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sorry—つぐない—
日時: 2010/11/06 16:59
名前: NightWind ◆MjV6.5TmZc (ID: EUGuRcEV)
参照: ぽっぴぽっぴぽっぴっぽー←

久しぶりに、シリアスお邪魔します。
しっかりと書くつもりですので、応援宜しくお願いします。

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Re: I'm sorry—つぐない— ( No.1 )
日時: 2010/11/04 18:14
名前: NightWind ◆MjV6.5TmZc (ID: EUGuRcEV)
参照: ぽっぴぽっぴぽっぴっぽー←

序章

 〈今日未明、イグラン地区の一人暮らしの女性が見るも無残な姿で殺害されていた死体を発見した。身体を切り刻まれ、そこらじゅうに血がとびついていたという。
発見者はこの女性のご近所で、いつものように挨拶に行くと、窓が割られてあり、そこから床に転がった無残な姿を発見したという。
この殺され方を見て、警察は最近起こっている連続殺人鬼が殺したと見て、警察は全力で捜査をあげている。この殺人鬼にアグナイ市民は恐怖に包まれている。この殺人鬼は名前も顔もわからない状態で———〉

 俺は新聞を投げ出し、近くにあったテーブルに足を置いた。暖炉の火が煌々と燃え上がるのを見つめ、視線を窓の外に移す。
 馬車が通り過ぎ、道行く人たちが歩く。その中で最も高貴そうな女性が歩いていた。俺は立ち上がり、壁に立てかけてあったナイフを取り、コートの下に忍ばせ、外に出た。あの高貴な女性に視線がとまり、俺は歩き出した。高貴な女性の跡を追って。
 高貴な女性の目的地はそう遠くなかった。女性の目的地はどうやら、家のようだ。この家はレンガ造りで、ここらからすれば、古風なつくりの家だった。
 俺は近くの家の影で身を隠した。女性は中に入ると、子どもが二人ほどチラリと見えた。なんだ、餓鬼が二人もいんのか。となると、夫もいるな。四人家族ってとこかな。ならば夜にやるとするか。
 俺は自分の家に向かって歩き出した。そして、ニヤリと笑った。

今話題の事件の連続殺人鬼、アレン=ドーランの被害者がまた出ることになるだろうな———。

Re: I'm sorry—つぐない— ( No.2 )
日時: 2010/11/05 17:14
名前: NightWind ◆MjV6.5TmZc (ID: EUGuRcEV)
参照: 別名Lightですよ。宜しくです。

第一章



 「金貨五十枚と銀貨二十三枚、銅貨が三十枚か……」
俺は昨日、高貴な女性を目をつけた後、夜その家に忍び込み家族もろもと切り刻んだ。そのときに盗んだ金を俺は数えていた。殺しもするが盗みもする。毎回ってわけじゃないが……。
 俺はテーブルに置いたまんまの新聞紙を手に取り、昨日の俺が殺った事件が書いてないかどうか読んだが、まだ載っていなかった。ま、すぐに載るだろ。
 俺は新聞紙を放り出し、ふぅーとため息を漏らした。昨日と同じように、足をテーブルに置き煌々と燃える暖炉の火をぼんやりと眺めた。
 俺が殺しを始めて何年になるか。もう……二年か?それ以上経ってるだろうか?俺が大体十四のときに今使っているナイフを持ち、両親を殺した。それが始めての殺しだった。すると、暖炉の炎にそのときの両親の顔が映った様な気がした。泣き叫ぶ顔。憎しみと怒りに満ちた顔……。そんな顔を俺は無表情で、いやもしかしたら笑っていたのかもしれない。動機は親に対しての怒りだった。毎日毎日俺を放っといて遊んでいた。ろくに仕事もせず。だからいつも貧乏だった。俺は貧乏が嫌で殺人計画を企て、家出する決意をした。もちろんうまくいき、両親を殺した犯人、つまり俺は証拠不十分で一回逮捕されたものの、釈放された。しかし金がなくなる度に人を殺した。俺が生きるために。それが普通になり、一週間に三回ぐらいは殺っている。
 今までに何度悲痛な叫びを聞いただろうか。今までに何度無残な死体を見ただろうか。でも俺にとってそれが快感だった。あまりの冷酷に笑えてくるぜ。まったく。


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