ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 臆病な勇者達
- 日時: 2011/01/15 11:43
- 名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: l2k0mPFo)
- 参照: http://noberu.dee.cc/bbs/dark/read.cgi?no=34
決して勇敢だったのではない。
ただ、後ろに下がるのを恐れたのだ。
ふう。大幅(?)修正完了。
前より見やすくなったかな?
こんにちは。初めまして。こんばんは。雷燕(ライエン)と申します。
2話を書き終わるまで投稿は待とう……なんて思ってたんですけど、このままじゃいつ書き終わるか分からないのでもう投稿しちゃいます。
程よいストレスで執筆が進むのを期待して。
しかし執筆ペースが異様に遅い事に危機感を感じ始めた今日この頃。
不定期更新、多少のグロ注意です。
■目次
エピローグ
>>1
第一話 「大富豪からのメッセージ」
>>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7
参照の方にあるのが原文ですが、読みにくいかも。
Page:1 2
- エピローグ ( No.1 )
- 日時: 2011/01/15 11:31
- 名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: l2k0mPFo)
エピローグ
——どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
結局、何を手に入れた? おれの全てだったとも言える、友を失った。そして、何を手に入れた?
考えても何も浮かばない。傷が痛む。かなり血が出ているようで、心臓が傷口にあるみたいにどくどく言ってる。
自分と親友の血を眺めながら、回らない頭で思いをめぐらせる。
あいつも、こんなものを見ながら死んでいったのだろうか。
立ち上がる気力さえなくしていたおれに、誰かが近づいてくる。顔を上げると、ついさっきおれが撃ち抜いた、親友がいた。
まあおれの射撃の腕じゃ、どこに当たったものか。
「病院に行こうぜ。傷をどうにかしないと」
全てを受け入れ、全てを諦めたような口調だ。おれには出来ない。
「……そうだな。この程度の怪我じゃ死ねないか……」
「で、治ったらどうする?」
……?
「またどこか行くか?」
……。
どうやらおれは、何もかもを失ったわけではないようだ。
「……どうして」
「どうしてって——」
そいつは、返事に困ったように苦笑いする。
「親友じゃないか」
それを言われてしまうと、おれも何だか色々とどうでもよくなってくる。
「そうだな。……ある程度治ったら、速ければ明日にでも、あの木のところに行こう。たとえこの先おれ達がバラバラの道を行くことになっても、あの木のところで絶対にまた会おう」
「ああ。絶対だ」
上空では、太陽がようやく雲の隙間から顔を出していた。明日は、あの日のような晴天だろうか。
まったく、忌々しいったら。
- 第一話 ( No.2 )
- 日時: 2011/01/15 11:31
- 名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: l2k0mPFo)
第一話 「大富豪からのメッセージ」
快晴だった。
空には雲ひとつなく、鳶が弧を描いて飛んでいる。見事な青のグラデーションで染められた空はそれはそれは澄んでいて、吸い込まれてしまいそうだ。青々とした桜の葉が風に揺すられている。ただ一人空に存する太陽が放つ光は、地表を焼き焦がそうとしているようでもあった。
しかしオレ達のいる場所に、その光は届かない。
「——うわっ。こけるところだった。なあケリー。本当にこの先であってるのか?」
「間違いないからもう少し待てって」
「そうだシュウ、その辺段差があるから気をつけ……って、遅かったか」
オレ達三人は真っ暗な洞窟の中にいて、各々手に持っている懐中電灯の明りを頼りに進んでいる。中はとても狭く、大人であれば、もう少し成長してしまえばオレ達でも通れないほどだ。
もちろん立ち入りは許可などされていないのだが、そんなことを気にするオレ達ではない。ただ身を危険にさらすだけの要らぬ勇気だけは伊達じゃないのだ。ただ好奇心のみに忠実にこの洞窟へ入り、かなり奥まで進んできた。
オレが調べた、かつての小説家であり画家でもある大富豪のK.ジョウンが作った遺跡がこの先にあるかもしれないという情報も、それを後押しした。
時には中腰で、時にはカニ歩きで、そして時にはほふく前進で。
「光が漏れてる!」
そうこうしているうちにオレの目はかすかな光を捉え、思わず言った。
その言葉にシュウもレオンもオレと同じ様に疲れを忘れたようで、三人そろって速度をあげた。毎日退屈に生きて少しでも刺激を求めて自ら危険に身を投じるオレ達にとってその光は、ただの物理的な意味での光ではないはずだ。
ぼんやりと光の出口の輪郭が見えてきて、それはどんどん大きくなる。ちょうど正面だ。オレのせいで、後ろの二人はよく見えてないんじゃないだろうか?
いち早く狭い場所を抜け、光の下にたどり着いたオレは、レオンとシュウを催促した。
「早く来いよ! 本当にあった!」
「やってるさ!」
シュウが言って、二人もその場に立つ。
目の前には、巨大な石の建造物があった。
Page:1 2
この掲示板は過去ログ化されています。