ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

アンチヒーロー 
日時: 2011/01/05 16:39
名前: KING (ID: 3CTEqyYl)

自己中心的でお金が好きで最悪な性格でサディストなヒーロー

       此処に参上________




クリック有難う御座いますm(__)m

初めまして、KING(キング)です♪
勿論、小説は初めて書くので長編になると思います。更新は遅いと思いますが、よろしくお願いします。



Page:1



Re: アンチヒーロー  ( No.1 )
日時: 2011/01/05 17:09
名前: KING (ID: 3CTEqyYl)

プロローグ


  

  第1章  【最低なヒーロー参上】




  「きゃぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」




暗い路地裏でOL姿の女性が、バック片手で逃げていた。
女性の後ろから、帽子を深く被った男が果物ナイフ片手に向かって来ている。

「待ってよぉぉ………俺と………つ、付き合ってくれるってぇぇ………言ったじゃないかぁぁぁ…………」

男は変な喋り方で女性に近づいていく。その足取りは、最早酔っているとしか思えない千鳥足だった。
女性は暗い路地から抜けると、夜中の線路沿いの歩道を精一杯駆けて逃げていく。

「もう………無理ぃぃぃ…………」

女性は地面に倒れると、息を荒げながら後ろを振り向いた。男は路地から飛び出し、倒れている女性に気付いた。
すると、不気味な笑みを浮かべてナイフを握りしめる。


「そんなに逃げたいなら………あの世に逃げろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


男は走りだしナイフを振り上げて女性の前で止まった。女性は恐怖で悲鳴も叫べず、呆然とナイフを見つめる。
そして、男は狂ったように笑いながらナイフを振り下ろした。




「はい終了〜ぉ。」




「え?」




男がナイフを振り下ろした瞬間、その男は勢いよく横に吹き飛んだ。そのまま金網に叩きつけられる。

「痛ったぁぁぁ……誰だよぉぉぉ………」

男は叩きつけられた拍子で手放したナイフを拾おうとした。が、その瞬間、視界が真っ暗になった。

「俺の顔見ただろ?」

「な、なんだよぉぉぉぉ……離せぇぇぇぇ!!!!!!!」

男は謎の男性に目を手で隠され、必死に振りほどこうと暴れる。だが、謎の男性の手の感触で気付いた。
まるで、金属の様に冷たく、それは皮膚ではない。

「……だ、誰だよ……人間じゃない…………この手。」



「んじゃ、刑務所へ行ってらっしゃ〜い♪」



謎の男性は男を金網に叩きつけると、首に手刀を喰らわした。直後に男は気絶して地面に倒れた。
その光景を呆然と見ていた女性は、男が気絶したのを見ると立ちあがって一礼する。

「あ、ありがとうございます!!」




「財布出せ。」




「へ?」

謎の男性は女性が持っていた高級バックを引っ張り、中にあった財布を取り出す。
財布を取り出すと、中を確認してバスカードや免許証を捨てて財布をポケットの中に入れた。
女性は意味が分からず、慌ててその人物の手を掴んで止めた。

「な、なにしてるんですか!?」

「ん?決まってるだろ?謝礼だよ。」

男性は女性の肩をポンポンと叩くと、耳元に口を近づけた。



「俺のこと言ったら殺すから。通報は気をつけてやってね♪」


ウエーブヘアーに特徴のない顔の男性は微笑むと、女性の目の前から足早に去っていった。
女性は唖然とした表情で、走っていく救世主?を見つめていた。



「………助かったの?私………」



    

Re: アンチヒーロー  ( No.2 )
日時: 2011/01/05 17:45
名前: KING (ID: 3CTEqyYl)

ガチャ_______


3階建てのアパート‘サンシャイン’。303号室の電気が、夜中3時に点いた。
部屋の中は最新モデルの液晶テレビ、有名な画家が描いた絵、手に入りにくい高級なソファー、その他の高級品。
アパートの部屋には似合わない家具が揃った部屋に、1人の男がコンビニ袋片手に入ってきた。

「5万7千21円………まぁまぁかな。」

男は女性物の財布をゴミ箱に捨て、現金やキャッシュカードをテーブルの上に置くとソファーに座った。
コンビニ袋からサンドイッチとイチゴ・オレを取り出し、交互に口の中へ運ぶ。

「にしても………調子悪いな………」

男は着ていたシャツを脱ぎ、左肩から左手をじっくりと見て顔を顰める。そして、左肩に右手で触れる。


プシュー


空気が抜けるような音がすると、左肩が「ガチャ」という音を鳴らしながら外れた。その正体は、義手だった。
しかし、普通の義手とは違い、何か異様な雰囲気を漂わせている。

「充電しねぇとな。ったく………燃費が悪いな。」

腕の関節部分を押すと、再び「プシュー」と音が鳴り、関節部分に正方形の切れ目が現れ、ゆっくりと開いた。
中にはコンセントが畳まれて収納してあり、男はコンセントを取り出すと、壁の差し込み口に差し込んだ。
その瞬間、左肩から腕の関節部分にかけて青いメーター10本が、皮膚の上に点滅しながら表示される。

「明け方までには終わるだろう。」

男は残った右手でサンドイッチを食べ、イチゴ・オレを飲みながら義手を見つめる。

      
     **********


「緊急患者です!!!東京駅前の道路で交通事故に遭い意識不明の重体です!!!!」


東京大学病院。真昼間に、血まみれの男の子が担架で運ばれてきた。男の子の左手には、大量のガラスが刺さっている。
男の子はそのまま手術室に運ばれ、緊急手術が始まった。
男の子に麻酔が撃たれ、周りを取り囲む男性医師と数名の女性助手。全員が汗を流して手術に没頭した。

だが、結果は悲惨なものだった。

男の子の左手はすでに全ての関節が使い物にならなくなり、完全に飾り物状態と化していた。切断せざる負えない状態。
そして、男の子は7歳の若さで左手を失った。


    **********


「この世の中も腐ったもんだな。」


男はイチゴ・オレを飲みながら、昨日の新聞を見ていた。新聞には殺人事件、強盗等の犯罪事件が一面を飾っている。
新聞を一通り見ると、液晶テレビの横に置いてあったトランシーバーの電源を入れ、机の上に置いた。

『世田谷区2丁目でひったくり発生。至急、現場近くの警官は向かってください。』

「ふふっ……夜中も事件三昧か。苦労してんな、警察も。」

男はイチゴ・オレを飲み終えると、空箱をゴミ箱に捨てて窓を開けた。
外には昔に完成したスカイツリーが建っており、その横には見たことのない王宮の様な建物が建っている。
王宮の様な建物はあり得ないほど大きく、周りが高い壁に囲まれているため内部は見えない。


「王様………ねぇ…………」


男は東京の街に建つ王宮を見ながら微笑すると、ひっそりと呟いた。




「俺なりのやり方で、あんたを倒すよ。王様。」


Page:1



この掲示板は過去ログ化されています。