ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 宇宙少女
- 日時: 2010/12/13 20:09
- 名前: ぷるこぎ (ID: 12T.pym5)
まぁ、それとなくやっていきます。
更新は不定期です。放置しないように頑張ります。
たまにネタがつきますので急に終わったりもします。
殺気以外の何かがこもった目で見守ってやってください。
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- Re: 未定 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/11 14:02
- 名前: ぷるこぎ (ID: 12T.pym5)
激しい雨が降っている。今は、それ以外のことがほとんど理解できない。痛い、寒い、怖い。頭の中で言葉がぐるぐると回ってはこんがらがる。何もわからない。ただ、うずくまる事しか出来ない。
「よぉ。」
目の前にいる誰かに声をかけられた。声は多分男の人。雨音のせいで足音が聞こえなかった。
「雨に打たれて何やってんの?そうゆう気分?」
分からない。・・・・・首を横に振る。
「そうか、じゃあ、ほい」
雨が体に当たらなくなった。変わりにビニールが水をはじく音が増えた。少しだけ顔を上げて、上目使いに前を見る。傘の柄とそれを握る手が見える。どうすればいいのか分からず、それをずっと見ていた。
「もしかして、警戒してる?・・・・・・じゃあこの傘やるよ。俺が離れた後にでも取ればいい。」
そういって男は傘を置き、立ち去っていった。それと同時に人と会ったせいか、頭が混乱から回復してきた。・・・追いかけないと。今の自分は普通じゃない、誰かに助けを求めないと。
そう思った私は、傘を持って立ち上がり、男の人を追いかけた。何度も転びそうになりながら、男の人の背中を追った。
「ん?」
男の人が気づいてこちらを向いた。まだ意識が少しぶれていて、目線が狂い、男の顔は見えない。私は立ち止まり、傘を持ったまま手に膝をつく。
「どうした?まさか、傘返しに来たの?」
首を横に振り、息を整え、声をひねり出した。
「!!!」
声は出なかった。代わりに体の力がすっと抜けて私は・・・・・
- Re: 未定 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/11 14:00
- 名前: ぷるこぎ (ID: 12T.pym5)
「ん・・・・・」
俺はいつのまにか寝てしまっていたらしい。ベッドに膝を曲げた状態で突っ伏してしまっていた。顔を上げて、自分の突っ伏していたベッドで眠る彼女を見た。穏やかな表情で寝ている。熱は下がっただろうか。彼女の額に手を当てて確かめる。大丈夫そうだ。立ち上がって伸びをした。
「ん、っあ〜」
それにしても昨日は大変だった。いや、12時を回っていたから今日か。
{回想}
結構強めの雨が降っている。しかも、かなり寒い。まぁ、十二月に入ってしまったから仕方ないけど。俺は今、そんな中ビニール傘を持って家の近所を散歩中。時刻は0時33分。
「色々と間違ってる気がするけど新鮮味があるからいいや」
仕事を終えた時や、むしゃくしゃ時はいつも散歩をする。意外といい気分転換になる。夜中に散歩したのは初めてだけど。
家の近所にある、大きい公園に入ったときだった。道の両端にある、花壇の左側。そこに人がいた。
花壇の壁に、もたれかかるようにしてうずくまっている。なんか、めっちゃ怖い。だけど、この寒さでこの雨だ。放っておく訳にはいかない。近づいて、声をかけた。
「よぉ。」
無反応。生きてる・・・・よな?
「雨に打たれて何やってんの?そうゆう気分?」
相手は少し首を横に振る。
体つきと髪の長さから、女だと思った。もしかしたら男かもしれないけど。
「そうか、じゃあ、ほい」
少しかがんで、傘を差し出した。相手は少し顔を動かし、傘を見ている。でも、それ以外の反応は無し。
「もしかして、警戒してる?・・・・・・じゃあこの傘やるよ。俺が離れた後にでもとればいい。」
どうせ100円だし。
俺は傘を置いて歩き出した。
「雨に濡れるのもまた一興。・・なんてね」
でも、急いで帰った方がよさそうだ。風邪を引く。そう思って、急ごうとしたときだった。
ぱしゃっぱしゃっぱしゃっ
後ろから足音が聞こえた。
「ん?」
振り返るとさっきの人が居た。やっぱり女の人だった。それよりどうしたんだろう?
「どうした?まさか、傘返しに来たのか?」
彼女は、傘を持ちながら膝に手をつき、息を整えて、何かを言おうとしたらしい。その状態で顔をこちらに向け、口を開いた。
「!!!」
すると彼女が倒れてしまった。
「なっ!?おい、どうした!」
急いで駆け寄り、彼女の上体を持ち上げる。息はある。だけど、意識は無い。額に触るとすごく熱かった。ものすごい熱だ。このままだとヤバイ。だけど幸い家が近い。おぶって行く事にした。
彼女の体は思いのほか軽く、特に問題は無かった。難儀した事と言えば、家の鍵が取り出しづらかった事ぐらいだ。
「よし、まずは・・・・」
{回想終わり)
そうして介抱してるうちに寝てしまっていた。時計をみると11時43分。昼だ。ご飯を作ろう。彼女は病みあがりだし、消化にいいおかゆにしよう。あと野菜ジュースとかを飲ませておけば多分大丈夫。
そして、俺は支度を始めた
- Re: 宇宙少女 ( No.3 )
- 日時: 2010/12/13 21:54
- 名前: ぷるこぎ (ID: 12T.pym5)
3
「ん〜、ちょっと甘めだな」
俺はそう言って、おかゆに塩を足した。またしばらくかき混ぜて味見をする。
「少し辛いかな?」
でも、自分には丁度いい。
ちょっとだけ何かを加えては味見。また加えて味見。こんな感じでもう一時間経っていた。自分で食べる時は悩まないけど、人に食べさせるとなると話は別だ。一応自炊はよくするのだけど、人に食べさせるのはこれが初めてだった
だけど、おいしい、不味いを決めるのは今は自分の舌しかないので、自分にはおいしいと感じた時点で諦めて皿に盛り付けた。テーブルにお皿を置いて、二階の寝室へ。一応ノックして入ると彼女はもう起きていて、半身を起こしていた。
彼女はなんていうか・・・・美しかった。長く、艶のある黒髪。目は少し緑がかかった青。肌は程よく白く、体の曲線美がすばらしい。ベッドのそばにある窓から太陽が覗いていて、彼女を後ろから照らしている。それは、一つの芸術だった。
ずっと見とれている訳には行かない。近づいて話しかけた。
「おはよう。・・・・いきなりなんだけど、俺の事覚えてる?」
一応俺を敵とは思ってないらしい。すんなりと俺の言葉を受け止めると、思い出すように目を瞑った。
「・・・・・・・・・・傘の人?」
あげた傘のことか。
「うん、まぁ、そうだね。昨日の事は覚えてる?」
「ほとんど覚えてない。」
彼女は若干ボーっとしたような表情で、あたりを見渡す。
「君、昨日高熱を出したんだよ。それで俺がここに運んだ。随分うなされてたけど大丈夫?」
彼女はコクリと頷く。大丈夫そうだ。熱は多分もう無いだろう。
「おなか空いてないか?おかゆを作っておいたから食べにおいで。」
彼女はベッドに降りた。・・・・・・下着姿で。思わず片手で目を覆い、ため息をついた。すっかり忘れていた。衣服が濡れていたので、ひとまず脱がせたんだった。下着は外しちゃ不味いと思い、拭くだけにとどめた。彼女は悲鳴を上げる事もなく、俺の動作を不思議そうに見ていた。
「ちょっと待ってて。君の服を取ってくるから。」
別室のベランダに干してある服を、ハンガーごと持っていく。服の事には興味が無いので分からないけど、どこか一国の皇女様とかが着そうな服だった。・・・ワンピースっていうんだっけ?
部屋に戻ると、彼女はやはり不思議そうな顔でこっちを見ていた。まるで、こいつの気まずそうな表情はなんだ?と、言ってるようだった。下着ぐらいなら見られてもいいと思うのか?最近の若い人は。今更ですが、22歳です。ちなみに、相手の容姿は14から17ぐらい。
服を着せた後、リビングに行っておかゆを食べた。・・・無言で。自分としてはやりづらかったけど、相手は平気そうだった。
味付けはどうだったかが気になったけど、不味そうにしてなかったからよしとした。食べ終わった。さぁ、もういいかな?
「あのさ、色々と質問したいんだけどいいかな?」
彼女は何も言わずにこっちを見ている。いいよって事かな?
「まず、名前は?」
ちょっと間が空く。
「知らない」
・・・・・・・結構予想外の答えだった。無表情で答えられた。答えたくないのか、本当に知らないのか。彼女の青い目を見ても分からなかった。
「どこから来たの?」
また間が空く。
「分からない」
「・・・・・・・国籍とかは?」
間。
「知らない」
多分日本人だろう。少なくともアジア系だ。
「生年月日」
m
「知らない」
何を聞いても無表情で知らない、それか分からない、と返されるような気がした。でも、彼女の表情からは隠してたり、後ろめたいことがあるようにも感じ取れない。どうしたものか・・・・・・・・もしかしたら。
「過去の事思い出せる?」
今度は間が空かなかった。
「全然」
彼女は首を振って答えた。正直、軽くめまいがした。
一番やっかいなケースだ。この子。どうするべきか・・・・・。普通なら警察に届ける。だけど普通じゃない気がする。この子と出会った状況といい、今のこの子の状態といい。だけど、この子の問題について一他人である俺が関るべきじゃないのかもしれない。っていうか、関っちゃいけない。おせっかい焼きもいいところだ。警察に届けよう。
「これから警察を君を届けようと思う。いいかい?」
「何故?」
多分本気で理解できないのだろう。こいつ、何言ってるの?って顔してる。
「そりゃ、俺は君の親じゃないし。多分探してるだろうし。まぁ理由は色々だ。」
すると彼女の表情があからさまに曇った。何かNGワード的な何かがあったのか?考えてると、彼女が口を開いた。
「あの場所には戻りたくない。」
すごく嫌そうに、辛そうに言った。
「覚えているのかい?自分が居た場所を」
「はっきりしないけど・・・・だけど、絶対あの場所は嫌だ。」
泣きそうな勢いだった。・・・・・・困ったな〜
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