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- 犯罪記
- 日時: 2011/01/29 09:21
- 名前: LULLABY/you... (ID: BZFXj35Y)
これは
現実か______理想か______
真実は何処に存在するのか______
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- Re: 犯罪記 ( No.1 )
- 日時: 2011/01/29 09:48
- 名前: LULLABY/you... (ID: BZFXj35Y)
東京 某所
「殺されたのは………東明高校に通う星野由香ちゃん。見ての通り、顔面を鈍器で殴られ撲殺されてます。」
夜の東京。世田谷区は赤いランプと警察官で染まっていた。‘KEEP OUT’の黄色テープは、現場を取り囲んでいる。
路上には、最早顔の原型が残っていない女子高校生の無残な姿があった。
殺された女子高生の隣で合掌している年配の刑事は、立ち上がるとため息をついた。何のため息なのだろうか?
年配の刑事は、隣にいる眼鏡をかけた若い刑事に話しかける。しかし、若い刑事は遺体を見て呆然としており、口をポカンと開けている。その姿は警察とは思えない表情だ。
「江堂警部補。そろそろ死体に慣れろよ、今後もずっと見ていくんだぞ。」
「で、でも………これは…………犯人どうかしてますよ…………」
「確かにな。」
16歳の女の子の顔をグチャグチャにする犯人。2人の体に悪寒が走る。警部補の江堂真太郎は、警察手帳を出す。
「後で親族と学校の方に連絡はします。それより、問題は犯人が誰なのか分からないことです。本城警部。」
眉間に皺を寄せた本城修吾警部は、手を組んで現場を見渡す。現場は住宅街のど真ん中。しかし、目撃者はいない。
これは、ただの通り魔か?
だが、通り魔が鈍器を持ち歩くことは大抵ありえないことだ。鈍器で顔がグチャグチャ=強い殺意が犯人にあった。
こう考えるのは正当だ。となると、犯人は彼女の知り合いとなる。友人、ネットの友達、或いは身内?
犯行時間は推定、夜中の12時30分ごろ。この時刻ならば、彼女の同級生が犯人とは思えない。
……………………駄目だ
「さっぱりだな。……お前は夜が明ける前に、その2か所に連絡をいれとけ。俺がある程度調べとく。」
「分かりました。では。」
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「ママぁ〜、ぱとかーがいっぱいいるよぉ。」
犯行現場の目の前に建つ2階建ての家。ベットの上に立って窓から現場を見下ろす可愛らしい男の子がいた。
「遊君、もう寝ないといけないわよ。夜の12時に起きてる子にはお化けが来るぞぉ〜♪」
エプロン姿の母親は、恐らく幼稚園にも通っている男の子をベットに寝かせた。
男の子は母親の手を掴み、静かに布団へ潜り込む。
「ママぁ。さっきお歌が聞こえたんだよ。」
「はいはい。子守唄を聞いたら寝なさい。」
母親は微笑みながら、男の子の隣で優しい声で子守歌を歌う。
そして、男の子はゆっくりと目を閉じ、夢の中へと落ちていった。
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