ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- P.otencial〜異能のチカラ〜
- 日時: 2010/10/05 09:00
- 名前: ツェベリンスキー (ID: WWouN6/z)
どうも、ツェベリンスキーと申します。
小説を書くのは初めてですが、以後お見知りおきを。
舞台は、現実世界の超能力サスペンスモノです。
某『とある魔術の〜』などといったエスパーモノが
好きな作者です、その手のものが好きな方も嫌いな方も是非読んでいただきたいです!
第一話 『消された村。消された歴史』
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- Re: P.otencial〜異能のチカラ〜 ( No.1 )
- 日時: 2010/10/04 06:40
- 名前: ツェベリンスキー (ID: WWouN6/z)
「Где они!?」
「Найти!」
時は1977年。 まだロシアが『ソビエト連邦』という国だった時代———————————
連邦東部の、ウラジオストックの外れの雪原。
銃を持ち武装した数十人の兵士達が、雪原を掻き分けながら進む。
必死の形相で、声を荒げながら何かを追い、探しているようだった。
人力だけではなく 上空にはヘリコプターまで飛び まるでハリウッド映画のワンシーンだ。
その数百m程先の、針葉樹の林の中に 彼らの追っている者達は逃げ込んでいた。
「おい、しっかりしろ!!近くに村がある、そこまで逃げこもう・・・・」
二人の男。一人は東洋人、一人は白人というコンビが太い針葉樹の一本に寄りかかっていた。
どちらも、銃弾を複数体に受け負傷し まっ白な雪原に
赤い血のラインを残しながら進んでいた。
「ハヤミ・・・・俺はもう駄目だ、お前だけでも・・・・・」
白人の男のほうがそう告げる、明らかに消耗が激しかった。
出血量がピークに達し、体からみるみる体温が失われていった。
「おい、ビクトル・・・何言って・・・・」
ハヤミと呼ばれるその男が返したその言葉は、すでにビクトルには届かなかった。
彼の手は生気を無くしガクンと落ち 2度と帰れぬ場所へと彼は旅立ってしまった。
クソッ、と残されたハヤミは舌打ちし相棒の亡骸を木に寄りかからせ 村の方向へと進んでいった
しばらく歩くと林が途切れ、目指していた村が見えてきた。
未だに名残の雪が残り、寒さが続いてはいるものの
春の訪れを少しずつ感じる季節。このコピルチ村は、少しずつ人々の希望と喜びに包まれようとしていた。
村では、村の住民たちが 春を迎える為の祭の準備に明け暮れていた。
街道の木々に、色とりどりの電飾やオーナメントが飾り付けられていく。
「アリョーシャ、こっちにおいで!お家に帰ってご飯にするわよ。」
コートにマフラー…防寒具で完全防備の母親が、子供の名前を呼ぶと
人込みをかきわけて、小さな男の子が母親に向かって飛びつき
顔を彼女の体に埋めた。暖かく、ふわふわとした母親の温もりに
彼は甘えていた。
「ママ、今日のご飯は?」と無邪気に少年は聞く。
「ボルシチとカーシャ(ロシアの麦粥)よ。」と母親が言うと、少年は苦虫をイー、と
苦虫を潰したような顔をして母親に抗議をする。不満そうな我が子を母親がどうなだめ様か苦心していると、
突然 パンパンッパンッ という音と共に 村の外れから花火が数発 祭本番での練習の為に打ち上がる。
赤、黄色、緑、色とりどりの空に浮かぶ花に 不機嫌そうだった幼子の顔が途端に笑みに包まれる…
世界中、どこにでもあるような幸せな光景 本当に本当にありふれた平和な光景だった。
あと数時間後、その平和が音を立てて崩れ落ちるとは、その時点では誰も思わなかった。
「ママぁ、あそこに誰か倒れてるよ!」
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