ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 眠らない町
- 日時: 2010/12/29 10:56
- 名前: show-T (ID: LQ45f2Hx)
こんにちは。
ド素人ですが、よろしくお願いします。
登場人物
赤神 疾風<AKAGAMI HAYATO>
15歳 172cm 左目に傷
矢澤 瑞紗<YAZAWA MIZUSA>
15歳 157cm パパがヤバイ組織疑惑
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- Re: 眠らない町 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/28 08:54
- 名前: show-T (ID: LQ45f2Hx)
〜序章〜
一人の少年がいた。
その少年は、なんのチカラも持たなかった。
そして、自らの無力さが故、一つの大切な物を
失った。
せいぜい刃向かったものではあった。
しかし、重い物の前に少年はどうすることもできなかった。
冷たいアスファルトに流した涙。
身体から流れる真っ赤な血。
そんな物さえも、その重い物は嘲笑った。
当時、幼かった少年にはどうすることもできないほどの大きなチカラであった。
権力、金、人間の欲望、そんな大きなチカラに少年は押しつぶされた。
誰にも手を差し伸べられない少年は、寒い大地で涙を流した。
眠らない町で。
- Re: 眠らない町 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/28 10:18
- 名前: show-T (ID: LQ45f2Hx)
〜第1章〜
第1話
この世界は数々の感情が渦巻く。
喜び、怒り、悲しみ、愛、夢、希望
それはすべて、欲望に結びつくことがある。
欲が満たされたから喜び
満たされないから、怒り、悲しみ
愛、夢、希望なんて言うのはすべて、欲望の裏返しである。
眠るのも惜しんで、欲望を追いかける。
そして、ここは眠らない町と呼ばれる。
道の端で、ギターをかき鳴らす少年。
バイクに二人乗りのひったくり。
公園に住む乞食たち。
その町の中でを走り抜ける一人の少女がいた。
「・・・・・・ハァ、ハァ、ハァ」
少女が走るの、後方には黒服姿の幾人もの男がいた。
黒い死神のように少女を追いかけた。
少女は路地裏を走り続けていた。
「いい加減にしてよ・・・・・・」
少女はいい加減にうんざりしていた。
息も切れて、足も悲鳴を上げている。
限界が迫った少女に容赦なく、黒い影は迫ってきた。
もう、数10センチにも迫った、少女と死神との距離。
そこを、何かが横切った。
その姿は、紺のコートを羽織り、頭にはニット帽かぶていたため顔こそ分からなかったが身の丈は少女と同い年でな無いかと思わせた。
少年か少女かも分からないないかは。先頭をきっていた黒服を蹴り飛ばした。
驚き立ち止まった黒服たちはざわめき、固まっていたために一気に統制がぶれた。
その瞬間を少年は見逃さなかった。
「っらぁ!」
少年は転がっていた石を拾うと黒服に向かい投げつけた。
先頭の黒服が血を吹き出しながら倒れた。
その瞬間、少年は少女の手を握り、逆方向に走り抜けた。
「・・・・・・どこに行くの?」
少女はしょうねんに訪ねた
「死にたかねーなら、黙って走れや」
そのまま二人は、欲望に満ちあふれた町を走り出した。
- Re: 眠らない町 ( No.3 )
- 日時: 2010/12/29 10:48
- 名前: show-T (ID: LQ45f2Hx)
どれくらい走ったのだろう。
気がつけば二人は暗いトンネルの中にいた。
「・・・・・・ふぅ、ようやくまいたな」
少年は一息つくと、トンネルの壁にもたれ座り込んだ。
「・・・・・・ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・どんだけ走るのよ」
少女は話すのもやっとの声で少年に訴えかけた。
「ハッ、まいたのはおまえの息もか」
そういうと、笑い飛ばした。
こんな危機的状況においてもこんなに余裕の少年を少女は鋭く言葉が出ないのが悔しいとばかりににらみつけた。
「そんな怖い顔すんなよ。俺は命の恩人やぞ?」
少年は少女の目付きなどおかまいなしに軽い感じで返した。
「・・・・・・どこが命の恩人よ? 肺がつぶれて死ぬかと思ったわよ」
少女は、少年に言い返した。
「おっ、もう喋れるんか。そんな元気やったら簡単に死ぬかい」
また、少年は笑いとばした。
さっき、自分を助けてくれた時はあんなに格好良く見えたのに、今はどこにでもいそうな普通の少年になっていた。
「——んじゃ、本題いこか」
そういうと少年はニット帽を取りたちあがり、少女に尋ねた。
「ネーちゃん、何さらして追われとったんや?」
そのとき、少女は驚いた初めてニット帽を取った少年の顔は、透き通るような黒い瞳に引き締まった端正な顔つきであった。
しかし、その右の瞳を横切るように大きな傷があった。
まるで、刃物で切りつけられたような。
そしてなにより、彼女が驚いたのは、あのときはしっかりと見えはしなかったが、自分を守ってくれた時と同じ瞳をしていた。
その瞳は心を突き刺すような鋭い瞳であった。
「ネーちゃん? 聞いとったか?」
少年はその瞳の形を崩さずに、再び尋ねた。
「あっ、えっと・・・・・・」
その姿についつい見とれてしまった少女はすこし焦ったように、ゆっくりと答えた。
「パパが危ない組織と関係があるんじゃないかと思って、パパをつけたいたら突然おそわれたの」
少女は恐る恐る答えた。
「ふーん、なんでおまえのおっちゃんがヤバイとことなんかあるとおもったんや?」
少年はたたみかけるように尋ねた。
「パパの部屋からへんな書類が見つかって・・・・・・それで・・・・・・」
少女は少年の突き刺すような瞳にたじたじになりながらも答えた。
「・・・・・・なるほどな。 話変わるけどお前なんて名前や?」
少年は、一気に緊張を解いたように尋ねた。
「私? 矢澤 瑞紗だけど」
「瑞紗か。 俺は赤神 颯斗や。 よろしくな。」
少年は無邪気に笑い答えた。
颯斗の二重人格っぷりに瑞紗は声が出なかった。
しかし、瑞紗は、同時にこの人は敵じゃないという確信が、彼女を安心させた。
「ところで、瑞紗や立てるか?」
颯斗は、尋ねた。
「立てるよ。 どうして?」
瑞希は安心しきっていたのに、まだ走るのかと思い尋ねた。
「いや、念のためにな。・・・・・・メインディッシュのお出ましや。」
颯斗はトンネルの入口を見ながらそう告げた。
瑞希がトンネルをみると、一人の男がタバコをくわえて立っていた。
少年の瞳の緊張は解けてはいなかった。
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