ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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火山時代
日時: 2010/12/29 09:52
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: ObYAgmLo)

こんにちは。ゆんです。
久々のシリアス挑戦です。
がんばるので、よろしくお願いします(^^)

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Re: 火山時代 ( No.1 )
日時: 2010/12/29 09:58
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: ObYAgmLo)

。プロローグ。

  日本には、まだ活動を続けている火山がたくさんある。
 今からずっと未来、それらが大きな災害をおこす存在として、人々を脅かすものとなる。
 火山は、活動していなければただの山。怖くもなんともない。
 だが、ひとたび噴火を始めてしまうと 大変な事になる。

 これは、これからずっと先の未来で起こる、火山の大噴火の物語。

Re: 火山時代 ( No.2 )
日時: 2011/01/07 16:23
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: ObYAgmLo)

。まだ。

 大きな音。
遠くから聞こえてくる。
その大きな音に混じって聞こえてくる、悲鳴。

 あぁ、今日もまたはじまった。



火山噴火。

そのうち、俺もこの家から逃げ出さなくてはいけなくなるんだな。
はるか遠く、かすかに聞こえてくる音。

あれは、悪魔の音。

「今日は、大丈夫」

俺は呟いて、テレビに視線をやった。
テレビでだって、また騒いでる。

「近頃、火山の噴火が_____」

ニュースキャスターは必死になって話す。
 でもその話題は、もう聞き飽きた。
つまらない。俺は、満足しない。

床に転がっていたリモコンを拾い上げ、テレビの電源をけす。
とたんに部屋は静まり返った。

遠くから聞こえる『悪魔の音』だけが、やけによく聞こえる。

「大丈夫。まだ、俺は大丈夫だ」

自分にいいきかせるように、何度も呟いた。





 そう、俺は・・・・まだ大丈夫。

Re: 火山時代 ( No.3 )
日時: 2011/01/07 16:41
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: ObYAgmLo)

。独り。

 俺は、まだこの世界で生きていたい。
幸せになってみたい。
この世界の行く末を、見届けてみたい。

 俺には、もっともっとたくさん、やりたいことがある。
だから、生きなくちゃならない。


 2年前、突如起こり始めた火山の噴火。
それに巻き込まれて、俺の家族はみんな死んだ。
両親も、兄貴も、妹も。

 もうこの世には、俺の肉親は誰一人として存在しない。
俺と血のつながりを持つ人間は、存在しない。

この世界に独りぼっちにされた俺は、特に何もしなかった。
一人で、家族の思い出の詰まった家で暮らしている。
今までと、何一つ変わらない生活。

 一人だということを除いては。

俺はまだ16だ。高1の年。
でも、学校なんてとっくの昔になくなった。
これも、火山の影響。

学校は、全て溶けてなくなった。
危なくて、「学校へ行く」という子供に課せられた義務はなくなった。

ラッキーといえばラッキーだが、もうこれはラッキーとかハッピーとかの問題ではない。


 俺は、今日も独りでテレビを見ながら思う。

俺はまだ、いきていたい。

Re: 火山時代 ( No.4 )
日時: 2011/01/07 17:02
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: ObYAgmLo)

。あとすこし。

「今後、火山の噴火によってたくさんの人々が命を落とすことが予想されます。そこで我々は、宇宙に住む計画を立てました」

俺は、テレビに釘付けになった。
宇宙に・・・住む?人が?

 そんなことが、可能なのか?

「しかし、今すぐにというわけにはいきません。あと1ヶ月。あと1ヶ月だけ待っていただきたいのです」

テレビに映っているオッサンは、真剣な表情で訴えた。

「一度にたくさんの人数を非難させる事は出来ませんが、1日に500人ほど非難をさせることが出来るのです。どうか、よろしくお願いします」


 それは、まもなくあちこちのテレビ、新聞、雑誌で取り上げられ、広まっていった。

あと1ヶ月。
あと1ヶ月我慢すれば、もう火山に怯えて暮らすことはなくなるのか。

 宇宙に住むという計画は、もう日本中にひろまっていたころ。
新聞に、詳細が載っていた。
『小さな子供を優先に』宇宙へと行くのだそうだ。


計画まで、あと2週間になった。
みんな、期待に満ちた顔で実行されるのを待っているのだろう。

 だが、そんなとき、さらに大きな問題が発生したのだ。


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