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まだ知らない世界
日時: 2010/12/11 15:26
名前:  Rin  ◆xEMNpusEEE (ID: YZiYs9.d)


— 前書き —


5歳のころに亡くした両親にもう一度会うために
自殺した、少年はあの世の世界へと旅立った。
あの世の世界で出会う、自分と同じ孤独な人間達
同じ気持ちを持っている、人間と両親を探し
あの世の中で冒険をする。

この物語のテーマは「孤独」をテーマにします。
たった独りの少年、でもそこから歩き出すと
すぐに孤独は消えています。
歩き出さない限り、孤独はいつまでも孤独だと
思っています。



—まだ知らない世界—

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Re: まだ知らない世界 ( No.1 )
日時: 2010/12/11 15:48
名前:  Rin  ◆xEMNpusEEE (ID: YZiYs9.d)

1.独りの少年


小さな小さな島
レベック村

レイン通りをまっすぐ歩くと小さな小屋がある。
そこが僕の家。

かつてこの家には、僕をあわせて3人の家族が
住んでいた。僕たちはとても貧しかった。

この村で一番貧しい家族だった。
そんな家庭に生まれたのは、スピリー・ラビッツ

——僕だった。

大変貧乏で物置の中にいるような生活だった。
しかし、貧乏でも僕の家族は明るかった。

僕の父さんの口癖は
「明日を信じなさい」と言って笑っていた。

5歳の僕にはまだわからなかった。
母さんは僕を笑顔にすることが得意だった。

本当はお金がないのに、服や果物を買ってくれた
でもそんな僕を独り取り残して

あの世界に行ってしまった。


あの日、パパとママは僕に言った
「いつか」

そして、ボロボロの戸をあけて
出て行った。


それから僕は12歳になった。
メインリーおばあさんに僕のママとパパのことを

初めて聞いた。

僕のパパとママはあの日から謎の死を遂げていた。
この僕をおいて、知らないところで

パパとママは僕の知らないところで死んでいた。

メインリーおばあさんは眉毛が下がっていて
目には大粒の涙が見えた。

僕は自分の頭を抱えた。

“ずっと帰ってくると信じていたのに。”
昔、ママにこんな話を聞いたことがあった。

「死んだら、素敵な世界が待っているのよ」



考えた。僕はどうしたらもう一度パパとママに
会えるんだろう、

と。


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