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ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命-
日時: 2011/01/10 13:54
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)

死ぬのが怖いなら、死ぬ直前までの世界を永遠に繰り返せばいい。そうすれば、永遠に死なない。
己が生み出した生ある人形を利用し、人間を手駒にし、吸血鬼を誘惑してきた。

私が救われるのは、永劫回帰が成るその日か、もしくは腹に愛しい男の子を孕む時か。



クリック有難うございます。魑魅魍魎です。素人の癖に掛け持ち……。こちらの方が更新が速くなりそうです。

「ツァラトゥストラはかく語りき」ドイツの哲学者、ニーチェ著作の哲学の本です。
永劫回帰……。言葉では説明し辛いですが、永遠に同じ事が繰り返される。みたいな感じです。

目指すは復讐!(← 怨讐に満ちた少女を恐ろしいほどリアルに書きたい……(←
流血表現やら、過激な表現がありそうなので、苦手な方は戻るをクリックして下さい。

純愛ではなく、偽りの愛情的な表現が多いと思います。
「純愛しかダメなの」なお方は戻った方がいいと思います。

全体的にドロドロしまくりな重たすぎるお話にしたいので、苦手な方は身の安全のため、戻って下さい(←

では、注意です。よくお読みください。
 1、荒らし&中傷目的です。
 2、魑魅魍魎(の小説)が嫌いです。
 3、更新亀並みなんて嫌です。
 4、駄文何て読めません。
上に一つでも頷く項目があれば、小説を読むのをご遠慮ください。

では、始まります。駄文覚悟で目を通して下さる皆様、厚かましいですが、コメントを下さると嬉しいです。
        では、宜しくお願いします。


   「ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命-」
人間編 登場人物&イメージソング>>01
人形編 登場人物&イメージソング>>02
吸血鬼編 登場人物&イメージソング>>03
用語解説>>04

   +復讐怨讐物語+
人間編  序章「人間は人間であるため理性を失う」
>>05 >>06
人形編  序章「復讐の道具、今夜私は貴方を裏切る」
>>07 >>08
吸血鬼編  序章「棘の絲、逃れられぬ愛の鎖」
>>09 >>10 

Ⅰ「赤いアリス」>>11 Ⅱ「青いアリス」>>12 Ⅲ「緑のアリス」>>13

   ♪イメージソング♪
人間編 ボーカロイド「人柱アリス」>>01
人形編 ali project「禁じられた遊び」>>02
吸血鬼編 ali project「愛と誠」>>03


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Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.9 )
日時: 2011/01/10 09:56
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)

吸血鬼編  序章「棘の絲、逃れられぬ愛の鎖」


あいつは報われない女。初めて知る事が出来た愛を裏切られ、愛を忘れた女。

俺は何100年も前からあいつを恋慕していた。嘘偽りない愛情で。でも、あいつは振り向かない。

愚かしい人間の男に現を抜かして、やがて身も心もボロボロになって戻ってきた愚かな女。


その時俺は、あいつを抱き締めて言ってやった。これ以上ない優しい声で

  「恨みがあるのなら復讐すればいい。必ずや報われる結果になる」


だが、こちらの準備より早く、あいつを捨てた馬鹿な男らが先に俺らを滅ぼしに来た。

残った吸血鬼は、俺とあいつともう一人の男。その男は、吸血鬼の中でも1、2を争う名家。


それ以来あいつは、男と手を組んで人間に復讐する事を考えた。俺が授けた知恵で。

そんな愚かな行動をとるあいつを、笑えたらいい。馬鹿な女だと笑う事が出来ればいい。


でも、それができない俺は狂うほどにあいつを愛してる。

あいつは男と手を組むため、自分の身体を男に捧げた。傷一つない、白くて細い、穢れを知らぬ肌を。

     あの男なんぞに与えた。自分の純潔を。


喩え他の男に穢された身体でもいい。もっと穢して、壊して───。



        やがて殺してしまいたい






Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.10 )
日時: 2011/01/10 12:26
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)



これを歪んだ愛情と言うのなら、俺は悪くない。悪いのは全てあいつ。


「私が彼らに授けた人形、上手に動いてくれているわ」

透明な水晶の中には、ローズと名付けた人形の姿があった。こちらに向かってきている。
力の媒介、レニールと共に。左手の薬指に赤い薔薇の指輪をつけて。


「……後悔は?」

リリアーヌ……。愚かしく、浅ましく、壊してしまいたいほどに愛しい存在。

「ないわ。貴方は?」

オウガ。私を利用しているつもりの貴方。貴方の企みに私が気づいていないとでも?

「俺もない」

……嘘。せめて死ぬ前に、お前を殺したい。俺が死にそうになったらお前を殺して、それから俺も死ぬよ。


「嘘ね。大丈夫よ、貴方が死にそうなら私が殺してあげる」

そして、そのあとに私も一緒に死んであげる。最も、彼が許してくれるか……。だけれど。

「それは有難い」

一緒に消えるのも悪くない。ただ、あの男がそれを了解するか。あの男はきっと許さない。


あの男は、リリアーヌを妻にするつもり。そして、誰よりも高潔の吸血鬼をこの世に生み出す気だ。


   あの男の子を孕ませるくらいなら、殺す。


      あの男の前でお前をズタズタに斬り裂いてやるよ。


Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.11 )
日時: 2011/01/10 13:03
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)

Ⅰ  「赤いアリス」


「忌々しい吸血鬼よ! 今、ここに討ち滅ぼす!!」

凛々しい男の声。キラー家長男のレニールの声。レニールの傍らには、ローズが存在していた。


沢山の家来を打ち倒し、吸血鬼が待つ王座の間へと走り続ける。

全身に返り血を浴び、剣を振るい、多くの命を奪いながら。


「……馬鹿馬鹿しい」

そう冷たく呟いたのはオウガ。そして、己の武器の刀を腰から抜き取り、構える。


その瞳は「使い物にならない家来はすっ込んでいろ」と言っているようだ。


「吸血鬼一族よ! 今一度滅ぼさん!!」

と、レニールは果敢にオウガに挑む。果敢の対価は、恐らく死。


「貴方はわたしとよ」

リリアーヌの前には、ローズが立っている。そして、薔薇の花弁を刃とし、彼女に向けて飛ばす。


「……」

彼女は動揺する風もなく、静かに瞳を閉じる。薔薇の花弁は、その時生まれた黄金のバリアに吸い込まれる。


「くっ……!!」

レニールは恐るべき身体能力を持つ吸血鬼相手に苦戦しているようだ。
素早い刀の動きは目で捉えるのがやっと。彼は防戦一方だった。


「レニール様っ!」


ローズが悲鳴を上げたときにはもう遅い。オウガの刀は、レニールの心臓を捕らえていた。


彼の左手の薬指の指輪が、灰のように黒くなり消える。


「……そんな……」

絶望に満ちた声色のローズの指輪も灰と化す。


   そして、二人の身体も灰と化して消える。



        それ以降、二人はキラー家に戻ってこない。

Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.12 )
日時: 2011/01/10 13:14
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)

Ⅱ  「青いアリス」


「……」

レニール兄さんが死んだ。兄さんについて行ったローズも死んだ。
……人形に「死」と言う表現はおかしいのだろうか。


兄さんの仇討ちと、吸血鬼を滅ぼす。二つの目的を持ち、私は城へと向かう。


     忌々しい吸血鬼が待つ城へ───。


だが、城へ赴く途中、一人の町娘と出会う。とても美しい町娘。

彼はその町娘と禁忌の恋へと落ちた。目的も忘れ、我も失くし、ただ町娘に己の全てを捧げた。

身体も捧げ、心も捧げ、全て彼女に尽くした。金も、愛も───。


その町娘こそ、忌々しい吸血鬼。彼は身体中の血を吸われて死んだ。


残ったのは人形。カミーリア。カミーリアはオウガと戦っていた。

だが、力の差は歴然。カミーリアはオウガ相手に素晴らしい奮闘をした。だが、彼女の身体は散る。

カミーリアは跡形もなく消えた。だが、エルザの首は「吸血鬼を愛した愚かな男」として、王座に飾られた。

   


    まるで、見世物のように。動かない彼の首は、全ての人々に嘲笑われた。


  愚かしい恋に落ち、女に騙され、何もかも失った馬鹿な男として。


Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.13 )
日時: 2011/01/10 13:53
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)

Ⅲ  「緑のアリス」


「エルザお兄様ったら……」

誰もがエルザの死を愚かだと言った。肉親までもが彼を嘲笑う。

「キラー家の面汚し、だね」

と、容赦のない棘だらけの言葉がクロウの口から発せられる。


「次はわたしね……」

席を外すロザリンド。アスターを腕に抱いて、少し悲しげな表情を浮かべている。


「行こう。大丈夫、アスターができる限りロザリンドを守るから」

アスターだって、お姉ちゃんの仇を討つ。でも……。勝てる自信は勿論ない。
力の差がありすぎる。アスターにだってわかるもん……。


           ・
           ・
           ・

「お兄様たちの仇!!」

ロザリンドは科学では説明不能の魔法を使って戦う。相手になったのはリリアーヌ。
アスターとオウガでは力の差は歴然。だが、アスターは己のできる限りの力で戦っている。


「ああぁぁぁぁ!!!!」

アスターは薔薇蔓でオウガの動きを封じるも、オウガの刀はその薔薇蔓を切り裂く。

「っ、くぅっ!!!」

アスターが己の力をすべて出したところで、ロザリンドが倒れた。


「えっ……?」

アスターはオウガには目もくれずロザリンドに駆け寄る。もう息はないようで、指輪は消えていた。


「……主の力を使いすぎたのよ」

リリアーヌ……。アスターを造ってくれたママ。アスターたちを見捨てるんだね、ママ。


   「ママ、大好きだよ……」


そして、ロザリンドとアスターも帰ってこない。





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