ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- タロット少女哀話 〜一つの思い〜
- 日時: 2011/02/02 19:09
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: 0TdvNrVL)
注意
ゴミスレ禁止
文句禁止(アドバイスなら全然おK☆
駄作ではありますが、見ていただけると光栄です。
それじゃ、スタート!
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- Re: タロット少女 〜一つの思い〜 ( No.1 )
- 日時: 2011/01/31 20:31
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: mEh5rhZz)
「塔(タワー)破壊を表す……。最悪な運勢……。」
小さな島の小さな学校の小さな教室、ミステリアスな一人の少女が小さなくもった声でクラスメイトを相手に占いをしていた。
「死神(デス)終結……。こんな最悪カードが続くなんて…結果は……そうね、今まで曖昧だった恋が、急に最悪な状況になり、ついに完全に終わってしまうって意味ね。立ち直って、新しい恋に挑戦するべき。」
「そんな……。失恋ってこと!?やだよ。」
占ってもらっていたクラスメイトは目に涙を浮かべて下を向いている。
占っていた少女はクラスメイトを数秒見つめると、席を立って教室を出て行った。
プロローグ終了
- Re: タロット少女 〜一つの思い〜 ( No.2 )
- 日時: 2011/02/02 19:08
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: 0TdvNrVL)
第一話 一枚のカード
「ねえ、知ってる?タロット少女の噂。タロット少女は普通の中学生なんだけどね、ネットで〈タロット通信〉にアクセスして、知りたいことを書き込むと、タロット少女が占ってくれるの。でもタダじゃないの。」
「タダじゃないって?有料ってこと?」
「ううん。違うの。代償っていうか、自分の中から、何かとられるの。」
「何かって何?」
「わかんない………。」
「愁一、なんか情報集まった?」
わたしは父親の愁一に質問した。
「いや。でもなんか、そこら辺の小中学生のほとんどがタロット少女を知ってるんだよ。いつからそんなに有名になったんだか。」
うーん。島をはなれて、都会に調査しにきたのに、島と同じ情報しか流れてないなんて。
来た意味ないっ!
「明日は学校だよ。もう帰ろ。」
「そうだな。まだ小3、9歳だもんなっ。身長なんて……。」
「何余計なこと言ってんのっ!」
愁一ったら。
「愁一だって、35歳で中卒で新婚旅行が福島県で旅行中にレンタカー乗ってたら、事故ってお母さん死なせちゃって。」
わたしは愁一をひとにらみすると、歩き出した。
「琴乃、そんな怒るなよ。事故は向こうがぶつかってきたんだよ。」
まーね。別に愁一のせいじゃないからいいけど。
「タロット少女ってねえ、海島の中学校の3年生なんだって。あたしの友達のお姉ちゃんが一緒のクラスだったんだって。人数少ないから123年全部同じクラスらしーよ。」
わたしと愁一は声のするほうを見た。
言っていたのは普通の中学生だった。1年生かな。
「海島って俺たちの住んでる島じゃねえか。中学校は一つしかないから、百花中学校だな。琴乃の通ってる百花小学校の隣だろ?」
うん。タロット少女が百花中学校の生徒なんて。
「島に帰るぞ。毎日毎日琴乃の夢の中に出てくるストーカー野郎だ。
正体を暴いてやる!」
愁一、やる気いっぱいだ。燃えすぎじゃないの?ストーカーっていうのか?
「だってよ、毎日琴乃の夢ん中に出てきてこういってんだろ。
“知りたいことがあるでしょう。タロット通信にアクセスして”
ってよ。」
うん。知りたいことなんてないよ。
「琴乃、いくぞ!」
やっぱり張り切りすぎなんじゃ……。
第一話終わり
- Re: タロット少女哀話 〜一つの思い〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/02/02 20:02
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: 0TdvNrVL)
第2話 2つの世界
「愁一ぃ。もーいーでしょ。9時なんだよっ。」
まったく。張り切りすぎなんだよっ。
いつも“子供は十時に寝ろ”なーんて言ってるくせにっ。
夜の九時なんだからっ。百花中学校って海沿いなんだよっ。寒いっ。
「も、もう9時!?まだPM6:00くらいかと思ってた。」
は!?PM6:00!?んなわけあるかい!!
「とにかくさあ。さっさと帰ろ。調べたいなら休日の平日にして。」
文句をぶちまけるわたしを余所に、校門の写真をパシャパシャ撮っている。
「しゅーうーいーちーーー!聞いてんの!?」
だめだ。聞こえてないみたい。
ホンットバカなんじゃない?校門撮ってどうすんだか。
「え??なんか言ったか??俺、聞こえてなかったわ。」
なんで聞こえないかなあ。もーっ。
「校門の写真撮ってどうするのっ、って言ってんじゃんか!!」
マジでブチ切れ寸前5秒前!
「わ、悪い。いや、だって、写真好きだし。」
なーにが“いや”“だって”なのよっ。バカインフルエンザに罹ったのかしら!!
「写真撮ったって変わりません!!明日になったら調査しましょう!!
明日百花中学校は土曜参観日ですから!!」
参観に忍び込む……。それがわたしの狙い。
愁一の狙いは一体なんなんだろっ。
「お、俺の作戦?知りたいかあ?」
愁一がニヤッと笑う。ここはギャグみたいな作戦なんじゃ?
「ギャグみたいな作戦??失礼な。」
愁一はふて腐れたような表情を浮かべる。でも、すぐに自慢顔になった。
「聞いて驚け!その名も『タロット少女追跡作戦』だっ。朝から晩まで、ずっとついて行くんだっ。」
お前のほうがずっとストーカーだっ!!やっぱ愁一はバカインフルエンザ感染者なんだね。
「逮捕されるだけ。情報ゲット絶対できない。」
あきれるヤツ!!とにかく今日は帰るよっ。
「あ、そうだ。」
今度は何ッ。
「琴乃が〈タロット通信〉にアクセスすればいいんだよ!」
そうしたら、どうかなるの??
「知らん!でも情報はゲットできる!確信したッ。」
確信の理由を教えてよ。
「理由?知らね。でもなんかわかるんじゃないか?」
もっともだとは思うけど。やってみるかっ。
「よーし。俺の作戦大成功!」
まだ成功してません!!
一月七日 AM11:45
カチャカチャ
「あっ。出てきた。タロット通信。」
検索してみたら、普通に出てきたよ。
「え〜っと。何々?」
わたしは画面をのぞき込んだ。内容はこんな感じ。
タロット通信
ここはタロット通信。貴方の知りたいことが何でも知れる。
|‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾|
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
ここに知りたいことを書き込んで。
占いは有料ではないわ。代償は……果てなく大きいわよ。
後は貴方が決めなさい。
「な、何これ。これ、タロット少女が??」
「どうした、琴乃!!こ、これがタロット通信?!」
これがタロット通信…………。真っ黒な画面に白い文字が躍ってる。
「なんか書き込んだらどうだ?」
「何言ってんのっ。やだ、代償は果てなく大きいんだよっ。」
それを娘にやらせるなんてっ。サイテー!!
「それもそうだな。あ、もうすぐ百中の参観が始まる!」
ええっ。やばっ。早くしよっ。
「ま、結局サイト見たところでなーんにも変わらなかったね。意味なし行動。」
「ま、まあな。でも発見あっただろ。」
へー。どんな?
「タロット通信は本当にある……ブヘッ!。」
「今頃そんな知ってどーすんのっ。」
愁一が困った顔をする。はやく百中にいかないと。
第2話終わり
- Re: タロット少女哀話 〜一つの思い〜 ( No.4 )
- 日時: 2011/02/12 16:14
- 名前: あいる ◆TiP5As2jNc (ID: nWdgpISF)
第3話 3人の仲間
「愁一ぃ、あの人だよ。タロット少女。あの黒いロングヘアの人。」
百中の授業参観に潜り込んだわたしたち。
「あれがタロット少女。名前は…よく見えないな。琴乃は見えるか?」
愁一には見えないか。わたしには、前から3列目くらい普通に見えるけど。
「えっと、秋村 千花。」
「なんだそりゃ、フツーな名前じゃないか。本当にあれがタロット少女なのか?」
絶対あの人だもん!フツーなんて油断しちゃダメ!
「ピリピリしてんなー。大丈夫だろ。相手が出来るのは占いだけかもしれないし。」
そうだけど…。
「そこの保護者さん!騒がないで!授業妨害ですよ。出てってください。」
愁一のバカ!追い出されちゃったじゃん!
「ま、まあな。でも休み時間に聞き込みすりゃいいだろ。」
聞き込みって誰にするの?
「タロット少女!に決まってるだろ!」
…………。
「なるようになる!」
大丈夫なのかな、この人。大人と思えない。
休み時間
「君、おはよう!」
愁一が元気に挨拶した。相手は《たぶんタロット少女》の秋村千花。
いや、ちょっと待って。女子中学生にいきなり「おはよう」とか言う人っている?しかも今、昼休みだし。もうお昼だよ?
「あなた誰?」
やっぱりそう言うよね。愁一がなんか変人を見る目で見られてる。
「いや、俺?俺は愁一。七瀬愁一だよろしく!こっちは娘の琴乃だ。」
いきなり「よろしく」って、千花さんはよろしくしたくないと思うよ。
「夜露死苦。」
夜露死苦とか言われちゃってるし。
しかもわたし、千花さんに見られてるっ。うう、やばっ。
「愁一さん。どうしてわたしに話しかけてくるの?」
ぎゃーっ。おそれていた質問を言われたっ。
愁一、どう答える?
「いやぁ、君可愛いから。」
えええぇぇぇーーっ。そう答えちゃう?
「そこのおじさん!千花に気安く話しかけるな!」
え?だ、誰?
「わたしは美帆!千花の親友!」
「あたしはリカ!千花の親友!」
「わたしは栄美!千花の親友!」
わわっ。3人もいるっ。親友ってことは…まさか…いやまさか…。
「あたしら4人、全員タロット占いができんだよ!」
やっぱりぃ!
「リカ、それを言ったらわたしがタロット少女だって分かられてしまうでしょう。ま、この2人は最初から分かってるみたいだけれど。」
ギクッ。
「また、色々話しましょう。琴乃。夢の中でね——————」
いきなり呼び捨てにされたっ。ていうかまた夢の中に出てくる気!?
やめてーっ。
「ふふ。それじゃ、またいつか。」
またいつかって…。
「さようなら。」
バタン!
追い出される結末…………。
「琴乃、次に夢の中に出てくるときを待とうか。」
「うん。」
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