ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- あたたかい心をとどけたい
- 日時: 2011/01/07 13:52
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
はい、放置多発の主でおります。
今回は「あたたかい心をとどけたい」です。
さて 私の祖母は、11月(?)に他界しまして、この世を去られたわけであります。
病気などがあり、苦しい時もあったとは思いますが、葬式の時はやっぱり綺麗な自慢の「おばあちゃん」でした。
・・・いきなりなに?と思う方もいると思いますが、私にも分かりません←
お祖母ちゃんとはまったく関係なくなるわけですが、{死}に関する小説であります(´・ω・`)
さて、始まり始まり〜
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- Re: あたたかい心をとどけたい ( No.1 )
- 日時: 2011/01/07 14:13
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
私は迷っている。死ぬか生きるか。
今月「ママ」が亡くなった。自殺で。
その三日後、立て続けにお祖母ちゃんが亡くなった。病気で。
とっくにパパの方のおとーさんおかーさんは亡くなってる。病気で。
ママには妹がいる。養子待ちの。
パパには兄弟がいない。一人っ子。
だから私は二人しか頼る人がいない。
だけど、ママの妹とパパは仲が悪い。このことを、中2の私はこっそり知っている。
私を金持ちのママの妹、通称「鬼嫁」の養子にすることもパパは考えている。このこともこっそりと知っている。
パパはまず、「お金がない。」
ママが自殺する一週間ぐらい前、夜に水を飲みに行こうと思ったら、リビングでママとパパが話していた。
「お前の妹さんに、こんな多額の金を貸してもらっているんだ。もう、どうしようもないよなぁ。・・あの方法しか。」
「あの方法なんて、絶対嫌!コツコツ、お金を積み立てていけば、きっと返せるわよ!」と、怒るママ。
「無理だよ、もう。リリの為にも、リリをお前の妹の養子にしよう!」
泣いて、怒るママ。
酒で酔っ払っているパパ。
状況がうまく飲み込めない、私、リリ。
コッソリと又部屋に戻って、喉がカラカラなまま、声を押し殺して私も泣いた。
そんなに大きな声で泣いて叫んだら、聞こえちゃうよ。ママ。
今でもまだ、あの時の声が、耳に焼き付いている。
- Re: あたたかい心をとどけたい ( No.2 )
- 日時: 2011/01/07 15:09
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
「やだぁ〜 凄い災難だったねぇ。リリィ。」
由美は言葉を上手く切れない。粘っこい声が、ママが死んでから一週間後の朝。初登校日、また頭にキンキンきた。
「ドンマイ!災難はつき物だよ!人生には!」人生には災難はつき物だよ。そう言うべきじゃないのかな。国語が苦手なケイちゃんは、クラスで一番のお調子者。ケイちゃんが続ける。
「リリが休んでる間にピーチ12月号が発売しちゃったんだよ!超災難すぎー。何か今月、病気で専属モデルの舞タムが入院しちゃったらしい!死んだのかなー?ガハハハ!」
こんな風に、大事を簡単に表しすぎてしまうのが、とてもケイちゃんのもったいないところだと思う。見た目はおしとやかで可愛い感じなのに。
私の一番の友達とは、今日、まだ話していない。
友達蘭は、教室にいるし、私が来ていることも知っている。
だけど、喋らない。
その理由は、分からないけど、きっと、ウルサイ。あんな子らとは関わりたくない。そして、私を心配して。が一番の理由だと思う。
何で、関わらないのが私を心配して。なのか分からないけど。きっと、喋らないのが優しい。なんてことないのだろうけど。
私はそれでも、{死}の意味を簡単に表してしまうケイちゃん達よりは、クールな蘭の方が、好きなんだと思う。
ケイちゃん達から離れて、私は蘭の方へ向かう。
「おはよ。」
「・・・おはよ。」
そっけない返し方だけど、表情は笑っている。
ニッコリと。
眩しかった。
- Re: あたたかい心をとどけたい ( No.3 )
- 日時: 2011/01/07 15:29
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
お昼。誰もいない、木の下で食べる。
弁当の中身を見て、あーあ。とため息をつく。
パパに弁当を作らせるんじゃなかった。明日からは、私が作ろう。二時間早めに起きて・・・
こんな時、ママがいれば。と、ふいに思ってしまう。悲しい。
なかなかママの死について喋りださない蘭を見て、何を思ったのか、私から蘭に喋りだした。
「・・・ 知っての通り、私のおかーさんが死んじゃったの。だから、こんな変な弁当なの。変でしょ・・・?ジサツなんだって。馬鹿みたいだよね。おばーちゃんも死んでさ。今、身内で頼れる人が、二人しかいないの。おとーさんと、おかーさんの妹。この二人、仲悪いのにさ・・はは・・・」
泣くのをこらえて、無理して笑いながら言ったのに、欄の返事は「そうだったんだ。」だった。
「何?蘭、私、養子に行っちゃうかもしれないんだよ?悲しい?どう?・・・どうしよう。私、蘭から、離れてしまうかもしれない!」
わざと蘭を悲しませようとしたら、涙が出てきた。
泣いているママ。
怒っているママ。
笑っているママ。
もういない。何をしても、生き返らない。
ため息を、フウ、とついてから、蘭は言った。
「・・・あたたかい心を持つアメちゃん、いる?」
普通の苺味のアメなのに、ネーミングセンスの悪さと不思議な意味で、フっと笑ってしまった。
一体、何を蘭は伝えたかったのか。
「言いたいこと全部言って、スッキリした後に、アメちゃんの甘さでフフッて、明るい気持ちになれるでしょ。アメちゃんがリリに、暖かい心を届けたんだよ。」
なんなのかはよく分からないけど、いいことというのは分かる。
「ありがと。」
ニコッと返すと、顔を隠してクールな声で、
「アメちゃんに礼を言うべきだぞ。」と言った。
照れてるのかな。
やっぱり蘭は、好きだ。
- Re: あたたかい心をとどけたい ( No.4 )
- 日時: 2011/01/08 13:57
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
ママが死んでから、丸一ヶ月がたった。
「ほーんま急やったねぇ。リリちゃんは新しいママ、欲しくない?」ほんと、ママがまだ頭から消えてないうちに、鬼嫁は「あたしがママになってあげようか?」なんてことを言いだすのだろう。いわゆる、ケーワイの、女王様的存在だ。
「いらないです。」きっぱり言えた。
「いらない」とは本当に心から思っているのかは分からないけど、というか、違うだろうけど、「いる」何て言ったら、鬼嫁に私が絶対とられてしまう。 私から思うこの状況は、絶対「いる」なんては言ってはいけない状況だ。
「んー・・・・」鬼嫁がめんどくさそうに、話が進まない。ともいいたそうに、呟いた。
「ママがいなくなって寂しいでしょお・・・?中2の思春期真っ只中のリリちゃんには、新しいママが必要だと、あたしは思うよぉ・・・そうだとは思わない・・・?」
余計なお世話。
この口調は「ママが絶対いなきゃ駄目じゃん。」と言いきかせているようなものだった。だけど、私は「今は親がいてどうなる。とかいうのじゃなくて、友達がいればいいんです。逆に、親がいたら、迷惑ですし。」と、顔には似合わないような厳しい言葉を言った。
「リリちゃんは、ママが死んでから一ヶ月しかたってないから分からないだけよぉ〜。本当は影で支えているんだよ?親って、そういうものなのよね。」もはや、親がいればいい。いなくてもいい。の選択ではなくなってきたような気がする・・・
- Re: あたたかい心をとどけたい ( No.5 )
- 日時: 2011/01/08 14:13
- 名前: ガ チャ 子 (ID: ez4qQ6a7)
- 参照: http://ameblo.jp/hikarinaoya1218
今まで黙って聞いていたパパが、ようやく喋り出した。
「・・・リリがお母さんを欲しがらないのであれば、俺は無理矢理母親を作ろうとは思わない。リリは、本当にいらないんだろう?」
「うん・・・」 パパも私の意見に賛成してくれているというのを知って、少し、落ち着いた。何て、2対1って、強いものなのだろう。
「で、でも!本当に生活にママは必要なのよ!?じゃあ聞くけど、あなたはリリちゃんのブラとかショーツ、買ってあげたの!?リリちゃん、結構大きいし、透けちゃうのよ!」
「・・・」パパは驚いたような顔になって、赤くさせた。まって、何でソコをつっこむの?そんなところ、いいじゃない!
「・・・リリ、御免な。パパ、全然気にしてなくて・・・」急にシュン。と悲しげな顔になったパパを見て、私はどう反応していいか分からなくなってしまった。
「男の子じゃないんだから、ちゃんと、いろいろサポートしてあげてよね!」
「おばさん、止めて!!!!!!」
ようやく止めに入れた。まさか、こんなことまで話されるなんて、思ってもいなかった。女である鬼嫁は、私の悩みをちゃんと理解してくれていたのだ。 私はどちらかというと、成長も早かったし、胸も大きい方だったから、正直学校では、ブレザーで透けているのをごまかしながら授業を受けていた。洗濯をするのもパパだったから、なかなか自分から買うことができなかったのだ。
「リリちゃん、あたしの所に来たら、女として、ちゃーんと育ててあげますからねぇ。」でた。とうとう、誘いがかかった。
「・・・リリは、おばさんの所、行きたいのか?本当に、行きたくないのか・・・?」「え!?ちょっと、パパまで・・・」
悲しかった。パパは、引き止めてくれると思ったのに。「私は本当に行きたくないよ!パパの側にいたいんだけど・・・!」
フアンだった。だって、大人二人対子供一人だったら、負けるに決まっているから・・・
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