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午後5時半の解釈人
日時: 2010/12/29 15:21
名前: ほし (ID: SI24yRUY)
参照: http://ほし◆hosi4





こんにちは。

この「午後5時半の解釈人」の主人公は
人の強い思いをうっすらですが感じ取る事ができます。
摩訶不思議だかなんだか知らんが見てやる、というお方、
監視しててください。

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Re: 午後5時半の解釈人 ( No.1 )
日時: 2010/12/29 15:33
名前: ほし (ID: SI24yRUY)
参照: http://ほし◆hosi4





こんにちは。いえ、こんばんは。解釈人です。

私は未熟ながら人の思いをうっすら感じ取る事ができます。

だから私はしがない心術屋を営んでいます。

心術屋と言っても場合によってはお手伝いやストーカー退治なんかもしますが・・。

何しろ運動能力が余っていまして・・・。

え、なんで私が5時半にいるのか?

ええ、それは私が15歳の女子中学生であるからです。

まあ何にせよ自分を知りたい方は少しよっては見ませんか?



Re: 午後5時半の解釈人 ( No.2 )
日時: 2010/12/29 17:02
名前: ほし (ID: SI24yRUY)
参照: http://ほし◆hosi4






NO.1  追われる客人





「さて、今日も始めますか・・」

ボロボロのローブをはおり、フードをかぶった。
古ぼけた折りたたみ式のテーブルとイスを設置し横には「心術屋」
という看板を立て、午後5時半営業開始した。


「まだ春ですから寒いですね。ここは」


午後6時15分寒空の下、ブルブルと震える。


「今日はお客さん、来そうな気がするんですけどねえ・・」


心術屋は6時半には閉じてしまう。それまでお客さんが来なければその日はゼロ。


「うー寂しいので、ランプ君を出して気を紛らわしますか・・」

ランプ君とは解釈人のアヒルの人形だ。

「・・ランプ君、ランプ君・・あれ?このかばんに入れてきたハズなんですけど・・」

ランプを探しながらブツブツという。


すると突然、30代半ばの女性が現れた。
「あのすみません、人形、落ちてましたよ」

その人形にはranpという刺繍が施されてあった。

「あ!これは失礼!本当にありがとうございます!
・・・・・・・あの、時間があればのお話ですが、
お礼にここで占いらしきものをやって行きませんか?」

「うーんでもお金が無いし・・」

解釈人は早口に言った。
「お代は結構です!それにお姉さん、上司との事で何かお困りのようでいらっしゃりますが?」

「え・・・・・・・・じゃあ少しだけやってみようかしら。」

「では、そのイスにお掛けください」


女性はイスに腰をかけた。

「手を出してください」

女性が手を差し出すと解釈人は手を重ねた。

「心のなかで、お名前と良かったら年齢を唱えてください」

(・・高沢広美・・36歳・・・)

「・・高沢広美様、36歳でいらっしゃいますね」

(!??なんなのこの子!?)

広美は驚いた。

「すみません。少し気持ち悪いですよね。」
愛想笑いを浮かべた。


「では今度はあなたが困っている事を探し出していきます」


「あ・・そのまえに!探られたく無いことは極力避けますので、見たとしても
 なんとも思いませんので安心してください!」

「はい」

(おもしろい子だわ・・)


——数分後——

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・上司さんは課長で、その方にストーキングされていませんか?」

「・・はい」

「電話、帰り道、家にまで来ているようですね・・しかも転職もなされたのに・・」

「はい・・」

「どうやら今日は風邪のようでつけて来てはいないようですね・・」

「・・・・はい・・・・。」

「もう何度も警察に連絡しているというのに警察が動いてくれないんです・・」
泣きそうになりながら広美は訴える。

「広美さん、当ててばかりではどうしようもないので今度はあなたに当てられた気を読みます。」

「当てられた?・・・」

「はい、その課長さんがあなたにとても強い気を残しています。
 それを読み取っていきます。」


——数分後——


「課長さんは・・・あなたの事が好きなのは確かです。
どこまでも追求したい心でいっぱいのようです・・・
・・その、非常にドロドロしてます・・」

解釈人は少し引いてしまった。

「そうですか・・・」

「解決は・・・」

「もちろんしたいです!」

間髪入れず言った。

「ですよね・・。今までは証拠がなかったから警察は動かなかった。
 ということは、証拠があれば、警察もそれ相応に動いてくれる・・
・・・・ハズです」

「友達はいないので決定的な証拠が残りません・・・」

がくんと下に首を倒しながら言った。

「ああ、そのことなら私がやります」

「!?・・いいえ、ダメです!あなたにそんな事まで・・」

「大丈夫ですよ。ビデオに撮るだけです!
私ともう一人大人の男性を付けます。
それに私、心術屋とか名乗っておいて結構別の事してますから」

「・・そう?・・あの、ではお願いします!」

神にもすがる想いで広美は解釈人に頼んだ。









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