ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 墓場騎兵の黙示録
- 日時: 2010/10/05 23:01
- 名前: agu (ID: NHSXMCvT)
息抜きでやってみます。
文才は無い、覚悟したまえ!
……いや、本当に無いですよ?
*
これは空やら地上やら海やらを駆ける兵士達の物語。
彼らは「ショック・トルーパー」とも「皆殺し部隊」とも、そして「髑髏連隊」と呼ばれる事もある。
あるいはその風貌から「死神」……と揶揄される事もあった。
そんな彼らは軍において最も強力な打撃能力を有している。
そして恐怖の象徴でもあるのだ。
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- Re: 墓場騎兵の黙示録 ( No.1 )
- 日時: 2010/10/04 18:08
- 名前: agu (ID: NHSXMCvT)
「こちらヴォルチャーグ3号機。現在、作戦ポイントまで順調に飛行中」
「了解、3号機。もうすぐ“ゲスト”が到着する、ヘマはするなよ」
「安心しろ、ジャック。裏に乗っているのは正真正銘のエキスパート達だ」
鉄の双翼を持つ“鳥”「C4ライコネン輸送機」は曇り気味の空に浮かぶ、暗雲をひたすらに切り裂きながらその空路を進む。
“鳥”の内部には、全身、頭から爪先まで、禍々しい程、黒い、ひたすら黒い“鎧”に身を包む兵士達がいた。
肩には凶悪な雰囲気を漂わせている“長物”———俗にMG42と呼ばれる軽機関銃を立て掛けている。
その“兜”いや正しくは“フルフェイスヘルメット”と言うべきだろう。
何故ならばその頭部は全て、その黒一色のヘルメットに覆われ、防護されている。
口に当たる部分には、呼吸の為かガスマスクの吸引部分の様な長い管が装着されており、背中にあるバックパックに繋がっていた。
ただ、しかし人間の目に当たる部分には、無機質な紅い双眸が光る。
それはヘルメットに組み込まれている赤外線生命判別装置「スフィア」の影響による物だ。
その無機質な紅い“目”そして顔を覆うガスマスクとヘルメットが合体した様な形状の黒一色の“兜”「リンクスM45ヘルメット」
身体を包むのはこれまた漆黒の“鎧”、正式名称は機動歩兵第1種装甲戦闘服、それはまた多くの者から「イージスアーマー」と呼ばれている。
傍から見れば、それは“死神”の様だ————
「後、数十秒で作戦ポイントに到達する」
「イージス」に装着された無線機、そこからパイロットの緊張気味な声が兵士達の耳に伝わる。
「小隊!降下準備!」
一人の兵士がその座席から立ち上がると、彼からくぐもった、しかしはっきりと良く通る声がその場に響く。
それと同時に、ひたすら黙して座っていた兵士達は一斉に立ち上がる。彼らは整然とその身体を輸送機の後部に向けた。
兵士達はMG42を肩にしっかりと固定し、背中に付いているバックパックを調整する。
やがて物音が無くなり、“リンクスM45”から聞こえる特徴的な呼吸音以外、何も聞こえなくなった。
小うるさい警報と共に後部の積み降ろし口がゆっくりと開かれる。
高度の風が猛威を奮い、そこから飛び降りようとしている“死神”達を引き裂こうと邁進し、彼らの恐怖を煽ろうと金切り声をあげた。
しかし、彼らのただ一人としてそれに臆した様子の者はいない。
先程、降下準備の合図を出した兵士が右手を挙げる。彼の“リンクスM45”には特徴的な白い線が横に三つ引かれていた。
恐らくこの小隊の隊長なのだろう。
兵士達が積み込み口の手前まで、その足を進める。
小隊長は言った。
「Go」
許可を受けた兵士達は、次々と右と左から縦隊になって小隊長の脇を走り抜けていく。
誰もいなくなった貨物槽を確認すると、彼は背後にくるりと回る。
そして、その“空”に身を任せる様に————飛んだ。
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