ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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嫌だ嫌だ嫌、いや…嫌だ、嫌、  
日時: 2010/11/01 23:48
名前: なる (ID: nxPXMTJg)

こんにちは なるです(誰だよw
シリアス小説をしたためるのは初めてなので色々おかしい所もありますが、そこは多目に見て貰えると嬉しいでつw
さて、登場人物を紹介致しましょうか
                   
 宵谷 ひなた (よいたに ひなた)
この物語の主人公。昔いじめられていたせいか、他人から攻撃されると自我を無くす。
普段は真面目な中2男子。
パソコンが大好きで、チャットの世界ではかなり尊敬されている。
一人称は「僕」
チャットでの名前は「レン」
                   
 宵谷 かなた (よいたに かなた)
ひなたの双子の弟。気が強く、性格も荒っぽいが、尊敬した人物や兄には優しい一面もある。
普段は部活動に入り、バドミントン部のキャプテンとして優れた成績を残している中2男子。
兄と同じく趣味はパソコン。
一人称は「俺」
                   
チャットルームのメンバー
                   
黒猫@ 毒舌な女子。オタク趣味を持っている。
さなだむしw 通称「さなちゃん」。社交的な雰囲気で周囲からの信頼も厚い。
咲坂 ふらりと現れてふらりと姿を消す、性別と年齢不詳の謎の人物。
                   
多いですかね?でもみんな重要な人物なんで頑張って覚えてくだされww

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Re: この世界で僕は    ( No.1 )
日時: 2010/10/30 21:55
名前: なる (ID: nxPXMTJg)

「ただいまー」
家に着くなり僕は、制服もまともに脱がずに自分の部屋へ駆け込んだ。
時刻は午後6:00。この時間帯ならさなちゃんがいるな、なんて考えながら、鞄を机の横に掛け、パソコンを開いた。
パスワードを入力し、パソコンにかかっているロックを外す。
そしてそのままブラウザのお気に入りを開き、いつものチャットルームへ入室した。
すでに入室していたのは2人。
さなちゃんと咲坂だ。
僕は入室早々、退室ボタンをクリックしそうになったが、さなちゃんの「おぉ、レンやんけ、こんー」
という一文を見てなんとか踏みとどまった。
「こんー」
カタカタカタッ、と慣れた手つきで挨拶を打ち込むと、僕の文字色である水色が白い背景によく映えた。
「あれ、今日は黒猫来てないんだ。」
何気なく僕が呟くと、さなちゃんは驚くような速さで「そうなんよー」と返してきてくれた。
それはそれで楽しいのだが、ただ一つ気になるのが、咲坂という存在だ。
さっきから一言も発言していない。
試しに「咲坂居るとか珍しいなw」と呟いてみたが、勿論反応は無し。
代わりにさなちゃんが「俺より前からおったでー」と返信してくれた。
しばらくの間流れる沈黙。
僕は耐え切れなくなって、すごくどーでもいい事を口走りそうになったが、画面に映し出された「黒猫@ラノベが高騰して買えない さんが入室しました」という文字に引き止められた。
「こん」
間髪入れずに発言する黒猫。
その速さは俺でさえ恐れ入る程のものだ。
しかしボーっとしていても発言がどんどん流れていくだけなので、慌てて挨拶を打ち込んだ。
「は?咲坂いるの?折角来たのにテンション下がるわねー」
一発目からそれか…と思ったが、振り返ってみれば入室早々退室しようとしたのは、黒猫と同じようなことを僕も考えていたからであって、何も言い返せなかった。
しかし、黒猫が来たことによってチャットの空気は一気に軽くなった。
さなちゃんや僕が言った事柄に対してお決まりの毒舌で突っ込みを入れる黒猫。
次第に咲坂の存在も忘れていき、完全に僕たちだけの空間になっていた。
さなだむしw「あーあ、テストとか本当に爆発すればいいんになー」
黒猫@ラノベが高騰して買えない「何あんた、テストなの?」
さなだむしw「うん、テストやでーww」
レン「さなちゃんテストなんだー」
黒猫@ラノベが高騰して買えない「ふん、馬鹿ね。テスト前で焦るくらいならここに来る暇もないでしょ。」
さなだむしw「あのね黒猫ちゃん、これは現実逃避って言ってね、」
黒猫@ラノベが高騰して買えない「あ、そうだったわね、虫は勉強の必要も無いほどお馬鹿さんなんだったわよね。失礼したわw」
レン「黒猫怖いよw」
さなだむしw「虫ゆーな!あと俺は馬鹿じゃないで!一応平均点よりは…上…」
レン「平均点ww」
黒猫@ラノベが高騰して買えない「ほらやっぱり馬鹿なのね。まぁ別に…馬鹿なのが悪いとは言わないけど…」
さなだむしw「なんや黒猫ちゃん、ツンデレか?可愛いなぁ♪」
レン「ツンデレw」
黒猫@ラノベが高騰して買えない「んな訳ないでしょ、勘違いするんじゃないわよっ!」
レン「あ、照れたw」
さなだむしw「面白いねぇー^ ^」
 ……とまぁそんな具合に発言を繰り返していると、階下から聞き慣れた声が聞こえた。
「ただいまー…ん?誰もいねーのか?」
弟のかなたの声だ。
かなたはたんたんたん、と一定のリズムを踏みながら、二階への階段を上ってきているようだった。
「ひなたー?」
かなたの声が廊下に響く。
僕は目の休憩がてらに一旦パソコンを閉じて、廊下へ出た。
「んー?」
「あ、いるじゃん。鍵かけとけよなー…玄関の扉開けっぱなしだったぞ。」
呆れたように肩をすくめてそう言っているかなたの膝には、痛々しい擦り傷。
僕は長ったらしい忠告をろくに聞きもせずに、かなたをリビングへと連れ込んだ。
「お、おい…」
明らかに動揺している様子のかなた。
その細い体をソファーに座らせると、僕は棚から救急箱を取り出して持ってきた。
箱を開けると、鼻をつく独特の匂い。
僕は少し顔をしかめたが、あまり気にせず必要なものを取り出した。
「ひな…ひゃあっ!」
何か言いかけたかなたの膝に、しゅっ、と消毒液を吹きかける。
傷口にしみたのか、苦しそうな声をあげるかなた。
「かなた、また転んだの?」
するとかなたはふんっ、と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。
「…階段から落ちた。」
そう不機嫌そうに呟くものだから、思わず全身を静観してみるとあちこちに傷がついていた。
肘や手首には小さな擦り傷が、すねには青あざができていた。


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