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破壊行進曲 -March Of Destroyer-
日時: 2010/12/22 21:15
名前: いずみ (ID: VbQtwKsC)

はじめまして、いずみです。
受験生なので更新するのは遅いですが、頑張ります。
読んでいただけると嬉しいです。

では、どうぞ。

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Re: 破壊行進曲 -March Of Destroyer- ( No.1 )
日時: 2010/12/22 21:29
名前: いずみ (ID: VbQtwKsC)

_〆登場人物


『いつの日か、君を破壊してしまうよ』

北條 由夜/ほうじょう ゆうや
十六歳の男子高校生。 通称“破壊者”。



『はやく、元気になるからね』

綾瀬 凛李/あやせ りんり
十六歳の女子高校生。 持病があり、入院中。



『お前はちゃんと、みえるだろう?』

木下 海/きのした うみ
十七歳の男子高校生? 盲目。



『日本語は、伝えることが難しいです』

椎名 ゆい/しいな ゆい
十六歳の女子高校生。 帰国子女。

Re: 破壊行進曲 -March Of Destroyer- ( No.2 )
日時: 2010/12/22 21:52
名前: いずみ (ID: VbQtwKsC)

───パキン。


ほら、すこし強く握っただけなのに。
君の心は脆く、簡単に壊れてしまったよ。


───パキン。 パキンパキンパキン。


ああ、また壊れていくんだ。
僕のせいで。




■第一章  March Of Love


「起きてるのかー、北條くーん?」


うるせぇ……。

僕は眠たい目をこすりながら、ゆっくりと顔を上げた。
誰だ、誰が僕の睡眠時間を妨害したんだ。 訴えるぞ。


僕の目の前には、仁王立ちをした先生がいた。
英語の先生で、独身。 怒ると鬼、ということで有名な男の先生だった。

もしかして、説教される感じですかね。



「……おはようございます、先生」


「おう。 おはようございます、北條 由夜クン」


にこーっと、不気味に笑う先生。
僕の席は一番前だから、クラスの皆の反応は見えない。
笑ってるのか、知らないフリしてるのか。



「俺の授業で寝るとは、いい度胸だな」

「すみません、睡眠不足で……。 つい……」


「じゃあ、家で早寝しろ。 次寝たら、怒るぞ」


はーい、とかったるい返事をしておいた。
僕が寝ないわけないだろう。

というわけで、僕はもう一度寝る。



ちょいちょい、と誰かが制服の裾を引っ張った。
次は、誰だよ?


「ゆーやっ、由夜! 寝たら怒られちゃうよっ」


小さな声で、警告された。


声の主は、僕の隣の席に座る幼なじみだった。
幼稚園から知り合いで、家は隣。


でも小学五年生の頃にカナダへ行った。
そして、二年前に日本に帰国。


帰国子女で、幼なじみである椎名 ゆいだった。


「だって眠い」


「何時に寝たの? まさか、三時なんて……」


「夜の九時」


「九時に寝たのに寝不足なの?」

ゆいはくすくすと笑った。
先生がギロリ、と僕を睨む。

たぶん、俺の授業をきけ!って意味。



「放課後、ヒマ?」

ゆいが訊いてきた。


「うん、ヒマ」

「じゃあ、病院に行こうよ。 凛李のとこ」



「賛成。 良かった、海兄ぃに遊ばれるとこだった」


「あはは、じゃあお見舞いの後は海さんのところね」


「それだけはやめよう! なんかおごるから!」


ゆいの表情がぱあっと明るくなった。
分かりやすい奴だな。 



「この文を北條、読め!」

突然、英語の先生に指名された。


ご指名ありがとうございます。






放課後。

僕はゆいと一緒に、病院へ向かった。



学校からバスに乗り、約二十分。
病院には色々な人が来ていた。


消毒のにおいや、湿布のにおい。
本当は、病院苦手なんだよね。
でもお見舞いだから仕方ないか。



「231号室」と書かれたプレート。


この病室に、僕とゆいの親友はいる。



治るか分からない持病がある、少女。



「凛李?」


彼女の名前は、凛李。


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