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〜鳩羽〜
日時: 2011/01/01 20:05
名前: 暖簾 (ID: T76WykmP)

こんにちわ。初めまして暖簾(のれん)です!小説を書くのは初めてですが・・・
よろしくお願いします!


 〜登場人物〜
神姫 鳩羽(しんき はとば) 女 13歳 冷静
髪の色は紫でポニーテール。目の色は赤と琥珀色のオッドアイ。
青い着物を着ていてスミレの花の柄がある。
肌は白い。黒い鼻輪の下駄をはいている。医者

柴野 久(しばの ひさ) 男  20歳 負けず嫌い
髪の色は赤で目の色は薄茶色。髪を横で少し縛っている。
黒い半纏を羽織っていて茶色の着物を着ている。
草鞋を履いている。 医者

鳥羽(とば)男 冷静 66歳
黒い半纏を羽織っていて緑色の着物を着ている。
青い鼻輪の下駄を履いている。
 

薄利(はくり)男
右目に傷がある案内鳶。喋る。




 バチッ、バチッ

 私は燃える家を前に一人、突っ立っていた。燃える真っ赤な炎が、
 私の瞳に映った。
「これで・・・お別れですね・・・父上」

 この炎を何度も成長する中で見てきた。
 よく、義父に連れられ戦場へ行った。血生臭い、生々しい死体 
 が足の踏み場も無い程転がっていた。私達、医者はその中で
 生きている者だけを運び治療するのが仕事だった。私は戦場へ
 いく度思った。この戦国の世に・・・

    【幸せなど、存在しないのではないか】

 私はこう幾度も思い、そして戦場を見ながら成長してきた。
 いつしか義父が他界し、13歳の私はこうして医者をして
 旅をする事にした。私はこうしてまだ燃え盛る家を後にした。
  「本当にいいのか?鳩羽」
 「ああ、いいんだよ、これでな」
 (そう、いいんだ・・・いいんだ、これで)
 「・・・まあ、いいや。それより、鳩羽これからどうする。」
 「薄利、貴様はいちいち色んな質問をしてくる鳶だな。
 とりあえず医者をして旅を続ける。加賀はどっちに行けばいい。」
 「お前なら俺がいなくても大丈夫なんじゃねぇの。飛んでっていい?」
 「貴様・・・焼き鳥にするぞ・・・」
 「はい、ごめんなさい。まあ・・・加賀はあっちさ。」
 「そうか、まずは柴野の所へ荷物を取りに行くぞ。
 父上が生前預けておいてくれたのだ。」
「柴野!柴野久!」
「・・・・よぉ・・・久しぶりィ。鳩羽」
「荷物を取りに来たぞ。どこにある?」
「ああ・・鳥羽がお前に渡してくれって言ってた奴か。あっちにあるぜ。」
「そうか。ありがとう」
「おい、柴野。鳥羽って誰だ?」
「ああ、薄利は知らねぇんだったな。鳥羽は鳩羽の
義父だよ。鳥羽が河原に捨てられ元は死んでいた身の
鳩羽を拾って育てたんだ。」
「おい、柴野。何を余計なことを話している。
吹っ飛びたいか。」
「おう。戻っちまったか。そりゃあ悪かったねぇ。」
柴野は笑いながら鳩羽に謝った。
「まぁ、ありがとうな、柴野。」
「これから、どうする鳩羽。美濃に行くのか?」
「ああ。美濃の颯音八部(はやとはちぶ)に会いにいく。」
「そうかよ、気ぃつけろよ。美濃に行く道は最近、
物騒だっていうしな。」
「もちろん、承知しているつもりだ。ではな柴野。
ほれ行くぞ薄利」
「お、おう!」
「あ!鳩羽!」
「ん!?」
「鳩羽、俺はお前に負けねぇぜ。お前よりも腕のいい
医者になるからな!」
「ふっ・・・期待させてもらうぞ」



  


 
  








 


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Re: 〜鳩羽〜 ( No.1 )
日時: 2011/01/03 10:27
名前: 暖簾 (ID: T76WykmP)

早くも二話目で〜す。

〜今回の登場人物〜


颯音八部(はやとはちぶ) 女 冷静 34歳
美濃の医者。鳥羽の元同僚
黒い半纏を羽織っていて青い着物を着てる。
キセルを吸っている。髪の色は金色で目の色は緑。


 富水 雅(ふすい みやび)男 優しい気が弱い 14歳
料亭(八ノ屋)の店主の息子、体が弱い。心膜炎を患っている。
髪の色は黒で緑色の着物に下駄。瞳の色は黒。

 富水 谷之助(ふすい やのすけ) 男 気が強い 47歳
料亭(八ノ屋)の店主。鳩羽に雅の治療を頼む
髪の色・目の色は黒。緑色の半纏に黒い着物。
下駄。

 富水 智(ふすい さと) 女 気が強い 16歳
料亭(八ノ屋)の娘。次期店主。
髪の色は黒。目の色は黒。赤い着物に下駄。





 鳩羽は柴野のもとを後にし、颯音八部のいる美濃へ向かった。
 「加賀から美濃に行くにゃあ越前を通っていきゃいいだろう」
 「そうだな。しかし加賀と越前、美濃と越前の国境は物騒だと
 聞いているぞ。」
「お前の剣の腕なら大丈夫だろ?」
「まぁな、しかし国境は地図ではすぐに見えるが。結構長いんだぞ?」
鳩羽は薄利をさとす様に言った。
 「・・・・・・何者!」
「ど・・・どうした鳩羽」
鳩羽はとっさに刀を抜いた。
「ほぅ・・・珍しいね・・・水仙じゃないの・・・・」
「貴様、何者だ。」
「私は気配も殺気も消していたはず・・・アンタはかなりの腕前と見たよ・・・名を名乗りな・・・」
「ふん!人に素性を訪ねるときは・・・自分から名乗るのが普通では
無いのか?」
「へぇ。これは失礼したね。私は颯音八部。」
「は・・・颯音八部ぅ!?」
「何。何故、そんなに驚くの。」
鳩羽はビクリとした。会いに行こうとした人物がそこにいるのだ。
「颯音八部なら当然この顔を覚えているだろ。」
鳩羽は傘をとって顔を見せた。
「あ!」
(やはり、覚えているだろう)
「アンタ、誰だったかね!」
「覚えていないのか!?鳩羽だ!神姫鳩羽!貴様の同僚、神姫鳥羽の娘だ!」
「ああ!鳩羽かい!?」
「そうだよ」
「鳩羽・・・神姫鳩羽なんだね・・・・大きくなったね鳩羽」
「へへ・・・小さいころに言った通り医者になったぞ。」
「アンタならなると思ってたよ。なんせ血は繋がってないにしろ鳥羽の娘だからね。」
颯音八部は笑みを浮かべた。
「颯音八部。俺、薄利だよ。」
「薄利!あんたも立派な案内鳶になったね。」
「俺は案
「そうかい・・・・」
「それより・・・何だ!颯音八部!いきなり剣を向けてきおって!」
「ああ、悪かったよ。だって残党が現れたと・・・」
「狩るぞ・・・・貴様・・・」
「はいはい・・・ふふ・・」
「それより、颯音八部。なんでお前は美濃にいないんだ?」
「ああ。今、越前で心膜炎の病人がいてね・・・」
「心膜炎・・・・その医者に私を会わせてくれ!」
「でも・・・医者はアタシ以外は入れないんだよ。相手は料亭の店主でね・・・」
「神姫鳥羽の娘だと言えばよかろう。」
「ああ!その手があったね!」
(気づけよ!)


 〜越前〜料亭(八ノ屋)
「富水さんはいるかい。」
「あ!颯音八部さん!そちらの方は・・・」
「ああ。アタシの昔の同僚。神姫鳥羽の娘。神姫鳩羽だよ。」
「ととととと!!!鳥羽さんの娘ぇ!?」
「そうさね。で、コイツ腕が相当なもんだからぜひ、アタシじゃなくて
コイツに治療させたいんだけどねぇ。ダメかい?」
「て、店主に言ってみます!」
「神姫鳥羽の娘?」
「は・・はい!それも腕がかなりの者と颯音八部が・・・・」
「ふん・・・よかろう、ここへ通せ。」
「颯音八部さん!鳩羽さんを通せと!」
「そうかい、行っといで鳩羽。」
「ああ。」
「お前が神姫鳩羽か・・・」
「貴方は・・・・八ノ屋の店主・・・」
「富水谷之助だ。息子の富水雅が心膜炎を患っていてな・・・鳥羽さんの娘である鳩羽・・・お前に治してほしいんだ。」
「わかりました・・・承知していると思いますが・・・報酬はきっちり頂きますよ・・・・」
「ああ。」
「お父さん?」
障子が開き一人の娘が顔を出した。
「ああ、紹介しよう。私の智だ・・・智。この方が雅を治してくれるぞ・・・」
「弟を!弟をよろしくお願いします!!」
聞いたとたん智はとっさに畏まった。
「はい、弟さんは必ず私が治します。」


  


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