ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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悪魔学者と小娘。
日時: 2011/07/03 17:57
名前: メイト ◆Y3OgiZluOM (ID: au7rBPzb)

※果たしてこれをシリアスと呼べるのか不安になってきましたので、
複雑・ファジーのほうに移します(汗








初めまして! メイトと申します。

ファンタジー系大好きなので、
今回思い切って挑戦してみることにしました。
あと、悪魔とかさらに大好きなので今回(略

異世界トリップ…というか魔界です。
ツッコミどころの多い駄文ですが、読んで頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします^^

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Re: 悪魔学者と小娘。 ( No.1 )
日時: 2011/01/11 18:25
名前: メイト ◆Y3OgiZluOM (ID: Wx.cjsE7)

※修正しました





【  序章 〜ある悪魔とコウモリ〜】
















その日も彼が目覚めたのは、机の上に散らかった書物の上だった。いつの間にか突っ伏して寝てしまったらしいが、彼はあわてる様子もなく、ぼんやりと薄目を開けながら誰かがわめく声を聞いていた。ドアを叩く鈍い音に混じって自分の名前も時折聞こえるので、おおそらく起こしにきた使い魔だろう、と頭の片隅で推測する。

「起きていらっしゃいますか! サリバン様! 起きておいでですよね!?」

耳障りな声を出すコウモリだと思いながら、彼は何度か瞬きをした。まわりに高く積まれた分厚い資料や本を落とさないよう慎重に上体を起こした後、両腕を高く上げて大きな伸びをする。

「サリバン様! 緊急事態です! サリバン様!」

彼もといサリバンはちらりとドアを見る。繰り返しドアに体当たりされると、正直うるさくてたまらない。返事をするのは水を飲んでからでも十分だろうと、脇に置かれた水瓶を覗き込んだ。

すると、不機嫌そうな顔をした一匹の悪魔と目があった。
針のように尖った黒い短髪は、寝起きでも崩れることなくビシリと立っている。眉間に寄ったシワは、研究に没頭しているうちに知らずに自分でつくったものが、おそらくそのまま張り付いてしまったに違いない。左右の耳はとんがっており、口元は小さく真一文字に結ばれている。全体的に不健康に見えるかもしれない。
少し出歩いたほうがいいだろうかと考えつつ、手元の器で水をすくい、口に含むとひやりと冷たかった。

「サリバン様! 起きておいでですよね! 起きてらっしゃるなら返事の一つくらいいただけないと私めは——」

彼は振り向きざまに器をドアに投げつけた。コウモリ特有の嗄れた悲鳴がドアの向こうから響いた。

「聞こえとるわこの馬鹿が! 少しは黙れ!」

「申し訳ございません。しかし騒ぎを聞いた私めが外に出ましたところ、町は大騒ぎでございまして」

大騒ぎ? とサリバンは繰り返し、立ち上がりかけて思いとどまった。何も報告を聞くためだけにドアを開けてやる必要はない。 

「またどうせ荷車でも横転したんだろうが」

椅子に座り直して応えると、困惑したような声色で返事が返ってきた。

「いえ、そうではないのです。人間が現れた、と辺りの皆が繰り返しておりました」

手元にあった本をめくりはじめていたサリバンは、ニンゲンと聞いてその動きを止めた。

「何だと?」
「辺りの皆が繰り返しており」
「違うそこじゃない。お前、今人間と言ったか?」

数秒の間が空いた。
コウモリの羽音がよく聞こえた。

「はい」

サリバンは呟いた。


「なんということだ」





Re: 悪魔学者と小娘。 ( No.2 )
日時: 2011/01/11 18:30
名前: メイト ◆Y3OgiZluOM (ID: Wx.cjsE7)

登場人物紹介は…きっとそのうち作ります(汗
アドバイス等いただけると嬉しいです。
程々にびしばし指摘してやってください(?

Re: 悪魔学者と小娘。 ( No.3 )
日時: 2011/07/03 16:42
名前: メイト (ID: au7rBPzb)

彼は本を閉じ椅子から勢いよく立ち上がると、ドアに向かって書物の山を蹴散らしながら歩いた。長年の研究資料が埃と共に崩れ落ちたが、彼はお構いなしに大股で部屋を突っ切った。ぐずぐずしている暇はない。
変色して朽ちかけたドアを開けると、部屋の外には彼の使い魔であるコウモリが待っていた。

「ああ、やっと出ていただけ——」

サリバンは「タビ—!」と叫んでコウモリをひっつかんだ。タビ—と呼ばれたコウモリは羽をじたばたさせながら彼の手の中でわめいている。
タビ—を握る彼の手は小刻みに震えていた。

「な、なんでございましょう」
「本当に人間なんだな? 間違いはあるまいな?」

サリバンの声はどこか上ずっている。

「ちょ、聴力ならそこらの使い魔には負けない自信がありますが」

タビ—が喘ぎながら言った途端サリバンは彼をぽんと放り投げ、どこからともなく古びた黒い上着を取り出し、足早に外へと歩き出した。
その目はらんらんと輝いており、後ろのほうでタビ—が蛇行しながら懸命に飛んでいることには気づいてもいない。

「人間か、そうか! 俺の研究は無駄ではなかった!」
「サリバン様、できればこの哀れなコウモリのことも気にかけていただけると嬉しいのですが」
「ん? ああ、そうかすまんかった。まぁタビ—、しかしだな、なにせこの俺が報われようとしているのだ。しかも俺が追い求めてきた真理そのものが手に入るかもしれん!」
「まぁ、サリバン様は昔から色々と苦労が多いですからねぇ……そう簡単に人間と出会えるかどうかはまた別の話かと思われ」

サリバンは外へと通じるドアの手前で立ち止まった。
タビ—は慌てて口を閉じた。

「……この町にいるのだろう? 人間は」

怒りを向けられたわけではなかったらしい。
タビーは安心したように「はい」と返事する。

「確かな場所はまだ分かりませんが、恐らくはこの町に」
「そうか……ふん。何の因果で悪魔界に現れたのかは知らんが、俺が見つけ出す前にくたばっていないことを祈ろうではないか」
「我々が祈るのですか? まさか、あの『神』とやらに?」
「悪魔の中にも一匹ぐらい例外がいても不思議ではなかろう」

そしてサリバンはドアを開けた。
冷たい風が吹き込む。



「……必ず会おうではないか、人間」




そうぽつりと呟いた。


Re: 悪魔学者と小娘。 ( No.4 )
日時: 2011/07/03 17:56
名前: メイト (ID: au7rBPzb)

…えーと。

半年ほど放置しておりました阿呆メイトです。
なんだかこれをシリアスと呼べるのか不安になってきましたので、
複雑・ファジ—のほうに移します。
もしだれか読んでくださっている方がいたら嬉しいです☆


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