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双子の望み。
日時: 2010/11/06 15:52
名前: 葉妖 ◆QXDyQcmIfM (ID: 1Cg3kcbs)

あなたの望みはなぁーに??

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Re: 双子の望み。 ( No.1 )
日時: 2010/11/07 18:36
名前: 葉妖 ◆QXDyQcmIfM (ID: ADUOsQyB)

第壱話 「双子の望み」

19××年12月25日

貧乏な夫婦に小さな双子が生まれた。

小さい方が美古みこ大きい方が巳唆みさ

母親は出産する前、とても苦しんでいたらしい。

腹の中が焼けるような痛みに襲われて、

どんどんと体力が消耗されていって・・・・

最後には壁にもたれて死んだという。

そうなった母親の顔はゾンビのようになっていた。

赤んぼうはもうとっくに死ぬはずだが、

母親が死んだあとに

母親の腹を破ってはいでてきた————…らしいよ

「…うそでしょー??気味が悪い…」

「いや、それが本当だとか・・・」

村人たちは口々に噂していた。

そのとき、汚いまりが村人達の足元に転がってきた。

「あ…あ〜ら…美古ちゃんに巳唆ちゃんじゃないの!」

双子の1人は真っ黒な瞳をしている。その方が美古。

青くて澄んだ瞳が巳唆。

「こんにちわ…」「こんにちわ」

双子は下を向いたままつぶやくように言った。

「どうしたの??お父さんは??」

「・・・・」

「…お留守なの??」

顔を見合わせると、クスッと笑った。

「…さっき一緒遊んでたら寝ちゃったの」

「もう遊んでくれないの。美古もっと遊びたい」

「じゃあ私がついて行ってあげるからね。
   どこで遊んでたの??案内してくれる??」

「うん。いいよ!」

美古は村人の手をぎゅっとつかんだ。

氷のような冷たい手で急につかまれて、

村人はとてもビックリした。


 ***


「ここ??」

村人は周りを見回した。見たことがないような山奥だ。

深い霧がかかり、ごつごつした岩には黒くなるまで苔がついていた。

「お父さんはどこ??」

「さっき。巳唆達のお話してたでしょう」

村人のはなしなんて聞こえてないかのように話しだした。

「私たち見てたよ^^」

村人は焦った。

こんな山奥まで連れてこられて

いきなりこんなことを言われるとは————・・・

「そ、そんなことよりお父さんはどこ??」

「お父さんなんてどうでもいいじゃない^^」

「どうでもいいって…せっかくここまで来たのに二人とも——…」

「3人で遊ぼうよ」

「何する??」

「ちょっ、ちょっと待ってよ。二人とも…」

「じゃあかくれんぼしようよ」

「うん。そうしよ!」

「こんなところで遊ぶなんて危ないじゃなっ…」


ゴロ


足になにか当たった。

バッと振り向くと、そこには人間の体があった。

着物には血のようなものが染みている。

「キャアアアア!!!!」

「!」「!」

「死んでる…死んでるわ…誰か…っ」




















Re: 双子の望み。 ( No.2 )
日時: 2010/11/07 19:12
名前: 葉妖 ◆QXDyQcmIfM (ID: ADUOsQyB)

第弐話 「双子の望み」続編


「死んでる…死んでるわ…誰か…っ」

ガッ…

「どこいくの??」

「私を置いていかないで…もう誰も離したくないの…」

「やめて。どうせあなた達が殺したんでしょ!?」

「なんで??なんでみんな疑うの」

「離してっ!!!」

「いやっ!!!待って!!!」

村人は森を走った。

ただ下を目指して、我武者羅に。

その時、気になった村人は後ろを見ると双子が止まってこちらを睨んでいた。

「なんで追ってこないのっ…」

でもその方がいい。子供の足の速さは知っている。

もし追いかけられたらすぐにつかまるはずだ。

「ハァハァ…」

ザッ!!!

今まで深かった霧も晴れ、一瞬で村の風景に切り替わった。

突然出てきたので、村人達はビックリして言った。

「あなた!!!走ってどうしたの??こんな汗だくで…」

「あ…あいつが追ってくるわ!!!早く逃げないと…」

「あいつって誰??」

「あの双子よ!!!あいつら、自分の父親を殺したのよ!!!!」

その瞬間、村人の胸元から二つの刀がつきでた。

「!!!!」

「お前…私たちじゃないって言ったでしょ…??勝手に言いまわしてんじゃねーよ」

そういった双子は村人の胸元に刺さっている刀を同時にぬいた。

刺された村人は白眼を向いてたおれる。

「キャアア!!!!」

「お前らも今からこうなるんだからねー^^」

血のついた刀を地面についた。

いつもの透き通った声も、悪魔のような声になっている。

まるで何かにとりつかれているようだ。

Re: 双子の望み。 ( No.3 )
日時: 2010/11/09 16:36
名前: 葉妖 ◆QXDyQcmIfM (ID: ADUOsQyB)

第参話 「双子の望み」・後




「ふーんふんふんふーん…」

「こんな楽しい事ないよね♪」

その時、高い茂みの中から、男の若者の着物が見えた。

「おねーちゃん…」

男達は双子にまだばれてないと思って、腰をおろしていた。

「まだ余ってたよ残り物…二つもいる」

ざくっ

「うわ!!!」「ぎゃっ」

美古は男の隠れている茂みを切り落とした。

「いやっ…来るなッ!!!」

1人は双子を見た瞬間山に向かって逃げた。

「おい!!!どこ行くんだよ!!おいていくなぁ!!!」

ザッ

「もう終わりだぁ…」

こしをぬかしたもう1人の男は震えながらあがいていた。

「しね。」

グサッ

「・・・」

巳唆は赤く染まった刀を見てニヤリと笑った。

「まだいっぱいいる。山に三人。」

「河原に一人。町に一人」

今朝の薄汚れたまりが死人の血で赤く染まっていた。

「さあ行きましょ…」

「うっ…」

巳唆の頬の真っ赤な血が…

「どうしたの美古??」

巳唆は美古の腰をみてビックリした。

さっきの若者がオノで刺していたのだ。






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