ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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それでもいいと思えれば
日時: 2011/01/07 20:20
名前: 彩夏 (ID: z070pZ.J)

「もういいよ、もう、いいから。」
冷え切った空き教室に東君(アズマ君)の声が響く。
低い声は少し震えていて、私の上から優しい雨のように舞い降りてくる。
泣かないで、泣かないで。
何度も何度も自分に言い聞かせるけれど、涙が絶えず、私の袖の色を色濃く変えている。
苦しくて、悲しくて、だけどやっぱり私たちはそれを望んでる。
「もう泣かないで、俺も悲しくなる。泣きたくなる、だろ。」

支えあうように、助けあうように…。
そうでなければきっと恋なんてできない。
きっと愛せない。
きっと。

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Re: それでもいいと思えれば ( No.1 )
日時: 2011/01/07 20:33
名前: 彩夏 (ID: z070pZ.J)

教室の隅。
そこに窓側、一番後ろの席に彼は座っている。
左京君(サキョウ君)という背が高い、漆黒の髪の男子生徒。
一目惚れ…だった。
細く長い指、首筋、切れ長の目、そしてあまり開かれることのない唇。

なんて綺麗なんだろう…。

頬が赤く染まっていくのがわかる。体が震える。
私が左京君に染まるのに時間なんていらなかった。

Re: それでもいいと思えれば ( No.2 )
日時: 2011/01/07 20:38
名前: 彩夏 (ID: z070pZ.J)

いきなり書き始めてすみません
はじめまして、彩夏アヤカと申します
小説家を目指していたり、いなかったりします
どこに書くか、など全くわからないのでこんな形で書いていきますが、コメントとか途中でもいただきたいので、ご理解ください
荒らしはやめていただきたいです
こんなものでよろしければ書いていきますのでよろしくお願いします

Re: それでもいいと思えれば ( No.3 )
日時: 2011/01/07 20:47
名前: 彩夏 (ID: z070pZ.J)

「好きです、左京君が…、好きなんです。」

彼に一カ月間片思い生活を続け、私は告白した。
外階段に彼を呼びだして、来てくれた時は凄くうれしかったのに…。

「…それ以上言うな、迷惑だから。」

あぁ、世界が崩れた。
そう思った。
世界が私の瞳から雫となって墜ちていく。
色が、消えた。
きっとその時、私自身も崩れてしまったんだと思う。


その日から私は、左京君に歪曲した感情を向けるようになった。
好き、好き。
抑えられなくなったら、どうすればいい?

Re: それでもいいと思えれば ( No.4 )
日時: 2011/01/07 21:00
名前: 彩夏 (ID: z070pZ.J)

「こんにちは、はじめまして。」

俺、八王子ハチオウジ東は本当に損な人間だと思う。
「はじめましてー!梨衣羽リイハです。」
俺を見ているかのような瞳は、俺を捉えていないとすぐに分かった。
梨衣羽は親戚の双子の家に遊びに行ったときに丁度遊びに来ていた同い年の少女だ。
俺は兄のほうに会いに来ていて、梨衣羽は妹に会いに来ていた。

俺は本当に損な人間だ。
出逢った瞬間恋をして、そして、彼女が異常な人間だと気が付いてしまったから。


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