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- 嘘物語-Lie Story-
- 日時: 2010/10/03 19:03
- 名前: R-Gray (ID: uI/W.I4g)
- 参照: http://r-gray.jp
初投票です。
できるだけ楽しんで読めるようにつくります。
温かい目で応援してください。
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- プロローグ ( No.1 )
- 日時: 2010/10/03 20:19
- 名前: R-Gray (ID: uI/W.I4g)
- 参照: http://r-gray.jp
「ん・・・ここは・・・・?」
そこには見慣れない景色があった。
「どこだろう・・・?わからない・・・・」
僕は懸命に辺りを見渡したがなにも思い出せない・・・。
どうしてだろう・・・?
そんな疑問が浮かんでいた。
「ここは「君はまだ思い出さないのかい?」・・・!!??」
僕が辺りを見渡す最中、後ろから黒のローブを着て顔をフードで隠している男が立っていた。
「誰だ!?」
僕は警戒し、男に剣を構えた。
「君は・・・いや、まだ言わないでおこう・・・。君は思い出さなきゃならない・・・。大切な人が・・・君の目覚めを待っている・・・。君にとって・・・大切な人が・・・。」
「何をい———」
ザンッ・・・!!
鈍い音が僕の体から聞こえた・・・。
僕は男から腹を刺されたのだ・・・。
「君はいつか・・・全てを思い出す・・・でも、どうか挫折しないで・・・『現実』から目を背けないで・・・。」
確実ではないが、その男の頬には一筋の涙が流れていた・・・。
まるで・・・
僕に縋るように・・・——————。
- 嘘第一日 ( No.2 )
- 日時: 2010/10/03 21:34
- 名前: R-Gray (ID: uI/W.I4g)
- 参照: http://r-gray.jp
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
急に大声を出して目覚めた。
最悪の目覚めだ・・・。
いい年こいて悪夢に魘され、あげくの果てに大声を出して起き上がるとは・・・。
全く、恥ずかしいことこの上ない。
僕は起き上がり帝国軍の軍服へと着替え、外に出た。
行先は決まっている。
帝国軍・本部だ。
僕は門の前にいる門兵に自分の身分を証明し、本部へと入った。
「ゼロ隊長、おはようございます!!」
軍兵の三級兵の人がいつものように挨拶をしてくる。
この軍の階級は一級、二級、三級というように決まっている。
その中で僕は帝国の一級兵の軍をまとめる数少ない隊長なのだ。
挨拶されて当然だ。
しかし、ここ最近僕は何故か違和感を感じた。
僕に対しての態度というか、生活的な感じ。
僕がこの軍に入った最初の頃、僕は軍の人間にこっ酷く恐れられていた。
理由を聞いてみたが、何かの話をして質問を逸らされた。
今はここに入って2年、やはり僕に慣れてきたか、今では尊敬の的にされている。
少し納得いかないところがあるが、尊敬の的にされているので悪くないと切り替えている。
そんなことを考えているなか、後ろからいつもの声が飛びついてきた。
「ゼェーロッ!!」
「グハッ!!・・・また貴女ですか、シルフィ・・・毎回毎回懲りないですね・・・(汗)。」
僕に飛びついてきたのはシルフィ、今年の軍入団試験でトップで入団した女性。
16歳という若さで他の入団受験者に圧倒的の差を見せつけ、今では帝国軍の期待の新人である。
そんな彼女の日常の決まりごとは僕を見つけたら背中に飛びついてくるという、なんとも迷惑極まりないことなのだ。
「で、今回は何の用ですか?」
僕はシルフィから離れ、要件を聞いた。
「あ、そうだ。軍長が呼んでいたよ?今から軍長室に来るようにだって!!ゼロ何かしたの?」
「貴女じゃないのでそれは確実に違います。では、これにて失礼。」
「むぅ・・・そんな酷いこと言わなくていいのに・・・。」
シルフィはそんなことをぼやいたがこちらには時間がないのでその場を去った。
- 嘘第一日 ( No.3 )
- 日時: 2010/10/04 15:07
- 名前: R-Gray (ID: W6MelwHU)
- 参照: http://r-gray.jp
僕は軍長に呼ばれたと報告が入ったので、軍長室へと向かった。
軍長室の前に立ち、僕はノックを二回鳴らした。
「入れ。」
中からそう聞こえ、僕は軍長室へと入った。
「お呼びでしょうか軍長?」
「おぉゼロよ、よく来た。これを見てくれ。」
軍長は僕に資料を渡した。
「これは?」
僕は軍長に質問した。
「最近、帝国の評判が悪くなっていることを聞いているだろ?これはその資料だ。」
「それで?」
「あぁ、それでお前に帝国の評判を良くしてもらいたいのだ・・・頼めるか?」
「できる範囲をやります。」
「では頼んだぞ。」
軍長は真剣な眼差しで僕をみた。
「大丈夫ですよ軍長、僕がなんとかしてみせます・・・。」
僕はそう一言残し軍長室を出た。
「どうだった?」
シルフィは何故か顔をニヤケさせながら僕のほうに近づいてきた。
「いえ、ただのお願い事です。帝国の評判を良くしてほしいとのことです。」
僕は丁寧に説明した。
「ふぅん・・・面白そうだね、僕も行こうっと!!」
「はぁっ!?」
僕はシルフィの言った発言で思わず度肝をつかれた。
「何?僕じゃ嫌なの?」
シルフィは頬を膨らませて言った。
「当然です。貴女何しでかすかわからないのでついてこないで下さい。」
「何それぇ!?まるで僕が問題児みたいじゃないか!?」
「その時点で貴女はもう問題児です。(ちょっとは自覚しろよ・・・。)」
僕は冷たい目で彼女を見た。
「むぅ・・・こうなったら・・・軍長!!」
「ん、どうした?」
なんでいる・・・(汗)
「ゼロ一級兵隊長が僕を任務に同行させてくれません!!軍長もなんか一言言ってやって下さいよぉ・・・。」
シルフィは目に涙をためて上目づかいで軍長に甘えるように言った。
「うーん・・・しかしゼロ一人でもできる仕事なんだがなぁ・・・。」
軍長ナニ悩んでいるんですか・・・(汗)
「お願い、軍・長?」
「グハァッ!!??」
軍長は鼻血を出して吹っ飛んだ。
嫌な予感がする・・・(汗)
「クッ・・・仕方ないな、ゼロ、軍長命令だ。シルフィと仕事をこなせ。」
「チッ・・・糞変態団長が・・・(怒)」
「なんか言ったか!?」
「なんでもありません。それでは任務へ行ってきます。シルフィ、行きますよ?」
僕はシルフィの腕を掴んで外へ出た。
「ねぇ、これからどこ行くの?」
シルフィはニコニコしながら質問してきた。
「まずは帝国の評判を良くするため、帝国の近くの国を一つずつ我々の一日一膳活動をするんです。」
僕はシルフィにわかりやすく言った。
「ふーん、なんかワクワクするね?」
「これは遊びではないので真面目にやってください。」
「ゼロっていっつも真面目だよねぇ〜、疲れないの?」
シルフィは不思議そうに僕を見た。
「そんなに国の為に仕事を尽くすのが不思議ですか?」
「いや、ただなんでも真面目にやりすぎると体がもたないよ?」
シルフィは心配そうに僕にそう言い放った。
その言葉はどこか懐かしさを感じた・・・。
(真面目に・・・やりすぎると・・・・・体に・・・毒・・だよ・・・?)
「ティー・・・。」
「ゼロ?」
「へっ?」
「大丈夫?」
シルフィにそう言われた後、僕の頬には一筋の涙が流れていた・・・。
「大丈夫だよ、つらい時は僕がついているから・・・。」
「シルフィ・・・すいません、大丈夫ですよ?」
僕は涙を拭ってシルフィに笑顔を見せた。
何故か僕の笑顔を見たシルフィは顔を赤く染め下に俯いた。
「どうしたんですか?」
「な、なんでもないよ!?」
「そうですか、疲れたら言って下さいね?」
「うん、わかった・・・。(その笑顔は反則だよ・・・///)」
僕はシルフィが何故恥ずかしそうにしているかはわからないが、僕はそんなことを気にせず前へと進んだ。
ここから進む道に不幸が待ち受けていることも知らずに僕たちは足を前に進めたのであった・・・。
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