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- あの日の夢景色
- 日時: 2010/12/12 15:34
- 名前: あれい (ID: VJEgN8CS)
君のことが好きでした。/愛することは許されなかったけれど。
お前のことが憎かった。/その瞳に抗うことは出来なかったけれど。
どうか私の罪を許しておくれ。/自分の罪なんて分からないのに。
私は誰?
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- Re: あの日の夢景色 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/12 15:43
- 名前: あれい (ID: VJEgN8CS)
初めまして。 あれい、といいます。
更新率は亀以下の可能性が大きいです!!
小説書くの初めてです!!
誤字・脱字あれば教えて下さいっ(汗
こんな、ぐだぐだな私ですが、
頑張って書くので読んでいただけると嬉しいです。
〆登場人物
神崎 朱里(かんざき あかり)
16歳の少女。 神埼家の次期当主。
神崎 リク(かんざき りく)
14歳の少年。 朱里の弟。
来宮 真里花(きのみや まりか)
16歳の少女。 帰国子女。
アレン・スコット
17歳の少年。 イギリス人。
- Re: あの日の夢景色 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/13 17:20
- 名前: あれい (ID: 6M1vQwDj)
─壱─
「おい、朱里! どこ行くんだよっ」
私の背後から、弟であるリクが叫んだ。
弟であるくせに、私より背が高い。 ついでに細い。
ぱっと見、高校生に見えるが、リクは中学二年生である。
「今日、真里花が帰国するから迎えに行くの!」
「まりか……?」
「真里花のこと、忘れたの?」
「たぶん、見たら思い出す」
ぽつりと呟いた弟を気にせず、私は自転車に乗る。
それから思い切り、バス停までの坂道を下った。
私の暮らす町は、もう村といっても良いほどの田舎。
まわりには山しかないし、人口も少ない。
そんな田舎に、私は暮らしている。
バス停には、一人の少女がしゃがみ込んでいた。
私の自転車の音に気づき、顔を上げる。
腰までの明るい茶髪。 明るいブラウンの瞳。
まるで人形のような少女が、笑顔になる。
「朱里─────!」
少女は、私の名前を叫んだ。
立ち上がり、両腕を広げている。
私は自転車からおりて、少女の元へ走る。
「真里花!」 「久し振り、朱里!」
少女の名前は、来宮 真里花。 私の親友。
五歳のときにニュージーランドへ行き、今日、日本に帰国。
つまり、十一年ぶりの日本というわけ。 帰国子女なのだ!
「元気そうデ、安心! みんナ、元気にしテる?」
十一年ぶり、ということがあってか、少し日本語がおかしい。
でも、今はそんなのどうでもいい。
十一年ぶりの再会なんだから!
「みんな、みーんな、元気よ。 真里花も元気そうね」
「Yes! はヤク、みんナに会いタいナ」
「じゃあ、行こうか?
真里花はこれから、私の家で暮らすからね!」
「久し振りネ、朱里の家。 楽しミだわ」
私と真里花は、ゆっくりと歩き出す。
私、神崎 朱里はまだ気づいていません。
あの子の恨み、あの子の罪に。
- Re: あの日の夢景色 ( No.3 )
- 日時: 2010/12/13 17:27
- 名前: あれい (ID: 6M1vQwDj)
朱里が真里花っていう子と一緒に帰ってきた。
───あの人が、真里花? ふぅん。
真里花はこれから、俺たちの家に住むらしい。
まあ、そんなことはどうだっていい。
「RIKU」とかかれたプレートを見つめる。
神崎 リク。 それが俺の名前だ。
俺の隣の部屋は朱里の部屋。
───××い。 朱里が、××い。
どうして、神崎家の次期当主は朱里なんだ?
どうして、俺はみんなを騙しているんだ?
俺は、×××じゃないのに……!
- Re: あの日の夢景色 ( No.4 )
- 日時: 2010/12/13 19:28
- 名前: あれい (ID: 6M1vQwDj)
十一年ぶりの、日本。 朱里の家。
ここは、私ガ生まれた町。 故郷なの。
朱里の家は、変わっていなカった。
大きな屋敷みたイな家。 すゴく和風な感ジ。
門には「神崎家」と書かレた札がアった。
「お邪魔しマーす……」 「どうぞどうぞ」
そうダ、日本では靴ヲ脱ぐんだった。
「えっと、真里花さん?」
玄関に入ルとすぐ真正面ニ、男の子が立っテいた。
朱里そっくリな顔で、背が高イ。
朱里の、オ兄サン?
でも朱里にオ兄サンなんて、いた?
「エ? あぁ、ハイ……?」
「真里花、リク、お互いのこと忘れちゃったの?」
朱里が笑いナがら言ウ。
「神崎、リク。 朱里の……、弟、です」
「アアアア! 思い出シた! リクなのね!」
「あ、俺も思い出したかも。 真里花さんのこと」
「良かった、二人とも思い出さないかと……」
私ノ記憶の中のリクは、まダ三歳だっタ気がスる。
───エ? 三歳?
私ガ最後に見たリクは……、六歳じゃなカッタ?
- Re: あの日の夢景色 ( No.5 )
- 日時: 2010/12/13 19:44
- 名前: あれい (ID: 6M1vQwDj)
─弐─
「真里花はね、明日から学校に通うらしいの」
真里花が来た夜、私はリクに言った。
ちなみに真里花は疲れたから、もう寝ている。
はあ、とリクが大きなため息をつく。
「ちょっと、どうしたのよ、」
「俺はいつまで皆のことを騙すんだ?」
───え。
私の動きが全部、止まってしまった。
リクが私を見ている。 いや、睨んでいる。
「俺は認めない! お前の───!」
「おやめなさい」
リクが驚いた顔で喋るのをやめた。
私はリクに一歩近づく。 一歩、一歩。
「神崎家、第十四代目当主は……!
次期当主に……、私を、選んだ、のです……!」
私はこれを言うのが精一杯だった。
いけない、涙が出そうになる。
リクが悔しそうな顔をした。
神崎家。
それは、江戸時代から続く私の家系。
江戸時代からこの土地に住み、この土地をまとめる者であった。
ただし、それは表面上の神崎家である。
本当は“鬼を倒す者”の家系である。
私は半信半疑であったが、リクはそれを信じた。
今、鬼なんていない。
だが、私たちの家の地下には鬼を倒す刀がある。
これは本物。 本当の刀である。
私たちの父親は神崎家の十四代目当主。
次期当主は、私である。 理由は不明。
普通、当主は男がやるべきもの。
だが父親は私を選んだ。
“鬼を倒す者”を信じているのに、リクは選ばれなかった。
だからきっとリクは、私を恨んでいるだろう。
「朱里は、神崎家の伝説を信じていないのに?」
「信じてないわ」
「なのにどうして、お前が次期当主なんだよ?!」
「知らない知らない知らない!」
「次期当主は俺がやるべきだ、そうだろう?」
私は何も言わなかった。
今、両親は出かけている。 五日くらい、帰ってこないだろう。
「さあ、俺にあれを頂戴?
次期当主の証拠である地下の鍵と……」
「黙れ!」
次はリクが黙った。
「そんなになりたいのなら、
まずは名前を認めるべきでしょう」
ギロリ、とリクが私を睨む。
いけない。
これ以上騒いだら、真里花が起きてしまう。
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