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- 過去と現在 −カコ ト イマ−
- 日時: 2010/10/20 17:20
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
Welcome*/
*挨拶
1年ぶりぐらいな柚羽ですω・`
[ゆう]じゃないです[ゆずは]です。
更新スピードの遅さは異常です\(^o^)/
とりあがんばって更新しますのでよかったら見てくださいね←
*注意
・過去のうちの小説を見て更新スピードの遅さにイラっとした方は退場
・荒らし、中傷目的は帰ってください
・うちの事嫌いな人も退場
・バッドエンドが嫌いな方も退場
*目次
プロローグ >>1 登場人物 >>2
第一章
>>3 >>4 >>5
*お客様
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- Re: 過去と現在 −カコ ト イマ− ( No.1 )
- 日時: 2010/10/17 10:33
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
プロローグ
平成X年 十二月二十五日
「……お前は、誰のことが好きなの」
一人の少年が自分の腕の中にいる少女に問いかける。
少女は答えた。
「私……誰のことが好きだか……」
もともと赤みがかった少女の頬がさらに赤みを増す。
「俺のこと、好きになってよ」
そういうと少年は腕に力を入れる。
きつく少女を抱きしめた。
「……いいの?」
少女が戸惑いの顔を見せる。
「ああ」
「ありがとう。……大好き」
少女もさらに腕に力を入れ少年をきつく抱きしめた。
しばらく二人は抱擁を交わし
そして互いの唇を合わせた。
- Re: 過去と現在 −カコ ト イマ− ( No.2 )
- 日時: 2010/10/16 22:57
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
登場人物
少女
⇒安藤朱音−Akane Ando−
中学二年。楽観的な性格。
背が低く癖っ毛。
俗に言う“かわいい子”。
少年
⇒若舘千紘−Tihiro Wakatati−
中学二年。かなりの長身。
多少ツンデレな面がある。
俗に言う“問題児”。
その他
⇒高嶺由麻−Yuma Takane−
朱音の友達。
⇒安藤啓−Kei Ando−
千紘の友達。
- Re: 過去と現在 −カコ ト イマ− ( No.3 )
- 日時: 2010/10/17 22:12
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
第一章 はじまり
平成X年 十二月六日
最近、私に対する千紘の行動が変わった。
行動だけじゃなく言動までもがすべて変わったように思える。
そう気づいたのは十一月のおわりごろだった。
それまで私は千紘になんか全然興味がなかった。
偶然同じ苗字の安藤啓のことが気になって仕方がなかった。
千紘が変わったその日まで私の世界では啓だけが光り輝いていた。
千紘なんて存在もなかったのに。
たった一日で私の世界は変わってしまった。
啓と私だけだった世界にいつの間にか千尋がいた。
邪魔だった。
邪魔で邪魔で仕方がなかった。
しかし、なぜだろうか。
だんだんと啓の輝きが薄れ、その分の輝きが千紘に移っていった。
私は——誰が好きなのだろうか。
それさえもわからなくなった。
「お前って、本当に啓のこと好きだよな」
後ろからやってきた千紘が私の頭に大きな男らしい手を置いてそういった。
「……うん」
わからないままに答えてしまった。
啓が好き。
そんな気持ちはもうほとんどなかった。
かといって千紘の事が大好きだとか言う意思もない。
私の世界に千紘が入ってきたその日から
私は自分自身がよくわからなくなった。
- Re: 過去と現在 −カコ ト イマ− ( No.4 )
- 日時: 2010/10/17 22:34
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
いつの日からか私と千紘、そして啓は一緒に下校するようになった。
千紘と啓は幼稚園のころからの友達だそうだ。
二人の会話を聞いていると仲の良さがとても伝わってきた。
「二人って、仲良いよね」
実際少し羨ましかった私は二人にこう聞いてみた。
「当たり前じゃーん、ずっと一緒だもんな?」
千紘はそういうと啓に抱きついた。
「ちょ……」啓は千紘を離しながら「まあ、ずっと一緒なのは確かだけどな」
少し笑ってそう言った。
私は啓のそのやさしく緩い笑顔が好きだった。
それから私は啓だけと会話を交わしていた。
決して千紘を無視しようと思ったわけではないが。
でも、そのときに見えてしまった。
千紘が憎そうに啓のことを見る恐ろしい目を。
まずい、と私は思った。
「ねえ千紘、私を家まで送っていってよ」
とっさに頭に浮かんだ言葉がこれだった。
「え……なんで」
千紘は嫌そうな顔をした。しかしこの顔は嫌という意味を表す顔ではなく
驚きと動揺が表れているのだと私はすぐに察知した。
「いいじゃん、たまには二人きりで帰ってみ」
啓がケラケラと笑いながら千紘の背中を押す。
「そうだよ。ほら、帰ろ。バイバイ安藤くん」
私は強引に千紘の腕を引っ張り啓に手を振った。
- Re: 過去と現在 −カコ ト イマ− ( No.5 )
- 日時: 2010/10/20 17:19
- 名前: 柚羽 ◆PUobjUKDWE (ID: DC1GHWka)
それから私と千紘は無言のままだった。
こんなに誰も言葉を発しない状態って辛かったかな。
「……ねえ」
低めの声で千紘が言う。
「……なに」
このとき私は後悔した。
きっと怒られるに違いないと思っていた。
「今日、家に来ない?」
意外だった。
私は自分が無駄に心配していたことを馬鹿らしく思った。
千紘の顔を見る。
少し恥ずかしそうにしていた。その顔は緊張したようにも見える。
「うん。いいよ」
千紘の緊張をほぐすように私は笑顔でそういった。
「そっか、よかった。じゃあすぐ……来て」
千紘はそういうとにっこりと笑って私を追い抜き去っていった。
「千紘の家……か」
意識もなく言葉が出た。
なんだか何かが起こりそうな気がして。
これは十二月二十五日、クリスマスの日のことだ。
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