ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- ワタシ、死ヲトメニキマシタ。
- 日時: 2010/12/22 17:33
- 名前: あいろん (ID: eMnrlUZ4)
『ワタシ、死ヲトメニキマシタ。』
謎の少女が、自殺者を止める。
今、街で噂されていた───・・・。
はじめまして!あいろんです!
シリアスものは、初めてなのですが、頑張ります!
漢字の誤植があるかもしれないです;
トウジョウジンブツ
レイナ
?サイ
オンナ
ジサツシャヲ、トメル。ナゾノショウジョ。
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- Re: ワタシ、死ヲトメニキマシタ。 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/24 16:40
- 名前: あいろん (ID: w731Gq1j)
第1話「虐めの結末」
「くすくす・・・。」
学校なんて大嫌い。
「ウザイ・・・。」
もう、いやだ。
「あーずみっ!」
勢いよく私の肩を叩いたのは亜里沙だ。
「あ、亜里沙・・・。」
「ねぇ、なんで昨日逃げたの?」
「あ、え、えっと、そ、その・・・。」
逃げたというのは、昨日の放課後、裏庭に来いといわれたことだった。毎日のように暴力を振るわれていたので、怖くなって逃げ出した。
「早く言えよ!」
ぱんっ!と、頬に亜里沙の手が当たった。
「「「あはははははっ!!」」」
その瞬間、私の周りは、笑い声でいっぱいだった。
「あーあ、きったねぇ!あずみ菌がうつったぁ!」
「ねぇ、亜里沙、きれいにしてあげようよ♪」
「いいね!」
亜里沙たちは、ロッカーから、汚い雑巾を取り出してきた。
まさか・・・。
「ほら!これで綺麗にしてあげる!」
やっぱり・・・!
「やっ!」
「おとなしくしろよ!」
亜里沙の子分、瀬川と佐野と高橋が、私を床に押し付けた。
私は必死に抵抗したが、3人の力に勝てるわけがなかった。
「やっ!!!」
顔に、ゴシゴシと何かがこすりついた。
「「「「きゃはははははっは!!」」」」
笑い声がこだまする。
近くの席に座っていた何人かの子が、
「うわぁ・・・、ヒサン・・・。」
と、言った。
─ねぇ、お願い。
同情するんだったら助けて。
助けないんなら同情なんかしないでよ。
家に帰る。
「ただいま・・・。」
「遅い!」
ガシャーン!と、何かが割れた。
私は、ビクッとして、急いで二階に駆けていった。
そして、鍵がしまる自分の部屋に入った。
私のお父さんは、家庭内暴力・・・酒乱・・・最悪だった。
3年前にリストラをした。
お母さんは、心が弱いせいか、いつも部屋に閉じこもっている。
たまに、食べ物をあげにいく。多分、私の弱い心は、母親譲りだ。
もともと、高校生のときに私が生まれたのだから、外から見れば、「問題家庭」と思われても仕方ないだろう。
私には居場所がない。
いや、ひとつだけある。
・ ・・漫画だ。
小学生の頃から書いていた。
と、いってもノートに書く、ただの落書きのようなものだが。
それでも、漫画を描いていると、安心する。
今までのことが全部忘れられる。
お父さんも、亜里沙も、お母さんも、いじめも・・・私のことも。
次の日
「・・・」
黙って教室に入る、また、昨日も逃げ出した。
今度こそ、許されないかもしれない。
「・・・あずみ!」
ビクッとした。
「ねぇ!宿題のレポート見せて!」
・ ・・よかった。怒ってはないみたいだ。
「あ。うん。」
机の中からノートを取った。
「はい。」
亜里沙に渡した。
「ども。」
と、亜里沙はパラパラとノートをめくった。
「はぁ!?・・・プッ、ナニコレ!?」
「え?」
「ちょっとぉぉ、これみてぇ!妄想!激妄想!」
「きもっ!」
「うあぁ」
まさか!
予想は的中した。
そのノートは、漫画が描いてある。
もう、亜里沙たちの笑い声など耳に入ってこない。
いつもは同情する子たちもくすくすと笑っている。
そんなのもう、どうでもいい。
あずみは、教室を抜け出し、屋上へとダッシュした。
もう、なんでもいい。なんにでもなっちゃえばいい。
「っ!」
フェンスに寄りかかり、ケータイのメモ蘭に、こう書いた。
【遺書
私は、もういやです。この世が大嫌い。
私のいない朝は、すべてが素晴らしい。
お母さん、おいてってごめんね。
悪いのは、亜里沙たちと、クラスの子とお父さん。お母さんは悪くないからね。
さようなら】
ケータイを、床に置いた。
そして、静かにフェンスに足をかける。
「・・・あっちが、家。・・・ここが学校・・・。狭い世界・・・。」
体が、前へと動いた。
フワッと、やわらかい感触。
もう、消えられる。これで、いいんだ。
「・・・あれ?」
確かに前へと体は動いた。
だが、死んではいない。
誰かが、私のお腹を抑えてる。
「・・・誰?」
20くらい?髪を肩まで伸ばした女の人だ。
スーツ姿で、どうみても、昼間の都会にいなそうな人・・・。
「ワタシ、シヲトメニキマシタ。」
「ハ!?」
「アナタハ、ニゲルノ?アナタガシンダッテ、ナニモオコラナイ。」
「・・・!」
そうかな?少なくとも、亜里沙たちには罪を負わせることができる。
「貴方ガシンダトコロデ、アノ子タチハ何モ思ワナイ。ソレデイイノ?」
「あっ、」
そうだ。あいつらなんか、心無い奴らだ。
私が一人 死んだところで何も起きない。
「イイ?コノ言葉オボエテオイテ。」
「?」
「While ther´ life there´s hode.」
「え?」
「生命ノアル限リ、希望ハアル。」
「生命・・・希望・・・?」
と、問いかけたとき、もう女性は消えていた。
「・・・?」
『While ther´ life there´s hode』
「・・・!」
私は、ぎゅっと、その言葉を抱いて、教室へと向かった。
「あ!あずみぃ。」
「戻ってこなくてよかったのにぃ。」
その言葉を私は無視する。
「ちょ、あんた、あたしを誰だと思ってんの!?」
「ブスで、心無い、哀れなミジンコ。」
私があまりにもキッパリいったせいか、教室にいた生徒達が笑った。
瀬川たちも笑っている。
「なっ!」
「あんたさあ、あたしを誰だと思ってんの?もう、昔の私じゃない!」
隣の教室まで聞こえる声で怒鳴った。
きっと、私はすごい顔をしていたのだろう。
亜里沙は、目がテンだ。
「・・・何よ。」
亜里沙は教室から飛び出した。
と、同時に教室に拍手がわく。
「ごめんね・・・。あずみちゃん。」
「見てみぬふりだった。ごめん。」
と、次々に謝ったくれた。
「・・・ありがとう。」
ユルサナイ。けど、もういいかな?
とりあえず、帰ったら警察に届出しよう。
家庭で暴れているパパを逮捕してくださいって。
こんな勇気をくれた。
あの人は誰だったんだろうか?
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