ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

PSI
日時: 2010/10/16 18:16
名前: ゆじろ (ID: 84ALaHox)

超能力の話です。
暴力的表現もあると思います。
ので一応注意書き。

:PSI(サイ)
超能力現象全般をさす。
ギリシャ語で23番目のアルファベット。

そんなはなし。

Page:1



Re: PSI ( No.1 )
日時: 2010/10/16 18:18
名前: ゆじろ (ID: 84ALaHox)

 小さいころ、俺にはたぶん超能力があった。
 人の心を読むことができていた。読むというよりは無意識に聞こえてしまう、制御なんてできない不便な超能力だった。保育園ぐらいのころは自慢したくてたまらなかったこの能力も、小学校にあがってからは邪魔になった。
 聞きたくない悪口も、人の本音もすべて聞こえてしまうのはとても辛くて、小学生のころはいつも「こんな能力消えてなくなれ」と思っていた。それがいつしか「超能力なんてあるわけない」と自分に暗示をかけることにかわり、中学生になってから、ぱったりその声は聞こえなくなった。

 しかし高校生になった今、奇妙な夢を見る。
 中学生の俺がたっていて、小さいころと同じように声が聞こえてくる。
 それはいつも、男の子が助けを求める声だった。

 そこで俺は、時々また考えてしまうのだ。
 現実の俺にも超能力があったなら、あの男の子を助けられるかもしれないのに──。

 しかし現在俺には超能力がないので、一凡人として生活を送っている。
 これでよかったのだろうか、とは、考えないようにしながら。


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。