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NCMT〜国家危機対策チーム〜
日時: 2010/11/17 21:11
名前: 双龍 ◆X0rxka9zJs (ID: PmZsycN0)

はじめまして、双龍です。

今回の作品は、架空の組織の物語と言うことで、設定その他は全部適当なんでそのつもりでいてくださいww

駄文かと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

登場人物紹介 >>1 

Page:1



Re: NCMT〜国家危機対策チーム〜 ( No.1 )
日時: 2010/11/16 23:35
名前: 双龍 ◆X0rxka9zJs (ID: PmZsycN0)

NCMT

国家危機対策チーム。防衛省大臣によって設立された、主にテロリストを相手にする特殊な機関。




登場人物紹介

NCMTエージェント

火神 康平(ひがみ こうへい)
→デルタフォースから新設されたNCMTに転属した現場捜査官。かなり適当な性格だが、現場での状況判断と行動力に富む。


橘川 夏美(きっかわ なつみ)
→SWAT出身の現場捜査官。優秀だが時折命令を無視する傾向にある。


村野 真一(むらの しんいち)
→主にコンピューターを駆使して現場捜査官のサポートや、不正アクセスの痕跡を辿るアナリストチーフ。常に無表情。


如月 正樹(きさらぎ まさき)
→夏美に密かに恋する現場捜査官。かなりの野心家で、現場で自分より唯一立場が上である康平を嫌っている。


倉 修三(くら しゅうぞう)
→NCMT局長。康平を自らデルタフォースから引き抜いた。正義感が強く、部下を思いやる一面も持っている。



政府

長澤 海(ながさわ かい)
→内閣総理大臣。権力欲が強く、少しでも自分に逆らう者は許さない。


草津 喜太郎(くさつ きたろう)
→防衛大臣。近年アジア諸国で活発化してきたテロリストの勢いを受け、NCMTを設立した。





テロリスト

マルス・ハイトマン
→テロ組織「革命の槍」の幹部。残忍な性格で、女子供であろうと情け容赦なく手にかける。

佐々木 卓也(ささき たくや)
→革命の槍に雇われているハッカー。そのハッキング技術の前では政府のファイアウォールもまったく意味を成さない。



多いですねwwま、こんな感じですw

Re: NCMT〜国家危機対策チーム〜 ( No.2 )
日時: 2010/11/17 23:01
名前: 双龍 ◆X0rxka9zJs (ID: PmZsycN0)

第1話 「NCMT」

カタカタと、キーボードを叩く音だけが響いている。

画面には、兵器の図面が表示されている。

兵器の名称は「MGM-31」とあった。

「よし……送信完了っと」

コンピューターを操作していた男は、キーボードから手を離すと、大きく伸びをした。

男がイスから立ち上がると、部屋の扉が開いた。

「首尾はどうだ、ミスター・ササキ」

入ってきた男はコンピューターを操作していた男、佐々木卓也にパンを放りながら言った。

「順調だよ、ミスター・ハイトマン。さっきアレックスに図面を送った」

そう言うと、佐々木は、パンの袋を見て「俺はクリームがいいんだけどな」とつぶやきながら部屋から出て行った。

部屋に残された男、テロ組織「革命の槍」の幹部であるマルス・ハイトマンは図面を見ながらニヤリと笑った。

「くくく……もうすぐだ。もうすぐ、日本は壊滅する……くくくくく、くはははははははははは!!!!」




国家危機対策チーム。通称NCMTと呼ばれる政府機関がある。

主にテロの脅威から国家と国民を守るのが役割である。

防衛大臣草津喜太郎によって設立され、まだ3ヶ月しかたってないが、実に200名を越えるテロリストを逮捕するなど、大きな功績を挙げている。

そして、このNCMTに、1人の男がやってくる。





一目で作られて間もないと分かる建物の中に火神康平は入っていった。

が、入ったところで彼は警備員に止められた。

「おいおい、何で入れないんだよ! 俺はここの人間だぞ!!」

康平は力ずくで通ろうとするが、警備員も負けじと押し返す。

「だ、か、らっ……IDないと入れないんですってば…!!」

「ああ!? IDぃ?」

しばらく火神は警備員と格闘したが、あきらめてカバンの中を探り始めた。

「IDだろ、ID……これか?」

「クレジットカードですね」

「これか?」

「運転免許証です」

「これは?」

「それは友達と撮った写真…って、それぐらい判断できるでしょ!! コントやってる暇があるなら局長呼んでください!」

すると、その発言を知って知らずか、50過ぎぐらいの初老の男がやってきた。

「通してやれ、大久くん。これが彼の机の上に」

「局長……って、ID机の上に忘れてきたんですか…火神さん、頼みますよホント」

「おお、ありがとうございます!! 局長!!」

「倉でいい。局長という呼び方は慣れないんでな」

「いえいえ、局長は局長ですから…」

倉は康平にIDを渡すと、一緒にオフィスに向かって歩きだした。

「早速で悪いんだが、今朝4時47分に匿名で電話があった。この日本で近く大規模なテロ攻撃が起こるとのことだった」

「情報の信憑性は?」

「分からない。だが午前9時になれば嫌でも信じることになると相手は言い残した」

「ふーん……逆探知は?」

「新宿の公衆電話だ。電話してきた時間の目撃証言はない」

「なるほど……今が8時45分だから…」

「あと15分で『何か』が起こる」

残りの言葉をを倉が引き継いだ。

「対策は?」

「主要な政府施設、及び総理大臣、国務大臣らを厳重警護している」

康平は数秒考え込んだあと、顔を上げた。

「OK。俺は何をすれば?」

「手がかりを追ってもらいたい。この男だ」

渡された資料には、40代と思われる男が写っていた。

「名前は岩城健太郎。警視庁捜査一課警視だ。彼の携帯からこの3日間で少なくとも30件我々がマークしているテロリストとの通話記録がある」

警察の人間がテロに関与したとなると、日本が始まって以来の大事件にもなりかねない。

康平はことの重大性をすぐに察知した。

「岩城は出勤してますか?」

「今日は特別に有給を取っている。今は家にいるはずだ」

「分かりました。直ぐに向かいます」

「頼む。今回は橘川君と一緒に行ってくれ」

康平は一瞬顔をしかめたが、すぐに答えた。

「了解」






康平は準備の為にオフィスに入った。

ジャケットの下に防弾チョッキを着込み、正式拳銃であるベレッタM92の弾を確認する。

全ての確認を終えてオフィスを出ようとすると、電話が鳴った。

康平はため息をつくとデスクに小走りで近づいて受話器を取った。

「火神です」

「火神君。ちょっと来てくれるか」

かけてきたのは倉だった。

「どうしたんです?」

「とにかく来てくれ」

返事するまもなく切ってしまった。忍耐強い彼にしては珍しいことである。

康平は一抹の不安を覚えながら、倉のところへ向かった。






倉の周りにはたくさんの局員がおり、全員が巨大モニターに注目していた。

「局長! 何があったんですか?」

康平が声をかけると、倉は無言でモニターを指差した。

康平はモニターのほうを向いた。

「なっ……!!」

それは驚くべきニュースだった。






『速報です。先程、東京都練馬区で、警視庁警視の他殺体が発見されました。被害者は岩城健太郎さん42歳で、死因は刺殺のようです』

そこから先は、ほとんど聞き取れなかった。







バカな—

康平はそうつぶやくのがやっとだった。

Re: NCMT〜国家危機対策チーム〜 ( No.3 )
日時: 2010/11/20 22:13
名前: 双龍 ◆X0rxka9zJs (ID: PmZsycN0)
参照: http://noberu.dee.cc/bbs/dark/read.cgi?no

第2話 「口封じ」

火神康平は頭を抱えた。

今まさに会おうとしていた男が殺されたのだ。

理由は、いうまでもなく口封じだ。

おそらくは情報が漏れることを恐れたテロリストがやったのだろう。

「………火神君。君はすぐに現場に言って岩城の所持品をチェックしてこい」

倉も火神同様悔しそうな顔をしていたが、悔しがっているだけではテロは防げない。

「分かりました………9時になれば本当だと分かる、というのはこういうことだったんですね」

「そのようだな。本気だと思わせるために、人1人殺すとは……」

「そのことで気になるんですが、電話の人物、声紋照合にかけてます?」

「ああ、かけてある。ただ、結果が出るにはもう少しかかると言っていた」

「結果が出たらすぐに言って下さい」

康平はそう言うとすぐさま身を翻した。









康平が廊下を小走りで移動していると、後ろから女が来た。

「おはようございます。火神さん」

「おっす、橘川」

橘川夏美。アメリカの警察に設置されている特殊部隊SWAT出身の現場捜査官だ。

現場捜査官には大きく分けて2つある。国内組と、国外組だ。

国内組は、主に日本の警察の特殊部隊SATや、自衛隊などの出身者であり、国外組は国外の特殊部隊などの出身者だ。

橘川やアメリカ陸軍特殊部隊デルタフォース出身の火神は国外組の部類に分けられる。

別に国内や国外だからと言って特に差があるわけではなかったが、国内組は国外組に闘志を燃やしている。

もちろん、それは国外組からすれば迷惑な話でしかなかったのだが。

そんな風潮のせいなのか、NCMTの作戦部隊は国内組と国外組と分けて編成されている。

NCMTが動くのは重要な作戦でのみ、それにつまらない争いで失敗などすれば国家の存亡にも関わってくる。

バカバカしい話だが、それが万全を期した対処だった。

「これから岩城が殺された現場に行って、警察に彼の所持品を見せてもらう」

「探すのは、携帯ですか」

「そう。とはいえ、わざわざ口封じにまで来る組織だ。携帯を残すようなまねするとは思えないけどな…ま、一応だ一応」

「はあ、なるほど」

橘川は分かったようなわからなかったような口ぶりで返答してくる。

こういうはっきりしないというか、あいまいなところが火神が橘川を苦手とする理由であった。

それから事務的な会話を2,3回ほど交わして、表に止めてあった車に乗り込む。

「出してくれ」

運転席の捜査官に指示を出し、康平は倉から渡された資料を眺めた。

「一体、この日本で何が起きるんでしょうね…」

ぽつりと、橘川がつぶやいた。

「なんにしても止める。俺達はそれだけ考えとけばいいんじゃないの?」

康平は資料に目を向けたまま答えた。

「確かに」

それっきり、橘川は黙り込んだ。

この若い女性捜査官は、過去に両親を殺された経験があるということを康平は聞かされていた。

それゆえに、正義感は誰よりも強いが、悪を倒すためには命令を無視することもいとわなかった、ということも。

SWATでも度々単独行動で問題を起こしていた。

それ以上橘川については康平は何も知らない。

知る必要もないし、知りたいとも思わなかった。

康平自身にも、誰にも言いたくない過去はある。

(結局、似たもの同士、ってことなのかもな…)

康平は、資料をドアのサイドポケットに入れた。

そろそろ、現場につく頃だ。

シートベルトを外し、ふと窓の外を見た。

すると、黒塗りの車がまっすぐこちらに向かってきているではないか。

それを確認するのと、橘川が「危ない!!」と叫ぶのはほぼ同時のことだった。

(この距離は避けきれない………!!)

とっさに橘川の体を抱えると、シートにしがみついた。

直後、激しい音とともに、車が横転した。







他に走行していたものも巻き込み、車は一回転してガードレールに衝突した。

あちこちでクラクションが鳴っている。

康平と橘川はすばやく外に出た。

運転していた捜査官は首の骨を折って死んでいた。

康平は舌打ちすると、捜査官の持っていた弾を取った。

間髪いれず、銃声が聞えた。

髪や服を銃弾がかすめる。

康平は素早く車の陰に隠れた。

橘川は既に応戦を開始している。

「橘川!! 敵の人数は!?」

「車から出てきたのは3人!! 中にも2人いる! おそらく全員が武装してます!」

2対5か—

康平辺りを見回すと、中に人がいない車がたくさんあるのを見つけた。

「橘川、ここで30秒耐え切れるか?」

「はい!!」

「俺が合図したら撃て、とにかく奴らの注意を引いてくれ」

「了解」

康平は何台かの車を見やると、銃の安全装置を外した。

「よし………今だ!」

合図とともに橘川は発砲を始めた。

康平は素早く襲撃者の車の近くに移動すると、目当ての車を発見した。

康平が探していたのは、エンジンがかかったままの車である。

「見てろよ………」

康平は銃を構え、車のエンジン部分を狙って撃った。

弾は見事に命中し、車は大爆発した。

爆発の影響で外にいた3人は爆風で吹き飛んだ。

すかさず、康平は襲撃者の車に走り出した。

康平の読みどおり、車の中の2人は慌てて外に飛び出してきたところだった。

康平は1人の頭を打ち抜いた。

もう1人が銃を構えようとするが、橘川が銃を突きつけると、おとなしく両手を挙げた。

「お前は何者だ!?」

康平が銃を構えながら聞く。

「俺達はこの国に革命を起こす」

男は不敵な笑みを浮かべて答えた。

「………まさか」

康平は愕然とした。

「火神さん。何か知っているんですか?」

橘川が怪訝な顔をして聞いてくる。






康平は青ざめた顔で答えた。

「革命の槍………!!」

Re: NCMT〜国家危機対策チーム〜 ( No.4 )
日時: 2010/12/06 17:19
名前: 双龍 ◆X0rxka9zJs (ID: PmZsycN0)

第3話  「革命の槍」

前回のお話

東京で、テロが実行される—

匿名で寄せられた情報をもとに、国家危機対策チームNCMTが捜査を開始した。

現場捜査官の火神康平は、NCMT局長倉修三の指示で、テロに関与したと思われる警視庁警視に会いに行こうとするが、いざ向かおうと思ったところに、容疑者死亡の知らせが入る。

仕方なく康平は同じく現場捜査官の橘川夏美とともに容疑者が殺された現場に向かう。

ところが、道中で何ものかに襲撃され、現場捜査官1人が死亡してしまう。

かろうじて襲撃者を返り討ちにした康平たちだったが、尋問のため生け捕りにした男が、テロ組織「革命の槍」のメンバーであることが発覚する……!!





「火神さん……革命の槍って?」

「主にアジアを根城とするテロ組織だ。最近急に活発になってきた組織で、このNCMTは、革命の槍が台頭してきたから生まれたとも言われている」

「それじゃ、ついに日本を攻撃しに…!?」

「それはまだ分からない。とにかく、橘川は局長に連絡を。俺はこの男を尋問する」

「了解」

橘川は車の裏に歩いていった。

それを見届けると、康平は捕らえた男の下に近寄った。

「お前は革命の槍のメンバーだということは分かった。目的は何だ? 何故俺達を襲った?」

「…………」

「話す気がなくても話してもらう。もう1度だけ聞く。何故俺達を襲った?」

しかし、男は挑戦的な目でこちらを見るばかりで、何も話そうとはしない。

「そうか」

康平は一歩後ろに下がると、いきなり男の足を銃で撃った。

「うわあああああああああああっ!!」

男が絶叫する。

「止血しないとお前は死ぬ! さあ言え! 俺達を何故襲った!?」

「俺は何もしゃべらないっ…!!」

男はかすれた声で叫んだ。

「俺はいくらでもやる。どれだけやれば吐くかの違いだ。分かるな?」

康平は男にゆっくりと近づくと足の傷を思い切り蹴り上げた。

「ぎゃあああああああああああああ!!!!」

男は再び絶叫した。

康平は顔を近づけると、男の耳元で叫んだ。

「言え!! 俺達を何故襲った!?」

「くそ、くそ…………何も言わねえっ……」












マルス・ハイトマンは元アメリカ陸軍大佐だった。

いつだって、死と隣り合わせの戦場を生き抜いてきた彼にとって、日本というちっぽけな国を壊滅させる事はそう難しいことではない。

多くの人はそう思っているが、彼自身に油断は無い。

なぜなら、彼は完璧を好むからだ。

万が一でも、起きる確率がどんなに低くても備えるのが彼の信条だ。

その抜け目ない性格で革命の槍の大幹部にまで上り詰めたのだ。

彼は今、とあるビルの屋上にいる。

スナイパーライフルを持って。

先程、ハイトマンは協力者だった警視庁警視を口封じの為に殺した。

そしてまた、同じことをしようとしている。

標的は、現場捜査官に捕まり拷問されている部下だ。

かわいそうに。撃たれているじゃないか、今楽にしてやるからな。

心の中でつぶやき、ハイトマンは引き金を引いた。







「答えろ!! 何故俺達を—」

バシュッ。

乾いた音が響くと同時に、男の胸に小さな穴が開いた。

「!? くそっ……」

男は狙撃されたようだ。

確認するまでもなく、即死だった。

これはプロの犯行である。

(どこから狙ってきやがった……!?)

康平は急いで辺りの建物を見渡した。

すると、とあるビルが目に付いた。

小さな黒い影が見える。

「あいつか……!!」

ホルスターからベレッタを抜き、立ち上がる。

通りを渡ろうとしたとき、どこからか電話の音が鳴った。

康平はその音が殺された男から聞えていることに気づいた。

急いで男のポケットを探り、携帯を取り出す。

発信元は不明になっている。

康平は通話ボタンを押し、電話に出た。

『やあ、捜査官。私の狙撃の腕はどうだったかな?』

「……!!」

ビルの屋上から、狙撃者が電話をかけている。

『はっきり言っておこう捜査官。君たちには攻撃は止められない。必ず、この国を変えられる。その証拠に、まだ君は我々にまるで近づけてはいない』

「いいや、今の言葉でだいぶ分かったぜ」

『ほう……何がだね?』

「あんたは、日本人じゃない。日本語が微妙になまっているからな。おそらくはアメリカ人……使用武器は602ミリ口径セミオートマチックライフル、SR−25だろう。ついでに言うならあんたは革命の槍の一員だ」

狙撃手は黙っていたが、やがて笑い出した。

『はははははは!! 日本の捜査官にもできるやつがいるらしいな。だが、さっきも言ったとおり、君たちに我々は止められない。だがまあ、健闘を祈る』

狙撃手は電話を切った。

康平は携帯を男の死体に放り投げた。








「上等だ、俺があんたらを止めてやる」


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