない。何も知らない。
そう自分に言い聞かせていた。
- Re: キミが、目の前で死んでゆく。 ( No.2 )
- 日時: 2010/10/01 17:56
- 名前: 相生 ゆうこ ◆pn5.bJo696 (ID: NzSRvas.)
- 参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/book01.html
†/登場人物
*新羽田 章(アラハタ ショウ)
主人公。
争い事や面倒な事には関わらない。
あくまで、“自分を守る為”。
*高柴 李佐子(タカシバ リサコ)
イジメを受けている少女。
『死にたい』という願望が強い。
章に助けを求めた。
*渠口 さぁや(ミゾグチ サァヤ)
李佐子をイジめている張本人。
みんなの前では、優しいが
李佐子の前では・・・
*天乃 悠(アマノ ユウ)
たくましい美少女。
少し冷たいが、根は優しい。
だが、李佐子の自殺を止めようとはしない。
- Re: キミが、目の前で死んでゆく。 ( No.3 )
- 日時: 2010/10/02 13:38
- 名前: 相生 ゆうこ ◆pn5.bJo696 (ID: NzSRvas.)
- 参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/book01.html
第一話『死にたがりの少女』
僕・・・新羽田章は、喧嘩や争い事は嫌いだ。
嫌いと言うよりも、面倒だから。
イチイチ、先生に相談したり。保護者が呼ばれたり。
そんな面倒な事が起きる、争い事などは御免だ。
なのに、どうしてこの少女は僕を頼ってくる。
関わりたくないのに。
イジメなんて、自分で解決すればいいじゃないか。
僕が、どんなにそう願っても…
この「高柴李佐子」という少女は、僕を放してくれない。
李佐子『お願い!助けて…イジメられてるの!』
そう叫びながら、僕の手を握り締めてくる。
目には涙が浮かんでいる。
章『僕には、何も出来ないんだ。こんな頼りがいのない僕なんか…』
李佐子『ううん、章くんは頼りがいがあるよ!だから助けて!!』
・・・なんと鬱陶しい。すごく迷惑だ。
そんな時、1人の少女の声が聞こえてきた。
『李佐子ちゃ〜ん?何処に行ったのかなぁ?』
その声を聞いた高柴は、更に焦った。
李佐子『章くん!助けて!!渠口さんが来る!』
渠口さんとは、高柴の事をイジめている少女だ。
フルネームは「渠口さぁや」。
家は大金持ちで、父親は大手会社の社長。
その上、高柴以外の人の前ではとても優しい。
だから皆には人気者なのだ。
さぁや『李佐子ちゃ〜ん?私から逃げる気…?』
渠口さんの声が響いてくる。段々と近づいてくる足音。
ふと、後ろを振り向くと…
さぁや『やーっと、見つけたぁ…。李佐子ちゃ〜ん☆』
渠口さんはそう言うと、高柴の髪の毛を引っ張る。
さぁや『探すのに、どれだけ苦労したと思ってるの?』
高柴のストレートで長い黒髪を
思いっきり引っ張る渠口さんは、淡々と話し続ける。
さぁや『探したのよ?李佐子ちゃん。さぁ、おいで。』
李佐子『いや!やめて下さい!!』
さぁや『そういえば…さっきからそこに居る少年は、
だぁれ?』
僕のことだ。一切関わりたくないのに。
僕が黙っていると、高柴が話し始めた。
李佐子『この人はねっ、私を助けてくれる…』
高柴がそう言いかけた時
章『僕は…全然、高柴とは関係が無いです。』
・・・僕は嘘をついた。
高柴は、僕に助けを求めてきた。
だから…僕は関係無いわけではないのだ。
なのに僕は、高柴を見放した。
“面倒だから”・・・その理由で。
でも、罪悪感は全く感じなかった。
僕は無関係なんだから。そう思い込んでいるから。
僕は自分さえ守れれば、それでいいんだ。
自分さえ…守れれば___。
- Re: キミが、目の前で死んでゆく。 ( No.4 )
- 日時: 2010/11/19 16:46
- 名前: 相生 ゆうこ ◆pn5.bJo696 (ID: NzSRvas.)
- 参照: http://bbs1.sekkaku.net/bbs/book01.html
・・・優等高校。
その名の通り
『皆に優しく、皆に平等に。』
これが、この高校のモットーと言えるだろう。
いつも朝礼の時に校長が、この言葉を必ず言う。
他の学校や周辺地域の人から見れば、とても素敵な学校だと思うはず。
・・・でも、実は違って。
不良の溜まり場だったり。
教師は生徒を虐待。
イジメは頻繁に起こり。
不登校生徒が大勢いて。
そして何より…
自分勝手なヤツが多いんだ。
それを、僕は知っている。
僕は争う事が大嫌いで、小さい頃から喧嘩には関わらなかった。
でもこの学校に来てからは…
関わりたくなくても、関わらなきゃいけなくなってしまった。
僕に縋り付いて、喚く五月蝿い女。
その女をイジめている、お嬢様気取りのバカ。
そして、それを見ている周りのクソ共。
僕は、そんな奴らを見ているだけで嫌なのに。
・・・なんでコイツに関わってしまった…?
高柴に何故関わってしまった?
いや、関わりたくて関わったんじゃない。
コイツが関わってきたんだ。
僕を巻き込んだんだ。
だから、僕は自分を守りたくて。
関わりたくなくて。
『僕は…全然、高柴とは関係が無いです。』
・・・そう、口にしてしまって。
そしたら、高柴のやつ…
泣き崩れやがって。嘆きやがって。
李佐子『…っどうして・・・?』
章『どうして、って…言われても…』
李佐子『章くんは私を助けてくれるんじゃ…』
章『…助けないよ。』
僕は、そう言って立ち去った。
いや・・・逃げ出したんだと思う。
別にいいんだ。僕は無神経な人間。
・・・感情が無いようなものだ。
それから、3日が経った。
学校内はいつもと同じで。
不良はタバコを吸い、
イジメは所々で起き、
生徒は傷だらけ。
・・・最悪な学校だな。
放課後、僕は教室でイスに座り…
ただ、ただ、考えていた。
そういえば、高柴は…
あの後、どうなったんだろうか。
渠口に、コテンパンにされちゃったのかな。
・・・まぁ、いいか。僕には関係ない。
そう心の中で思っていた、その時…
〈貴方は、そうやって生きていくんですか。〉
・・・透き通った声がした。
とても大人っぽく、自信に満ち溢れたその声。
…そこには、1人の少女が立っていた。
髪の毛はショート。つややかな真っ黒の髪。
キリっとした目つき。真っ黒な瞳。
そんな、カッコいい少女が僕を睨んでいる。
章『…だれ、ですか・・・?』
『名乗らなきゃいけませんか。』
章『まぁ…一応知りたいから…』
僕が怪しげに見つめると
その少女は溜息を吐き、ゆっくりと話出した。
『私の名前は、天乃悠。
貴方と同じクラスですよ…?』
・・・え?
こんな子、居たっけ…
確かに、暗い感じの子が1人居たけど…
まさかその子が………
悠『暗すぎて、気付きませんでしたか。』
章『…!やっぱり、あの暗い子は…』
悠『多分私です。』
・・・そうだったんだ…。
ビックリしたな。あんな暗い人が、こんなに美少女なんて…
悠『…そういう事、考えないでくれます?』
章『…え?そういう事って??』
悠『女性として見ないでくれます?
美少女とかそうじゃないとか、
そういう嫌らしいことを…』
章『・・・ごめん。』
…見透かされてた・・・。
本当に何者なの、天乃さんて…。
悠『んで、行かないんですか?』
章『え…何処へ…』
悠『高柴さんの御見舞いですよ。』
・・・天乃さんの話によると、
高柴は、この前渠口にイジめられてから
学校には来ていないらしい。
他クラスだったから、気付かなかったけれど…
まさか不登校に…?
章『…でも、何で僕が見舞いに??』
悠『貴方も関係しているのでしょう。』
章『何に…?』
悠『この前のイジメに。』
・・・そうだった。
僕も、一応関係してるんだ。
悠『…はぁ。自分が関係してた事さえ忘れたんですか。ボケですか?』
章『違うよ!憶えてるけどさ…』
悠『憶えてるんなら、さっさと行きますよ。』
天乃さんは僕の手を引き、教室を出た。
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