ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- トワイライト・エンジェル
- 日時: 2011/01/22 14:46
- 名前: 夕凪みかん (ID: cQ6yvbR6)
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初めまして!夕凪みかんといいます。
(注!…コメディのほうに間違えてのせてしまいましたっ
気にしないでください!
タイトルは「トワイライト・エンジェル」の
第一部崩壊の最果て です。
トワイライト・エンジェルと呼ばれる少女のファンタジーです。
長編になる予定!ですが、
1、更新が遅いかも
2、誤字おおいかも
3、期待しすぎは禁物
を心得て読んでください!お願いします。
登場人物はあとでかきます!
用語集 スペック…アリスタール国の秘密警察
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- Re: トワイライト・エンジェル ( No.1 )
- 日時: 2011/01/22 14:35
- 名前: 夕凪みかん (ID: cQ6yvbR6)
親愛なるアリーン・ローリエ
久しぶりです。アリーン。私はリー・クラリスです。
たぶん覚えていると思うけどずいぶん前にあなたの家にお世話になった少女です。
あのときは本当にありがとう。とても助かったわ。
突然なのだけど、あなたに守って欲しい約束があるの。
私は今とても大変な日々を送っています。悪い人たちに命を狙われているのよ。いつ殺されてもおかしくない状況で、今これをかいているわ。
もし、あなたの家に「セルア」という少年が現れたら、その子をかつての私のように家に入れてやってほしいの。そして全力で守ってやって。
ぶしつけだってことはわかっているけれど、もう耐えられそうにないの。お願い。その子を助けてあげて。
あなたにこの手紙が届くことを祈っているわ。
そして私があなたを大切に想っていることを忘れないでね。
愛をこめて リー
- Re: トワイライト・エンジェル ( No.2 )
- 日時: 2011/01/22 14:34
- 名前: 夕凪みかん (ID: cQ6yvbR6)
その不可解な手紙を読み終え、アリーンは首をかしげた。
あの美しい少女が──私たちの家に泊まっていったあのリーが、アリーンの力を必要としている。うすい、きれいなブロンドに陶器のように白い肌をもち、琥珀色の瞳をした少女。
忘れるはずもない。
アリーンが思わず自分を恥ずかしく思ったほどだ。
茶髪にブルーの目をした自分が、いつも以上に醜く感じて、少なからずアリーンはリーがうらやましかった。
リーの髪は、夕日に照らされると、銀髪に輝いて見え、彼女ほど黄昏に似合う少女はいないと感じた。
「トワイライト・エンジェルだ」兄のカーミンが唖然としてそうつぶやくと、リーは驚いたように振り向き、苦笑を浮かべてアリーンたちにつぶやいた。
「私はエンジェルなんかじゃないわ」
アリーンはその意味ありげな表情を、なぜかよく覚えていた。トワイライト・エンジェルと呼ばれてリーのなにかが変わったのは確かだった。
そんなリーが、手紙をよこしてきた。
まったく理解不能な手紙だ。セルアという少年が現れたら、守ってほしい?──いったいどういうことだろう?アリーンはとりあえずその手紙をきちんとしまい、兄のカーミンがセルアという少年を知っているかどうか訊きにいった。
「やあ、アリーン」部屋にはいるなり寝転がっていたカーミンは微笑んだ。アリーンは単刀直入に尋ねた。
「カーミン。セルアという少年をしっている?」
「いいや。知らないね。少なくとも俺の友達には一人もいない。そんな名前のヤツ」カーミンはひどく興味がなさげだった。だが、リーの名前をだしたとたん、彼は片方の眉を上げた。
「リーの手紙にかいてあったの。セルアを守れって……。でも、セルアなんて知らないしカーミンも知らないときたら、手も足もでないわ」
「そうだな」カーミンは頬杖をついて顔を上げた。「セルアの特徴は?」
「それが、かいてないのよ。セルアっていう名の子が家に現れたらとしかないの」
「おいおい。リーはいいかげんなやつだな」
「でも、字のようすをみると、ひどく急いでいるようね。細かいのはかけなかったのかもしれないわ」
カーミンは「うーん…」とうなると、セルアという少年をさがしてみるとアリーンに約束した。アリーンは礼をいって部屋を出たが、なぜカーミンに、リーが命の危険にさらされていると伝えなかったかと疑問に思った。
カーミンにいっても問題はないだろう。彼は口が堅い。
だけど、アリーンは言わなかった。予想以上の恐ろしいことが、リーの身に起きている気がしたからだ。
*
リーは息をきらしながらじめじめとした路地の店に押しはいった。暗い店の中に入り、呼吸を整えていると、数人のガラが悪そうな男たちがリーを見てなにやらひそひそと話していた。
リーは鋭い一瞥を彼らに与えると、スッと立ち上がってカウンターにいる豊満な女主人に近づいた。
女主人はリーに怪しげに微笑みかけると、ちいさくささやいた。
「可愛い子だね。あんた。ここらではみない顔だ。ところで、ここは未成年は入れないのさ。ウチは密造酒専門でね」
リーは微笑み返した。「ご忠告どうも。でも私密造酒がすきなの。ラムクスとステルインをちょうだい。疲れてるから」
女主人は手慣れたリーの発言に感嘆したようにピュッーと
吹くと、宝石をゆらしながら酒をつくりはじめた。
リーはその様子を眺めながらだるそうに言った。
「もうここやめるのね。いい店なのに」
女主人はかわいた笑い声を上げた。すかさず男たちの視線がこちらへ注がれる。
リーは顔をしかめた。
「そうさ。よく気づいたね。ここはもう何年もやっていてね。あたしの夫も病気になっちまって役にたたないし、近頃はスペックも増えたから」
それを聞いてリーは顔を上げた。ちょうど、小さいがすばしっこそうなウサギが耳を立てたような様子だ。
「スペックはここへこれないはずよ」
「それがねぇ。くるようになったのさ。この前も二人のスペックがあのかたくるしい服をきてやってきたよ。あたしは病気の振りして追い払った。ヤツらは気づいてないようだったが」
「危機一髪ね」リーは満足げに微笑を浮かべた。だが、彼女をとりまく警戒はまったく薄れていなかった。やがて女主人は酒をグラスにそそいでリーにわたした。
「あんた、名前なんていうんだい?年は16くらいに見えるが」
リーは瞳を閉じてつぶやいた。「ロレーヌよ。ロレーヌ・ロンバルト。15歳」
女主人は共犯者めいた微笑みを浮かべた。
「あんた年のくせにはませすぎてるね。本当に15かい?魔法使いじゃないのかい?」
リーは余裕の表情を浮かべ、酒を一口飲んだ。
「魔力はあるけど、若返りなんて禁断の魔法は知らないわ。この世に使ってはならない魔法が、死と蘇り、若返りだというのに、私なんかが犯すはずないでしょう」
「それもそうだね。だがあんたは子供じゃない。それは断言できるよ。その目をみると、そうとうな苦労をしてきたようだから…」
リーは女主人に目で笑いかけると、グラスをおいた。
──苦労…、か。私が味わってきた苦しみが苦労なんていう軽い言葉で片づくのならば正解だわね。
そのとき、見かねた男たちがゆらりと寄ってきた。
「よう。ロレーヌ嬢ちゃん。いい名前じゃねえか。俺らこれからいいとこいくけど、お前もくるか?」
女主人はあきれたような顔をして男たちを見た。どうやら常連のようだ。リーはしかめ面をしてから、男たちを不潔そうに眺めた。
「すてきなお誘いうれしいわ。だけど、もう少しきれいになってからおいで願いたいわね。あなた方、礼儀というものをしらないようだから。レディをさそうときは清潔でなくちゃ」
男たちは笑った。「いうねえ。別嬪さん。俺らこう見えても礼儀をわきまえていてね。とくに15の娘っ子にゃあ……」
男の一人が拳をふりあげたとたん、けたたましい叫び声が店中に響きわたった。男の声だ!
リーは目の前の光景に思わず口をふさいだ。
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