ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- かごのとり。(第弐弾開始!!)
- 日時: 2010/11/06 09:04
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
***グロテスク注意!!!***
「ああぁぁぁっ!!!」
傍にあった木刀で人を殴りまくる。
「あああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
違う、これは俺じゃねぇ!! 俺はこんな……、こんなっ……!!
肉が切れて血が吹き飛ぶ。返り血を浴びながら俺は、まだ人を叩き殺していた。
「はぁ、はぁ……」
俺が殺した人は、もう人間としての原形を留めていない。
かろうじて残った右目は、俺を恨めしそうに睨み上げていた。
「くそっ……」
その日から俺は、この世界から姿を消した。
クリック有難うございます! 鏖です! 鏖……。どんな名前だよ(←テメェが考えたんだろ
えっと、プロローグからしてグロテスクでしたね。プロローグと同じく、内容もグロテスクです。
小3だけどグロテスク大すk……(←黙れ
鏖のキャラ作成能力が間に合わなかったら、オリキャラ募集で皆さんに力を貸してもらうことになるかもしれません!
その時は、見捨てないでやって下さい!!
では、始まります。これから宜しくお願いします!
題名 「かごのとり。」 作者 鏖
〜登場人物編〜
紺野 聖>>1
アリカ>>2
小百合>>3
紺田 理>>4
歌音>>8
鈴音>>9
前島 アリス>>11
(新)ディア>>46
(新)如月 麗奈>>47
〜物語・裏切り編〜 (グロ指数…★(微グロ)★★(グロ)★★★(激グロ)
壱話「迷子」>>5
弐話「夢か現実か」>>6(グロ指数:★)
参話「鏡族」>>7
四話「双子堕天使」>>10
伍話「救いの手」>>12
六話「殺意」>>13(グロ指数:★)
七話「母親殺し」>>15(グロ指数:★★★)
八話「死体晩餐」>>17(グロ指数:★★)
九話「悪食女王」>>19(グロ指数:★★★)
拾話「ニゲミチ」>>28
拾壱話「トキ」>>31
拾弐話「穢れ」>>32
拾参話「揺れる心」>>33
拾四話「堕落するときは」>>34
拾伍話「いつも」>>35
拾六話「堕落すべきとき」>>36
拾七話「おかえりなさい」>>37
拾八話「一時の幸福」>>38(グロ指数:★)
拾九話「食材は俺」>>40(グロ指数:★★★)
弐拾話「一興」>>42(グロ指数:★★★)
弐拾壱話「座興」>>43(グロ指数:★★★)
弐拾弐話「人生美味礼讃」>>44(グロ指数:★)
あとがき>>45
〜物語編(第弐弾)〜
零話「500年の眠り」>>48
壱話「生贄狩り」>>49
弐話「偉大なる大魔王」>>50
参話「大魔王と魔王」>>51(グロ指数:★★)
四話「天界」>>54
伍話「貴方を迎える者がある」>>55(グロ指数:★)
〜イメージソング編〜
アリカ 「跪いて足をお嘗め」>>21
紺野 聖 「わが臈たし悪の華」>>22
小百合 「コヒブミ」>>23
紺田 理 「絶國TEMPEST」>>24
歌音 「薔薇獄乙女」>>25
鈴音 「月蝕グランギニョル」>>26
前島 アリス 「コッペリアの柩」>>27
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- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.33 )
- 日時: 2010/11/04 16:32
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾参話「揺れる心」
「お久しぶりです。聖様」
「歌音……」
次の訪問者は歌音。
「私は昔は天使でした。でも、神様に逆らったため、堕天使として魔界へ堕ちました。
愚かな生物が多い魔界の方が、ずっと楽だって思ったんです」
「……」
歌音は愚かで馬鹿な魔族は嫌いと思ったけど……。
「だって、誰も決まりを守らない。決まりすらない。
殺したって罪にはなりません。何をするのも自由です」
「……」
悲しそうな横顔で語る歌音の話を黙って聞いた。
「人間は普通、楽をしたい生き物ですから、必ず愚かな方へ流されます。
聖様。貴方は、本当に綺麗な人間ですか?」
「えっ……?」
最後には強い意志の宿った瞳で見つめられ、身体が固まる。
「失礼しました。では」
そして消える。
「俺は、楽を選ばない善? 俺は楽な方が好きだ……。
じゃあ何でここにいる? やっぱり、今の俺は俺じゃねぇのか……?」
「くはははははっ!! 実に愚かしい。
しかし、貴様らも役者よ。いや、今までの仮面を脱いだか? それが正しいな」
今まで聖の所にいった馬鹿共がついに本音を吐いたか。
そう、例え天界、この世で一番穢れを嫌う生物でも、穢れに溺れてしまえば脆い。
「ぎゃはははははっ!!!」
- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.34 )
- 日時: 2010/11/04 16:57
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾四話「堕落するときは」
「聖様。調子はどうでしょう?」
「鈴音まで……」
今まで話など十分にしたことのない鈴音まで……。
「僕は、姉さんのことを堕天使呼ばわりした神を殺しました。そして、天使が受ける最高の罰、堕天使になりました。
僕は魔界でも姉さんを襲おうとした猩々に似た魔族を殺しました。でも、何の罪にも問われない」
「……」
鈴音……。
「その時思ったんです。“魔界では自分が神。神のように自分のやりたいことをやり通しても、悪ではない”と」
「悪……」
「そうです。最初は何と愚かしいと思いました。
ですが、次第にその愚かさに溺れた……。愚かというのは楽です」
「楽……」
俺はもう魔界に戻らないと決めた。なのに、なぜこんなに心が揺れる……?
「戻ってきたければ、心の中で“我が身を魔界へと誘う黄金の光よ 我が身を包み 愚かしい楽園へと導かん”と3度唱えて下さい。そうすれば……」
「……」
俺の目を見て言う。俺はとっさに目をそらした。
「では、僕はこれで失礼します」
「(我が身を魔界へと誘……)」
そこまで心の中で言うと、善の俺が芽生える。
「ダメだ、俺は死んでも罪を償う」
でも、そこで悪の俺が邪魔をする。
俺は、鉄格子がもげそうな勢いで鉄格子を揺すった。
- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.35 )
- 日時: 2010/11/04 21:13
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾伍話「いつも」
「聖」
満面の笑みで現れたのはアリス。
「……」
正直、俺は見られない顔になっているだろう。
蒼白い肌、こけた頬、乾いた唇。
「あのね、みんな待ってる」
「えっ……?」
今まではまるで策みたいに、“愚かは楽”だの“罪”だの“罰”だの、耳が痛くなるような暗い話ばっかりだった。
だが、アリスは優しい、本当に心の底からそう願っているような声だった。
「聖がいない魔界はヘンなの。みんな一言もしゃべらない。
すっごく暗くて、アリス、いやなの」
「……」
「アリカ様も、小百合お姉ちゃんも、理お兄ちゃんも、歌音お姉ちゃんも、鈴音お兄ちゃんも……」
うっ、うっ、と肩が震えだす。泣いているのだろう。
「絶対、聖に戻ってきてほしいって思ってる! だからね、これは罪を償うとか、逃げるとか……。そんなんじゃないの」
「アリス……」
涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、必死に訴える。
「ただ、聖に戻ってきてほしいの!!」
「みんな“愚かは楽”とか、そんなのを理由に、必死に聖を魔界に戻そうとしてる……。
聖がいやならいいの。でも、もしその気があったら、戻ってきて……」
- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.36 )
- 日時: 2010/11/04 21:21
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾六話「堕落すべきとき」
正直、アリスの泣きながらの訴えは、俺の心をうった。
でも、俺の人生は俺が決める。誰に何と言われても魔界に戻るつもりはない。
処刑台に上る足が震える。気晴らしに見に来た民衆たちの瞳は血走っていた。その姿が、魔界と重なる。
「あっ……!?」
民衆たちの先頭の列にいるのは、美しい金髪に妖艶な真紅の瞳の美女。
俺と目が合うと、目を細め口の片端を釣り上げた。
“早く歩け”と急かすように首輪を引かれ、やむなく進む。
ギロチンに首を置き、目隠しをされる。
残酷への期待で殺気だつ処刑台の周り。荒い鼻息。
俺は、これ以上ない恐怖を覚えた。
震える唇が紡いだ声は誰にも聞こえるはずがない。
ジャキッと音がして、首が飛んだ。
- Re: かごのとり。(コメ・アドバイスくださいっ!!) ( No.37 )
- 日時: 2010/11/04 21:32
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
拾七話「おかえりなさい」
「……魔界に帰りたい……」
これが、俺の最期の言葉。民衆の中にアリカはいたが、俺の願いを叶えてくれなかった。
だから、俺はこんな真っ暗な所にいる。
(───なんだ、死んでも天国も地獄もねぇじゃん)
ただ真っ暗で、自分がただ独りポツンと佇んでいる。
光の一点もなく、ただただ続く暗闇。
(あははっ、あははははっ!!! ひひゃひゃひゃひゃひゃっ!!!!)
静かな暗闇をつんざく高笑い。アリカのものではなかった。
(───!!)
そこには、血まみれでゴロンと転がった死体。
人間の原形は留めていなくて、かろうじて残った右目が俺を睨む。
(なぁんだ、アンタ死んでないじゃん)
「……んっ」
「目覚めたか? 風呂を入れてある。入ってこい」
「……あぁ、俺、地獄にきたんだ」
アリカがいるなんて地獄だよな。アリカがいるんだからよ……。んぁ?
「馬鹿? ここは魔界よ」
決め台詞の馬鹿を浴びせたのは小百合。
「お帰りなさい、聖様」
優しい笑顔の歌音。
「お帰りなさいませ」
いつものようにベレー帽を脱いで深々と頭を下げる鈴音。
「おっかえりーww」
いつものようにイラっとする喋り方の理。
「おかえりなさい!」
嬉しそうな笑顔で俺に抱きついてきたのはアリス。
「俺、生きてる……?」
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