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- Melancholy and caprice
- 日時: 2011/02/05 10:37
- 名前: 雨影ユイ (ID: m26sMeyj)
憂鬱と、気まぐれ。
……初めましてこんにちは。雨影ユイと言います。
小説好きですが書くのはあまり……と言う感じの奴です。
実は以前名前を変えて此処に居た事があります。知らない人の方が多いと思われますが。
ちなみにこの小説は更新が遅い上に誤字脱字が多い思われますが、宜しければ見て行って下さい。
時々流血要素やダーク要素などがございますので、苦手な方はご注意を。
……それではどうぞ。
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- Re: Melancholy and caprice ( No.1 )
- 日時: 2011/02/05 14:53
- 名前: 勿忘草 (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://早速名前変えました。読み方は“わすれなぐさ”です
登場人物
ノエル・ヴェルフィリア
男 17歳 身長172cm
灰色の少し長いショートヘアを一つに結んでいる。目は青く、両耳に黒いピアスを付けている。
基本笑顔でいて、気分屋では無い自由人で来る者拒まずな性格。「自分」が壊れるのを恐れている。
フィリ・ラーテンバード
女 17歳 身長165cm。
薄いクリーム色をしたロングヘアに濃い紅目。色白で華奢。
マイペースで何処かぼんやりとしていながら、少々おかしい所がある。大雑把で適当主義。
ハリウェル・ミシア
男 16歳 身長175cm。
青みのかかった黒髪に、スカイブルーの瞳を持つ少年。
天然で鈍感で。さらに細かい事を気にしない大雑把さを持ち、明るい人。
アニー・セントラ
男 15歳 身長157cm
透き通ったような金髪にエメラルドグリーンの瞳。右目が少々濁っている。
変人、と言うかやや狂人っぽい。脳内花畑状態の割には頭は良い。
メルト・クラヴィス
女 17歳 身長170cm
ロングウェーブの茶髪に黒目。人形のような顔をしている。
にこにこしながらかなり人を苛々させる喋り方をする。どうやら分かっていてやっているらしい。
- Re: Melancholy and caprice ( No.2 )
- 日時: 2011/02/05 14:56
- 名前: 勿忘草 (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://早速名前変えました。読み方は“わすれなぐさ”です
プロローグ
いつだって、怖い。
自分が自分を殺してしまいそうで。
もう一人の俺が俺を殺してしまいそうで。
もう一人の俺を皆が殺してしまいそうで。
いつか俺が俺で居られなくなるのかと思って。
ずっと、怖い。
……ねぇ。
——————どうして俺は、俺でいられないの?
- Re: Melancholy and caprice ( No.3 )
- 日時: 2011/02/05 21:30
- 名前: 勿忘草 (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://早速名前変えました。読み方は“わすれなぐさ”です
第一章「何となく、」
———27年前。
人間はとある人間達と、対立した。
“魔術”を扱える、人間達と。
普通の人間にはあるまじき力を持つ、人間達と。
火を、水を、気候を、天気を、そして人の命すら扱える、人間達と。
人間は魔術を扱える人間を、そして魔術を扱える子供を追放する為に、一つの学園を創った。
名を、魔術訓練専門学園「メシア」。
其処は人と魔術を扱える人間が争わず、冷戦状態のままで居られる重要な楔だった。
人間は其処に関わらず、魔術を扱える者は人間に関わらず。
お互いの存在など知らない、とでも言う風に。
それがどれだけ不毛で、哀れな事なのかと言う事など全く考えずに。
ただただ、お互い関わらずに居た。
人々は知らない。
それがいつしか壊れる事を。
人々は知らない。
それを自ら壊しに行く事を。
.
- Re: Melancholy and caprice ( No.4 )
- 日時: 2011/02/05 21:59
- 名前: 勿忘草 (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://早速名前変えました。読み方は“わすれなぐさ”です
「……朝から人の寝込みを襲うのはどうかと思うよ、ハリウェル」
朝日の眩しい、清々しい朝。
二段ベッドの上の段に寝ていた少年は、突然肩を揺さぶられてゆっくりと瞼を開けた。
起こされた少年、ノエル・ヴェルフィリアは目を開けるなりそう呟く。
そしてハリウェルと呼んだ少年の返答は待たずゆっくりとベットから起き上がった。
しかしそんな彼を起こした張本人であろう青みのかかった黒髪が特徴的なハリウェルは特に謝罪もせず、それどころかつまんなさそうに口を尖らせる。
「襲ってねーっつの! ノエルが起きるの遅すぎなんだって」
……だからって起こしに来るかな、朝六時に。
ノエルは眩しい朝日を身に浴びつつ、大きく伸びをしてベッドから降りた。
現在の時刻は午前六時。けしてノエルが寝坊したわけでは無く、ハリウェルの起床時間が早いだけだった。
そしてノエルは腕に着けていた黒い髪ゴムで自分の少々長いショートヘアの灰髪を一つに結いながら、ハリウェルに話しかける。
「ハリウェル、今日の授業何だっけ?」
一見すれば彼の年齢相応、つまり学生らしい話題。
しかしその返答は現代の学生の会話と少々違う点があった。
「んー……。呪術と古代歴史系じゃなかった?」
“呪術”。
少なからず現代社会には無いであろう授業。
しかし彼ら、そして彼らの通う魔術訓練専門学園「メシア」にはある意味当たり前の授業であった。何故かと言えば、二人とも魔術を扱える人間だからの一言に尽きるだろう。
この学園、さらに彼らの部屋に居る他の人物も普通の人間は居なく、皆魔術の使える人間である。
「あぁ、そっか。じゃあ歴史は寝よ」
「そうだな……っておい! 何朝から堂々サボる宣言してんだよ!!」
ハリウェルはノエルの言葉に頷く……かと思いきや肩をすくめやや大きな声で叫ぶ。
……うるさいなぁ、とノエルは他人事のようにハリウェルを見ながら薄く微笑んだ。
仮に魔術を扱えるとは言え、彼らも人間と言えば人間である。感情もあるし、思いもあるし、悩みもある。
しかしそれは全て普通の人間にそれを言えば否定される事なのだろう。
“魔術師に感情なんか無い。ただの殺人鬼だ”
と言い魔術を扱える人間と対立しようとする人間は未だに存在するのだから。
- Re: Melancholy and caprice ( No.5 )
- 日時: 2011/02/06 11:36
- 名前: 勿忘草 (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://早速名前変えました。読み方は“わすれなぐさ”です
この学園には、三つのクラスがある。
そのクラスはまとまって行動し、寮などの部屋でまとまって暮らしている。言ってしまえば家族のような存在。
そして生徒はこの学園に入学する前に魔力によって三つのクラスに分類されるのだ。
一つ目は、グラシスクラス。
二つ目は、トルバートクラス。
三つ目は、ミシェルメアクラス。
——————そして、“以前”は存在していたセシルフォードクラス。
そしてそのクラスは、今も尚語り継がれる。
“惨殺されたクラス”と。
「あ、そう言えば今日何処のクラスと合同だったっけ」
髪を結ってから、普通の学生と同じような白い長袖Yシャツと黒いズボンを履いて、青色のネクタイを締めながらノエルは言った。
ハリウェルはノエルを起こす前から既に着替えていて、やや着崩した征服をいじりながら話す。
「んーっと……ミシェルメアじゃね?」
「ふーん」
ノエルは自分から聞いた割にやや興味の無さそうな返事をして、黒色のベストを上から着る。
そしてハリウェルは自分のベッドに腰掛けながらあぐらを掻いて、両腕を頭の後ろに回していた。
……あー、授業面倒だな。
ようやく制服に着替え終わったノエルはパジャマを畳みながら心の中でそう呟く。
ハリウェルはふと上半身をベッドに沈めてから勢い良く起き上がりノエルのベッドへと近づいた。
どうやら、じっとしているのは苦手らしい。
「なぁ、ノエルー……知ってるか?」
「何を? と言うか知らない」
ふとにやりと笑ったハリウェルが、ノエルにそう問う。
ノエルは一瞬ハリウェルをちらりと見ながら肩を竦めてそう答えた。
「ミシェルメアクラスにとんでもない奴が居るんだって事をな!」
「あーごめんそれ知ってる。……フィリ・ラーテンバートでしょ?」
ハリウェルは「何だよ、知ってたのかっ!」と言いながら残念そうに口を尖らせた。
ノエルはそんなハリウェルを放置しながら、今しがた自分の口から発した人物の情報を思い浮かべる。
フィリ・ラーテンバート。
ミシェルメアクラスに所属している女子生徒で、あまり授業に出て来ないサボり魔として有名な人物。
ただ、それだけで有名なのではなく、あまり人と関わらないせいでとんでもない噂が流れているのだ。
ノエルにとってはどうでも良い話だったが、噂好きの女子が耳に蛸が出来そうな程彼女の噂をしてるのでノエルも彼女の事を知っていた。
……あくまで、噂上での彼女のみだが。
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